2008年05月08日

必読本 第668冊目 関口知宏の中国鉄道大紀行 2―最長片道ルート36、000kmをゆく (2)

必読本 第668冊目

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関口知宏の中国鉄道大紀行 2

―最長片道ルート36、000kmをゆく (2)

関口 知宏(著)

¥ 1,365 (税込)

徳間書店

単行本: 116ページ

2007年11月30日 初版


●石門県、吉安、武夷山、合肥を経て、

列車は「春の旅」の終着駅・西安へ。

NHKで放送された「関口知宏の中国鉄道大紀行」を単行本化。

2では春の旅の後半(桂林?西安)を絵日記と写真で綴る。

●以前ご紹介した本(必読本第625冊目参照)の後編。

関口さんが、中国大陸を
 
春の季節(2007年5月6日〜6月7日)に旅した

後半部分を紹介する。

偶然にも時期的にちょうど今の季節と重なりますので、

これからの観光旅行シーズン、中国の人気スポットである、

桂林、西安、上海、南京などを訪れる予定のある方ならば、

関口さんがこの中国南部地域を訪れておりますので、

非常に参考になるかと思います。

●前作と同じように、写真と絵と文章がミックスされた

旅日記風の本に仕上がっている。

例によって、関口さんのイラストはプロかと見まがうほどの

出来栄えで、惚れ惚れと見入ってしまう。

しかし、この人は、外見も男前

(何となく、速水もこみちに顔が似ている)なら、

文章もしっかりしているし、

絵も描けるし、歌も歌えれば、楽器も奏でる。

「芸は身を助ける」と言うが、

これぐらいに多芸多才な人は、見ず知らずの異国においても、

すぐに子供や老人や美女(前作でも感心したのだが、

この人は、本旅によって、数多くの美女と自然とお近づきに

なっている。羨ましい限り)と

知り合うことができるのだなぁ、つくづく痛感させられた。

外国で生活予定のある方は、

何か日本独自の文化をひそかに習って、

あちらで披露すれば、数多くの友人が自然にできますよと、

という好例である。

●飛行機で、疲れることなく一気に移動する旅行ばかり

に慣れた我々現代人は、なぜ、こんなに時間がかかり、

疲れることばかりで、不便極まりないのにもかかわらず、

こういう長距離の鉄道旅行記を読むと、

俄然自分も行きたくなってしまうのだろうか。

それはやはり、車中での他人との偶然の出会い、触れ合い、

そして、何の事前情報もなく降り立った地での、

予想もしてなかったサプライズがあるからであろう。

本書でも、幸運な偶然が重なって

完成した「零」という自作の曲のエピソードが出てくるのだが、

非常に神秘的な力が作用して完成したとしか思えないような

摩訶不思議なお話であった。

本文にあるエッセイも、ありきたりでない、

非常にしっかりとした意見が述べられていて、

とてもタメになります。

●それと忘れてならないのは、

中国人の人懐こさ、天衣無縫さであろう。

平気で列に割り込みしたり、喧嘩っ早かったり、

つばを吐きまくる、ごみを平気で捨てるなどの、

マナーのマの字も知らない連中ばかりだと

一般には思われている中国人だが、

一度仲良くなってしまうと、それこそ「竹馬の友」かと

いうほどの親密さで、あらゆることに世話を焼いてくれる。

アパートやマンションで隣人と会ってもあいさつも

ろくに交わさない、昨今の日本の人間関係の希薄さを

思うと、よっぽど中国人の方が人間らしいとまで思ってしまう。

中国人に悪いイメージしか持っていなかった人は、

思いを新たにするはずである。

●旅行ガイドとしても、

中国関係書としても、文句なく楽しめる本だが、

玉にキズなのは、写真の質が悪いこと。

長旅で、最新のデジカメを現地に持っていくことが

できなかったのか、

非常に画素の粗い写真ばかりでそれには失望してしまった。

テレビ放送の方ばかりに力を入れすぎてしまって、

書籍化することまでを見越していなかったのだろうか。



【マストポイント】

@百聞は一見にしかず。

チベット問題、ギョウザ事件、反日デモなど、

テレビ、新聞などのマスコミ報道だけ見れば、

中国人は最低最悪な国民のように思い込んでしまうが、

実際に一人一人の人と触れ合ってみれば、

それが間違いであることに気づく。

何でもかんでも、マスメディアの情報を鵜呑みにしてはいけない

(余談だが、都市部の中国の女性は、

日本女性が霞むぐらいに、長身でモデルのような

美女がゴロゴロといる)。

A中国語では、いわゆる、シンクロニシティ、

偶然の一致のことを、

「不謀而合」(相談してないのに合うこと)という。

関口さんの今回の旅には、なぜかそれが非常に多かった。

B「人は自らの心声に従うとき、本当の一個人として新生できる。

自らの心声に従うことが、これからの新しい一個人の生き方。

新しい一個人としての生き方は、自らの心の声が知っている。

個性とは、自らの心の声に従う一個人の新しい生き様のこと。」

(本文より抜粋。

普段ならば絶対に嫌うようなことにも、心の声(=直感)に

従って歩いていったら、思いもよらなかった僥倖に

何度も出合ったと関口さんは述べられている)



【著者略歴】

関口 知宏
1972年7月1日、東京生まれ。立教大学経済学部経済学科卒業。大学卒業後の96年にフジテレビ「MMR未確認飛行物体」で念願の俳優デビュー。以後、ドラマではNHK「あぐ
り」(’97)や大河ドラマ「利家とまつ」(’02)、NHKスペシャル「望郷」(’05)、TBS・花王愛の劇場「ママは女医さん」(’04)、映画では「あぶない刑事リターンズ」(’96)や「SHADY GROVE」(’99)など数々の作品に出演。一方、00年には「スタジオパークからこんにちは」(NHK総合)で司会を務めるなど、多方面で活躍。04年には、NHKの番組「列島縦断鉄道12000km最長片道切符の旅」で、JR線の一筆書き・最長ルートで日本列島縦断に挑戦、43日間をかけて全国を旅した。さらに05年「列島縦断鉄道乗りつくしの旅JR20000km全線走破」では、春編・秋編の二回に分けて「最長片道切符の旅」で乗り残したJR線の区間をすべて走り、JR全線走破を達成した。同年の夏、「関口知宏が行くドイツ鉄道の旅」(NHKBS‐hi、BS2)で、初めて海外の鉄道の旅に挑み、好評を博した。06年には「関口知宏が行くヨーロッパ鉄道の旅」シリーズとして、イギリス、スペインなど4カ国を巡った。また、音楽面でも才能を発揮し、04年7月26日には大室山ライブ『新生』を開催。多くの人を集めた。

関口知宏の中国鉄道大紀行 公式サイト  
http://www.nhk.or.jp/tabi/

posted by miura at 12:22| 山形 | Comment(0) | TrackBack(0) | 絵本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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