2008年02月17日

必読本第608冊目 星野流

必読本 第608冊目

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星野流

星野 仙一(著)

¥ 1,470 (税込)

世界文化社

単行本(ソフトカバー): 416ページ

2007年11月25日 初版

 

●点火のためには、時には殴る、それがどうした。

いま日本で一番燃えている男・星野仙一が、

延べ14年の監督生活における77の発言をピックアップ、その意図を説明。

勝つための「人」「時」「組織」をつかむ発想法を明かす。

「上司にしたい男性ランキング」で常に上位に位置する星野仙一氏が、

現役時代、監督時代を総括し、

プロとしての気構え、人心掌握術から、

昔懐かしい想い出話、己の健康法まで余すところなく語る、魂の言行録。

北京オリンピックアジア予選という、

日本人ならば誰もが釘付けになった

昨年2007年11月末というタイムリーな時期に発売された本である。

●章立てが「人をつかむ20の法則(以下同じ)」

「時をつかむ〜」「自分をつかむ〜」

「組織をつかむ〜」「成功をつかむ〜」となっていることから

わかるように、

一応、ビジネスマンに向けた自己啓発本というコンセプトなのだが、

星野さんの語った言葉を、ほとんど削ぎ落とさないで、

そっくりそのまま文章化している本なので、

本としてのコンパクトさには欠ける。

400ページ以上の分厚さになったことでもそのことがわかる。

●よって、単純に「星野仙一物語」として読むのが好ましいでしょう。

母子家庭で育った幼少時の思い出や、

早世された奥様との闘病記、言語を絶するスパルタ野球だった

明大島野監督の苦闘物語、プロ入り後も

川上、与那嶺、水原、根本などの名監督から受けた教えや、

監督時代に指揮した中日、阪神時代の選手たちとの

悲喜こもごものエピソードが実にたくさん紹介されている。

おそらく、星野さん自身が筆をとったものではなく、

口述したものをライターさんが文字にまとめたものだろうが、

星野さんの講演会を実際に聴いているような錯覚を覚えるほど、

軽快感あふれる読みやすい文章です。

●テレビで見る限り、

すぐに激高して物には当たるわ、人はぶん殴るわの

怖いもの知らず、熱血漢の印象が強い星野さんだが、

本書を読むと、実に繊細で気配りの出来る人で、

直感型の長嶋監督と違い、用兵、戦略などにも

かなり緻密さを感じさせるし、ちょっと意外な印象を受けるはずである。

目上の人には常に先回りするような心配りをする一方、

球団の長老オーナーだろうが、先輩大監督だろうが、

遠慮なく自分の考えをドーンとぶつけるところなど、

会社人間ならば、上の人間にかわいがられるコツ、

組織内でうまく立ち回るコツや、

管理職として、後輩、裏方さん、つかみ所のない厄介な存在である

外国人を気持ちよく動かすためのコツなどを学ぶことが出来ます。

●私のような純粋なプロ野球好きならば

是非手にするべき本だと思う。

マスコミに表立って報道されることのない

裏話的なエピソードが豊富で、

読み始めると止まらない面白さがある。

この本を読んだのと読んでないのとでは、

これからのプロ野球の見方や、

夏のオリンピック野球の楽しみ方が全然変わってくるはずです。

●惜しむらくは、これほど分厚い本なのに、

写真が1枚もないこと。

普段テレビでなかなか見せないような、

自宅でのくつろいだひと時、日本代表監督の

舞台裏、意外な有名人との交友風景など、

是非とも著者周辺の写真をたくさん掲載してほしかった。

そこだけは非常に不満でした。

 

【マストポイント】

@鈍感は悪。周りにも自分にももっともっと気を遣え。

明大野球部キャプテン時代に、徹底して島野監督に

身の回りのこと、人間関係など、人としてのあるべき姿を叩き込まれた。

目配り、気配りに欠ける人間はどこの世界でも使い物にならない。

トイレ掃除、時間厳守、人の名前の呼び方、道具の手入れ、

服装などの身なり、食事の作法、天候の配慮など、

あらゆることに神経を行き届かせなければ一流にはなれない。

A本当の愛、思いやり、友情とは、

「いざという時には、俺が助けてやる」という心を

持っているかどうかである。

これがあるから、周りの者の信頼感を獲得でき、

長い人間関係を保っていくことができる。

B迷ったら前へ、迷ったら必ず前へ。

誰でも人生の選択に迷う時はあるが、

やらずに後悔よりやって後悔した方が断然よい。

星野さんは高校、大学、プロ入りした球団と、

すべて自分の希望と違うところばかりに行かざるをえなかったが、

その時の決断は非常に迅速だった。

迷ったら退路を断って、前へ突き進む。

そうすれば必ず活路が開ける。

 

【著者略歴】

星野 仙一
1947年岡山県生まれ。倉敷商業から明治大学に進む。’69年ドラフト1位で中日ドラゴンズに入団、エースとして活躍する。’74年にはチームをリーグ優勝に導くとともに、自身も沢村賞を獲得。通算成績146勝121敗。退団後、NHK野球解説者を経て、’86年シーズン終了後中日監督に就任。2度にわたる監督キャリア11年間において、’88年、’99年の2度セ・リーグ制覇を含め、8回のAクラスの成績を残す。2001年12月阪神タイガース監督に就任。03年、18年ぶりのリーグ優勝をもたらした。阪神SD(シニア・ディレクター)。2007年野球日本代表監督に就任。

野球日本代表公式サイト http://www.japan-baseball.jp/


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