2008年05月24日

必読本 第680冊目 リーダーの易経―時の変化の道理を学ぶ

必読本 第680冊目

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リーダーの易経―時の変化の道理を学ぶ

竹村 亞希子(著)

¥ 1,470 (税込)

PHPエディターズグループ

単行本:207ページ

2005年9月5日 初版

 

●「時と兆し」を洞察する方法を説き、

現代のリーダーにとって

必要不可欠な智慧が盛り込まれている「易経」。

激変の時代に判断を過たず、

組織と自分を導く東洋思想の叡智を紹介する。

●四書五経の筆頭として、古代の王や賢人の

帝王学、処世術、人生哲学の書として

連綿と読まれ続けてきた『易経』。

その名の通り、易占いの古典的名著として、

女性占い師の細木某など、

現代の占い師必修の教科書としても非常に有名です。

●それなりに占いに興味ある方ならば

誰もが気になる本かと思いますが、

六十四卦の意味の解釈など、

中国古典の中でも難解書としてつとに名が知られております。

私自身も、そういう前評判が頭にあったものですから、

どうせ読んでも理解できないだろうと、

恥ずかしながら、一度も全訳本を開いたことがありません。

●そういう時には、

やはり、その道の第一人者の解説本を読むに限ります。

本書は、企業経営者や管理職に、

易経に基づくアドバイスを与えてきた著者の、

リーダーになる人のための、易経解説本です。

●まず、リーダー成長の6段階を、

龍に見立てて解説した冒頭の第1章が圧倒的に面白い

(というか、本書は、(龍が出てくるわけで言うわけではないが)

竜頭蛇尾の感じがある本で、

後半に行くほど尻すぼみ感がある)。

どんな人間にも、何をやっても目が出ないドン底期があり、

その後、師の下での下積み時代、

独立して次第に頭角を現し、

遂に栄華の絶頂期を得るも、上がったものは必ず下がる

のたとえどおり、衰退期、引退の時期が訪れる。

アインシュタインなどの著名人も引き合いに出し、

人の一生の浮き沈み、リーダーたるものの出処進退の

あり方を詳細に解説した本章は、極めて秀逸。

後半に出てくる、難解な六十四卦もこの部分には出てこないので、

極めて読みやすいのもありがたい。

●何か自分一人の力で決断できない悩み事が

生じると、占い師などに安易に頼ってしまうような方には、

易経は、単なる占い解説本ぐらいのイメージしか

持っていなかったと思いますが、

本書を読むと、実は誤りであることがわかります。

●つまり、易経を熟読玩味することによって、

「君子占わず」(易経)、

「占わずして吉凶を知る」(荘子)

「善く易を為(おさ)むる者は占わず」(荀子)というように、

いちいち、当たるかどうかわからない他人の占いなどに依存せずとも、

自分自身で、物事の変化、予兆、原理原則などを把握する

直観能力、判断能力を身につけることができる

(本書の帯にあるように、易経は、

「わずかな兆しから、将来を察知する」能力を、

独力で会得するための書物と言ってもよいか)。

●ブッダの有名な拈華微笑(ねんげみしょう)の話、

ユングが易経を熱心に学んで、シンクロニシティ、

共同無意識理論を打ち立てた話、項羽と劉邦の攻防など、

興味深いエピソードも満載です。

株など、物事のブーム、推移を見ることに興味ある方にも、

得るところの多い本でしょう。

この著者の本は全く初めて読んだのですが、

かなり惹かれるものがありましたので、

他の本や、易経の関連本も更に読み進めていきたいと

思います。

 

【マストポイント】

@【リーダー成長進化論】

第一段階 潜龍―変化の始まり

1、飛龍(リーダー)としての大いなる志をリアルに描く。
2、潜龍は登用、起用してはならない(実力不足、準備不足だから)。
3、自分が潜龍ならば、確乎不抜として焦らず事を起こさない。

第二段階 見龍―大人(たいじん)のコピーに徹する

1、大人(師匠)のコピーに徹して、基本と型を作る。
2、見る力をつける。
3、自分としっかりと向き合い、自己の内の邪を見つめる。

第三段階 君子終日乾乾(けんけん)す―反省が質を磨く

1、終日努力し、夜に恐れるがごとく反省する。
2、継続は力なり―同じことを毎日飽きずに繰り返す。
3、独創性の創出。

第四段階 躍龍―龍が飛躍する時

1、初心を改めて振り返り、実現の試みを繰り返す。
2、いつでも飛び立てるスタンスをとる。
3、機を観る、見えないものを観る。

第五段階 飛龍―大人を見るに利(よ)ろし

1、大人(自分以外のすべての人、モノ、コト)に学び、
時と兆しを察する力を保つ。
2、耳に痛い言葉や苦手な人を遠ざけない。
3、自らの内に陰を生み出す。

第六段階  亢龍―平らかなものは必ず傾く

1、昇りつめた龍は降るしかない。
2、引き際の美学、出処進退を心得る。
3、また来る春へ備え、滋養の冬へ。

A「易は窮まれば変ず。変ずれば通ず。通ずれば久し」

(何事も、だんだんと満ちていき、

ピークに達すれば、一気に変化する。

変化すれば、そのことが一般的に通用していく。

通用していけば、それが長く広まっていく

B「平らかなるものにしてかたむかざるものはなく、

往くものにして復(かえ)らざるはなし。

艱(くる)しみて貞にすれば咎なし。

うれうるなかれ。

それまことあり。食にして福あらん。」

(平らかなものは必ず傾き、

往ったはずの小人の時代は必ず復ってくる。

安寧に流れず、労していれば、

過失なく咎めを受けるようなことはない。

憂慮せず、誠心を尽くせば、災いにおいても福があるだろう)


【著者略歴】

竹村 亞希子
名古屋市生まれ。易経研究家。(有)竹村代表取締役。中国古典「易経」に基づいて、企業の社長や管理職にアドバイスを行っており、企業経営に携わる多くの人々から厚い信頼を得ている。また、「易経に学ぶ企業経営術」「易経とコンプライアンス」「易経からみた成功と失敗の法則」などをテーマに全国で講演活動を行っている。NHK文化センター「易経」講師。

ラベル:竹村亞希子 易経
この記事へのコメント
竹村亞希子です。
拙著のご紹介、ありがとうございます。
励みになります。

「リーダーの易経」は今年1月に絶版になりました。
2章以降は確かにやや無理があったと思います。
(改めて加筆修正をして『リーダーのための易経の読み方』として他の出版社から復刻しました)

心から感謝いたします。
Posted by 竹村亞希子 at 2009年07月08日 00:05
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