2008年06月02日

必読本 第688冊目 下流社会マーケティング

必読本 第688冊目

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下流社会マーケティング

三浦 展(著)

¥ 1,470 (税込)

日本実業出版社

単行本(ソフトカバー): 172ページ

2006年2月10日 初版

 

●下流社会化がすすみ、2005年体制は階層化の時代へ。

「標準家庭」が減少、高齢化していく。

消費トレンドはどう変わるの?

時代のデザイン力とは?

階層化と世代マーケティングの具体的でわかりやすい入門書。

●世間で売れまくったベストセラーに後追いするのが嫌で、

どうしても、ずっと読まずに取りこぼしてしまう本が

あるのだが、本著者の『下流社会』(光文社)もそうであった。

先日紹介したばかりの勝間和代さんの最新刊

必読本第686冊目参照)でも推薦されていたので、

その本は依然未読なのですが、

先に本書を読んでみることにしました。

●いかにも勝間さんが好みそうな、

各種のデータ類、図表類が豊富な本である。

前半は、人口統計学、消費動向を

概観した話にほぼ終始する。

右ページに各種の図表を載せ、

左ページにその解説文を掲載するシンプルな構成。

何か、新聞の解説欄を読んでいるような、

平板な内容が続くが、

日本経済の基本的な動向があやふやな方には、

それなりに役に立つことでしょう。

●アマゾンのレビューでは批判が殺到しているようだが、

私はそれほどひどい本ではないと思う。

総中流化社会から下流化社会に変わってきていること。

同世代であっても、階層化が進み、たとえば、

団塊世代は8種類に分けることができる、

その団塊世代の子供は、ニセ団塊ジュニアと真性団塊ジュニアの

2種に別れ、世代が近接しているが、

微妙にメンタリティが違う、

そして、各階層ごとの特徴をつかんで商品開発を

しなくてはならない、などということが

新しい知見として得られる。

●最終章の、著者が関わった

日産キューブ、スズキラパン、トヨタウィッシュ、bBなど

ヒットした車種の開発裏側を

解説した箇所は非常に参考になります

(特に、生活水準意識が低くて、生活満足度が高い人が

キューブを買い(自分で使えるお金が比較的に多い

パラサイトシングル男性)、

前者が高くて、後者が低い人がウィッシュを買う

(早めに結婚して一戸建てを購入したばかりなど、

収入は多いが、生活にあまりゆとりがない既婚男性)という

話は非常に面白かった)。

車好きならば一読に値するし、

これから、若者相手のヒット商品を目論んでいる

異業種の方が読んでも、ヒントになるでしょう。

 

【マストポイント】

@「中流」を狙って、「上流」も「下流」も取り込む時代は終焉した

(総中流社会の時代に、上流にも下流にも人気があった

コロナ、ブルーバードは既に役目を終わり、名前が消えたものもある)。

「上」を狙ってものを作ると、「中」がついてくる

(ロレックス、オメガなどの高級腕時計は、

中流も下流も普通に購入するようになった)。

「下」向けの商品を作っても、「中」、「上」がついてくる

(100円ショップ、ユニクロなどは万人に受け入れられている)。

つまり、現代は、「上」と「下」を狙って、「中」も取る時代である。

A「デザインが良ければ、多少性能が悪くても仕方ない」とか、

「性能がいいんだから、デザインは犠牲になっても仕方ない」という

トレードオフ的考えでは、これからの時代はやっていけない。

ソニーは、デザインは良かったが、故障が多かったことが原因で

低迷していったことを考えればわかるように、

これからはデザインも性能も両立して高いレベルの商品を

開発していかなくてはならない(代表的な成功例・i-Pod)。

デザインがよければ、多少高くても買うという

階層は必ず存在する。

B団塊の世代(1948年)、

その子供であるニセ団塊ジュニア世代(73年)、

真性団塊ジュニア世代(78年)、

団塊の世代の後に続く、新人類世代(63年)、

その子供である新人類ジュニア世代(93年)と、

ほぼ15年周期で世代はガラリと入れ替わる。

近接した、ニセ団塊ジュニア(慎重、堅実、ベーシック、いやし、シンプル、

目立ちたくない、上品、上質、飽きがこない)と

真性団塊ジュニア(現状肯定、自己最適化、自己関与性、

リラックス、デザイン、レトロ、ミックス、レア、空間居心地重視、)

でも、全く特徴は違う。

その世代の特徴にピンポイントでマッチした

商品開発を行わないと、ヒット商品は生まれない。

 

【著者略歴】

三浦 展(あつし)
株式会社カルチャースタディ―ズ研究所代表。マーケティング・アナリスト。消費社会研究家。1958年生まれ。一橋大学社会学部卒業。(株)パルコ入社。マーケティング情報誌「アクロス」編集長を経て三菱総合研究所入社。99年、消費・都市・文化研究シンクタンク「カルチャースタディ―ズ研究所」設立。団塊ジュニア世代、団塊世代などの世代研究をベースに、自動車、家電、食品、化粧品などの商品企画、デザインに関わる調査を行う。



ラベル:三浦展 下流社会
posted by miura at 18:51| 山形 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | セールス・マーケティング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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