2008年05月26日

必読本 第682冊目 関口知宏の中国鉄道大紀行 4―最長片道ルート36、000kmをゆく (4)

必読本 第682冊目

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関口知宏の中国鉄道大紀行 4

―最長片道ルート36、000kmをゆく (4)

関口 知宏(著)

¥ 1,365 (税込)

徳間書店

単行本: 112ページ

2008年2月29日 初版

 

●瀋陽から長春、ハルピンなどの東北地方を経て、

敦煌、そして終着駅カシュガルへ。

NHKで放送された「関口知宏の中国鉄道大紀行」を単行本化。

4では秋の旅の後半(瀋陽〜カシュガル)を絵日記と写真で綴る。

●中国鉄道大紀行の秋の旅の「後編」。

前回第3作目(必読本第676冊目参照)ラスト地点の瀋陽を出発し、

旅のゴール、カシュガルまで、

2007年10月14日から11月17日の間の模様を伝える。

●中国東北地方の瀋陽、大連、ハルビンなどは、

昔日本が統治していたこともあり、

その当時そのままの日本風建築物が残っていたり、

学生が日本語の勉強に熱心だったりと、

それなりに我が国には親しみやすい部分があるが、

北朝鮮国境沿いの町に行くと、

朝鮮族系の人と当然出会うし、

一路シルクロードの西方地域に向かうと、車内は

途端に、顔も形も同じ中国人とは似ても似つかない、

ウイグル民族の人々が多くなり始める。

単一民族で、島国の我々日本人からすれば、

やはりこのあたりの中国の広大さ、多様性には

驚かされるものがある。

●しかし、このシリーズを通して改めて痛感されるのは、

(関口さんの人徳も当然あるだろうが)

民族や地方に一切関係なく、

突然目の前に現れた日本人の男性に対して

非常に親しげに接してくれる中国人の素朴さ、

人懐こっさである。

●テレビカメラがあるのも当然影響しているだろうが、

にもかかわらず、

全く初めて出会った外国人の隣に何の気兼ねもなく

座って来て、自分が食べようと持参してきた食物を

遠慮なく差し入れしてくれる、歌を歌ってあげる、

突然、家を訪問してきたにもかかわらず、

何の不信感も抱かず、中に招きいれ、

自慢の品を披露してくれたり、

豪華な食事を振舞ってくれる。

日本の同種の番組で、それなりに名が知れた芸能人が

一般人の家を訪問しても、

何度も宿泊を断られていることを鑑みると、

やはりこれは驚きを感じざるを得ない

(壊れたヨーヨーを必死で直し、

別れ際には、

なけなしのお金で自分のために買ったイヤリングを

関口さんにプレゼントとして渡した

小学生の女の子には、特に心を打たれる)。

間違いなく、中国人に対するイメージが変わる。

●他にも、勉学一本に集中するために

わざわざ北京、上海などの大都市の大学を避け、

田舎の大学で日本語の勉強にいそしむ

女子学生たちが、別れの際に、

「今日のことはずっと忘れません」と

何度も関口さんに言ったことなど、

印象的なシーンが数多くあります。

●インターネット、ケータイ電話、テレビ番組、ゲームなど、

面白い娯楽には事欠かず、

お金を出せば何でも買える、

便利な日本という国にドップリと浸かり切った人には、

不便で退屈極まりない国だと思われるかもしれませんが、

何か、過去に捨て去ってしまった、

大切なことを気づかせてくれるような

郷愁的な本に仕上がっております。

芸能人特有の傲慢さを全く感じさせない関口さんの素朴な人柄、

そして、玄人はだしのイラストと達筆な文章も

魅力の本です。

中国語を学ばれている方、これから本格的な

中国長期旅行を計画されている方ならば、

シリーズ4冊すべてを揃えておく価値はありますね。

 

【マストポイント】

@発展途上国への旅行は、

何か日本人が見失ってしまったものを

再発見できる貴重な旅になることが少なくない。

先進国への便利な旅ばかり行かれている方は、

特に色々な気づきを得られるはずだ。

A消灯時間になっても、廊下やトイレの明かりの下で

必死に勉強を欠かさない中国の大学生は、

在学期間中に外国語の一つや二つを

マスターしている人も少なくない。

ODAで中国に農業指導に行かれた日本人の人も、

中国の若者の、疲れることを知らないその体力、勤労意欲に

感銘を受けていた。

勉学的にも、体力的にも、

日本の若者はウカウカしてはいられない。

B「この国は周りの国に比べて後れているというが、

私は幸せだ。

米も大豆もとれるし、野菜もとれる」

(電車で関口さんが隣り合わせた、80歳のおばあさんの言葉)

 

【著者略歴】

関口 知宏
1972年7月1日、東京生まれ。立教大学経済学部経済学科卒業。大学卒業後の96年にフジテレビ「MMR未確認飛行物体」で念願の俳優デビュー。以後、ドラマでは
NHK「あぐり」(’97)や大河ドラマ「利家とまつ」(’02)、NHKスペシャル「望郷」(’05)、TBS・花王愛の劇場「ママは女医さん」(’04)、映画では「あぶない刑事リターンズ」(’96)や「SHADY GROVE」(’99)など数々の作品に出演。一方、00年には「スタジオパークからこんにちは」(NHK総合)で司会を務めるなど、多方面で活躍。04年には、NHKの番組「列島縦断鉄道12000km最長片道切符の旅」で、JR線の一筆書き・最長ルートで日本列島縦断に挑戦、43日間をかけて全国を旅した。さらに05年「列島縦断鉄道乗りつくしの旅JR20000km全線走破」では、春編・秋編の二回に分けて「最長片道切符の旅」で乗り残したJR線の区間をすべて走り、JR全線走破を達成した。同年の夏、「関口知宏が行くドイツ鉄道の旅」(NHKBS‐hi、BS2)で、初めて海外の鉄道の旅に挑み、好評を博した。06年には「関口知宏が行くヨーロッパ鉄道の旅」シリーズとして、イギリス、スペインなど4カ国を巡った。また、音楽面でも才能を発揮し、04年7月26日には大室山ライブ『新生』を開催。多くの人を集めた。

関口知宏の中国鉄道大紀行 公式サイト  
http://www.nhk.or.jp/tabi/



ラベル:関口知宏 中国
posted by miura at 15:46| 山形 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 絵本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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