2008年04月20日

必読本 第658冊目 お母さんの声は金の鈴ー椋鳩十の母子論

必読本 第658冊目

DSC09889.JPG

お母さんの声は金の鈴

ー椋鳩十の母子論

椋 鳩十(著)

892円(税込み)

あすなろ書房

単行本:88ページ

1991年5月30日 初版



●先日ご紹介したばかりの、

椋さんの講演録だが(必読本第635冊目参照)、

似たような本が入手できましたので、

本日読んでみることにしました。

幼少期の子供に母親が本を読み聞かせすることの

大切さを述べた本です。

●90ページにも満たない薄い本で、

30分あまりで読破できる。

子供の頃に培った「前意識」

(いわゆる「潜在意識」のことを言われている)が、

後年その人のすべてを形成することを

はじめの方で述べられ、

そのために、母親が、子供の寝際に、

色々な物語を読み聞かせてやることが

非常に大事だと言われている。

寝る直前に聞いたり、口に出したり、勉強したりしたものが、

睡眠中に脳の中で整理統合され、長く記憶されると

いった話はよく聞くかと思う。

やはり、子供が寝る前に童謡や昔話を

してあげるということが情操教育に良いことは

確かなことのようだ。

●現代の母親は共働きされていて非常に

多忙で、また、親自身が

読書量が少ないがゆえに、

子供に本の大切さを教えることができないという

方はとても多いかと思う。

またテレビ、インターネット、ケータイ、ゲーム、マンガなど、

子供の娯楽も昔とは一変し、

よほどのことがない限り、

本好きの子供にするのは至難の業である。

●やはり、「三つ子の魂百まで」というように、

子供のころ沢山良質な本を読んでもらった子供は

健やかに育ち、自分から率先して本を読むようになる。

小さいお子さんをお持ちの若い親御さんや、

教育関係者にとっては非常に

得るところが多い本です。

●最後に余談だが、椋さんの講演録を2冊

続けて読んでつくづく痛感したことがある。

それは、スピーチするにしても、プレゼンをするにしても、

ついついププッとまわりの人が笑ってしまうようなことを

話の合間に挟み込むということが大切だということだ。

●よく言われるように、人間の集中力は、

もってせいぜい20分間である

(藤田田さんの日本マクドナルドでも、

そのことを考慮して、社員教育用ビデオは

1本20分間で作られたという)。

どんなに素晴らしい話をされても、

高度な理論や法則を披露してもらっても、

真面目くさった語り口でただ淡々と30分も1時間も

話をされたら、聴いてる人が飽きてくるのは当たり前である。

ついつい笑ってしまうようなギャグやユーモアを随所に

挟んで、聴衆の飽きや集中力散漫を防ぐことは

スピーチの大切な技術の一つでしょう。

先日、東国原知事が私の地元に来たのだが、

その方なども以上のような勘所を押さえた

素晴らしいお話をされたものだ。

人前で話をする時には覚えておきたいポイントである。


【マストポイント】

@見たり、聞いたり、読んだりしたものすべては、

死ぬまで、心の底の前意識に残る。

そして、この前意識が、その人のすべてを支配する。

何を見て、何を聞いて、何を読むかは

軽視することのできない問題なのである。

A「見る、聞く、読む」これが人間をこしらえる3大要素である。

母と子供の読書生活は、このうち「聞く、読む」にあたる。

どんな内容のものを読み、どんな人が読んで子供に

聞かせてやるかが、その子に非常に強い影響力を与える。

B「母が声を出して読んでやるということは、

きわめて大事なことである。

なぜなら、声の中には必ず力があり、

心を込めて読んでやれば優しい母の声が、

子供の中に入り込んでいくのである。

母の声は、子供の心にしっかりと焼きつくのだ。

この懐かしい母の声は、金の鈴の音を立てて、

子供の心の中で、鳴り続けるのである。

この声は、あるときは優しく、温かく、あるときは、強く、

激しく、子供をなぐさめ、励ますのである。

こういう声を持つ子供は、家庭内暴力など起こすはずがない。」

(本文より)

 

【著者略歴】

椋 鳩十(むく はとじゅう)

本名・久保田彦穂は、明治38年(1905年)長野県下伊那郡喬木村阿島に生まれました。 法政大学卒業後、鹿児島県に教員として赴任してから作家活動を始めました。 戦後、鹿児島県立図書館長となり、「片耳の大鹿」、「孤島の野犬」など新作を次々と 発表。戦時中に命の尊さと勇気や友情を訴えた作品は高く評価され、全国の小中学校の 教科書に採用されている作品は数多く、その作品は海外でも高く評価されました。ま た、「母と子の20分間読書運動」を展開するなど、図書館活動、文化活動にも大きく 貢献しました。 1947年(昭和22年) 鹿児島県立図書館長に就任(19年間勤務) 1951年(昭和26年) 著書「片耳の大シカ」出版。(文部大臣奨励賞を受ける) 1961年(昭和36年) 著書「大空に生きる」で小川未明文学奨励賞受賞。 1967年(昭和42年) 鹿児島女子短期大学教授に就任(11年間勤務)1971年(昭和46年) 著書「マヤの一生」「モモちゃんとあかね」で第1回赤い鳥文学賞受賞。1987年(昭和62年) 12月27日82歳で他界。



ラベル:椋鳩十
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。