2014年12月07日

必読本 第1028冊目 35歳から「一生、負けない」生き方 ランチェスター秘密の人生法則

必読本 第1028冊目

takeda.png

35歳から「一生、負けない」生き方 ランチェスター秘密の人生法則

竹田 陽一 (著),栢野 克己(著)

経済界

¥1,620

単行本(ソフトカバー):261ページ

2013年10月8日 初版



●なぜ、「弱いダメな人」こそ、イヤでも勝手に「大成功! ! 」してしまうのか?

誰も教えてくれなかった!

35歳から天職が見つかり、44歳で天命を知る方法!

●ここ最近、ブログ更新が全くされてなくて、本当に恥ずかしい限りです。

最近、知り合いのコンサルタントの先生の資料の中に

頻繁にそのお名前が出て来て、

何か心に引っかかるものがあったので、

ランチェスター経営の大家、竹田先陽一生の直近の最新刊を

今回、久しぶりに手にとってみました。

竹田先生のランチェスター本は、数年前に大いにハマり、

音声テープを買うほどまでに信奉していたのですが、

最近は忙しさにかまけて、とんとご無沙汰でした。

本書は、竹田先生と何かとご縁が深い栢野さんとの共著です。

●内容は、一言で言ってしまえば、

30代半ばを過ぎて、転職、起業、独立などを目指す人々が、

ランチェスター法則を活用して、

いかにして成功することができるかを解説してくれた本です。

こんなブログを偉そうに書いている私ですが、

最近は、自己啓発系の本を買ったり、読んだりすることは

ほとんどなくなってしまい、

逆にそれらの本がズラーっと本屋に平積みで並んでいたりすると、

シラけた気持ちになることがあります。

まあ、際物というか、タイトルだけはキャッチ―ですが、

一読しても大して使えないだろうなと

直感で思ってしまうものが少なくないということです。

結局、ナポ・ヒル、ドラッカー、デール・カーネギーなどの

古典的名著の焼き直し、引用でしょうが…と考えてしまうのですね。

●本書は、それらの本、中でも、特に、

「誰でも楽して短時間で成功できます」的な路線の“甘い”本とは

対極にあるような本です。

長時間労働、早起き、一点集中主義、量稽古などの重要性を、

ランチェスター法則を根拠に、

丁寧かつ熱いテンションで語ってくれます。

基本的には竹田さんが本編の理論を述べ、

その合間の箸休め的に、栢野さんが補足コラムを述べるという

構成になっております。

栢野さんのコラムは、御自身のブログやFBなどの例のくだけた文体そのままで、

校正もへったくれもないのですが、まあそれはそれで、

イイ味となっています。

●両氏が、多くの読者を獲得しているのは、

いわゆる一流校、一流企業出身で、

失敗知らずのコテコテのエリートではなく、

若い時分は挫折続きの「負け組」であり、

そこから不屈の努力と熱意で、

今の地位を築き上げたところにあるでしょう。

本文には、両氏の自伝、エピソードが数多く紹介されておりますが、

考え方と努力次第で、人間はいくらでも自分を変えることができるのだと

誰もが痛感させられます。

感心したエピソードは多数ありますが、

特に、今ほどテープ学習が一般的ではない時代に、

竹田先生は、相当の金額を払って、

古典的名著の数々をプロの読み手にテープに吹き込んでもらい、

それを繰り返し聞いたというのは、さすがだと思いました。

●独立、起業を考えていて、

ある程度の覚悟やプランはあるのだが、

具体的に時間戦略や商品戦略をどのようにしたらいいのか、

日々の生活をいかにして過ごせばいいのかわからないという方には

最適な本です。

一読すれば、独立して成功することがどれぐらい難しいことなのかを

身にしみて感じることができるとともに、

今までの甘い考えを一掃することができるはずです。

転ばぬ先の杖として、必読の一冊と言えます。


【マストポイント】

巻末 (成功するビジネスマンの時間心得)

@成功の7割は投入時間量で決まることを重視し、

必勝の12時間、圧勝の14時間を連続して守る。

A朝7時30分から仕事にかかり、先手先手と仕事を進め、

朝型人間を続ける。

B朝の15分を使って、一日の行動計画をメモにし、

忘れ物や連絡ミスを防ぐ。

Cあれこれと手を広げず、一つの仕事に目標を絞って、

集中効果を出す。

D技術の向上と潜在能力の開発は、量稽古のあとで

起きると認識し、何事も量稽古から始める。

E時間の7割は重要な仕事、主たる目的に投入し、

3割は計画と反省に回す。

F趣味時間を一時停止し、学習や研究のため、

休日の7割を投入し、仕事のナンバーワンづくりを目指す。

G一時的な人間関係の悪化を恐れず、目標達成と関係ないものは

断る勇気を出し、時間のムダを防ぐ。

H残業代がつかなくとも、目先の小さな利益にとらわれず、

目標達成のためには骨惜しみをしない。

I成果が出るまでの苦痛に負けないため、

熱意のある友人を作り、熱意を保ち続けるよう、

仕掛け作りに工夫をする。

(以上本文より。一部改変)



【著者略歴】

竹田/陽一
ランチェスター経営(株)代表。中小企業経営コンサルタント。経営戦略の教材DVD・CDを約200巻制作。教材を使った「戦略社長塾」や代理店は全国約25ヶ所。福岡県久留米市出身。明善高校・福岡大学卒後、建材会社を経て東京商工リサーチで約2600社の企業調査や倒産取材に従事。44歳で独立。

栢野/克己
(株)インタークロス代表。零細企業コンサルタント・講演家・天職コーチ。福岡市出身。小倉西高校・立命館大学卒。ヤマハ発動機・リクルートやIBMの子会社・アド通信社を経て独立。




2014年05月16日

必読本 第1027冊目 目に見えないけれど、人生でいちばん大切なこと

必読本 第1027冊目

41bMuR-N-rL__BO2,204,203,200_PIsitb-sticker-arrow-click,TopRight,35,-76_AA300_SH20_OU09_.jpg

目に見えないけれど、人生でいちばん大切なこと

鍵山秀三郎(著) 木村秋則(著)

PHP研究所

¥1,404

単行本:187ページ

2014年2月19日 初版



●リンゴの心が私に自然の叡智を教えてくれた、掃除が人の心を変えた。

人生の達人が語り合うほんとうの幸せとは。

●私が私淑してやまない「掃除の神様」鍵山先生と、

今や映画化までされた「奇跡のリンゴ」を生み出した木村秋則さんの対談集です。

今年初めに出版されました。

鍵山さんは、桜井章一さんや木村一力さんなど、

似たような思想や価値観を持たれている著名人との共著、対談集も

多いのですが、最近は、木村さんと、特に講演会やセミナーなどで

交流を持たれることが度々ということで、

待望の出版ということになりました。

●「掃除」や「リンゴ栽培」などの、

一見、低く見られがちなことを日常の習慣、生業にされてきた

両者ですが、それを倦まず弛まず何十年も継続してきたことから

到達した気づきや信念などには、

我々凡人がハッとさせられるものが少なくありません。

下に、特に心に残った言葉を記しましたが、

大根はドリルのように回転しながら地中で成長する、

小松菜やホウレン草などの葉物野菜は、

一般的には緑色が濃いものが良いものだと思われているが、

それは間違いで、本当に良いものは黄緑がかっているものだなどという

木村さんの農業関係のウンチク話には、

目から鱗が落ちるようなものが多数ありました。

●この本を読破しますと、

本当に自分が信じたことや達成したい夢や目標があれば、

どんなことにも屈せずに継続することが大切で、

そのような「狭き門」をくぐって来た者だけに

最後は神が微笑むというか、

大願成就する、願望実現するということを痛感させられます。

誰もチャレンジしようと思わなかった、

困難な道を極めた達人2人の生き様からは、

多くの勇気とヒントを確実に得られるはずです。

対談集なので、肩肘張らずにサラッと読破できるのも

おススメな点です。




【マストポイント】

@「鍵山:私が尊敬する森信三先生は、『痛苦骨を噛む』という言葉を

残しておられます。

失敗や過ちこそが、自己教育の中核だと。

失敗こそが、自分を成長させてくれるんですね。

多くの方は、失敗は成功の反対だと思っていらっしゃるかもしれません。

しかし、成功の反対は失敗ではなく、目標を持たないことなんです。

ですから、結果はどうであれ、目標を持ったということ、

それ自体が非常に尊いことだと思っております」

A「木村:私がリンゴの木のお世話をする時には、

『もし自分がリンゴの木だったら』と考えます。

『自分だったら寒いだろう』『自分だったら重いだろう』

そう考えることで、今、何をすべきかわかるのです。

リンゴの木の身になってみるということですね。

人間も、『相手の身になってみる』といいですね。

そうすれば、人の痛みや苦しみも見えてくるんじゃないでしょうか」

B「鍵山:掃除をしますと生き方が変わるんですね。

私も最初は、ただきれいにすればいいと思っていたんです。

どうやったら手早くきれいになるか、楽にきれいになるかと。

ところが、今は違うんです。

もう手をかけて、手をかけてですね。

できるだけじっくりやるというふうに変わりました。

そこに喜びを見いだしているのですね。

ですから、私、草刈りなんかをしましても、

刈った草は全部根元をそろえてきちんと置きますね」

(以上本文より。一部改変)





【著者略歴】

木村秋則
株式会社木村興農社代表取締役。1949年、青森県弘前市生まれ。68年、青森県立弘前実業高校商業科卒業後、上京し、トキヨ(株)に入社。実家の都合により退社、帰郷する。農作業に従事、岩木町(現・弘前市)農業協同組合の金融業務に携わる。72年、木村美千子と結婚。木村家に養子入りし、家業のリンゴ栽培を始める。78年、妻が農薬に弱かったことがきっかけで無農薬のリンゴ栽培を始める。10年近くにわたる無収穫、無収入の日々を経て、絶対不可能といわれていた農薬も肥料も使わないリンゴ栽培に成功。

鍵山秀三郎
株式会社イエローハット創業者、NPO法人「日本を美しくする会」相談役。1933年、東京都千代田区生まれ。52年、疎開先の岐阜県立東濃高校卒業。53年、上京し、「デトロイト商会」入社。61年、「ローヤル」を創業し社長に就任。97年、東京証券取引所第一部上場、社名を「株式会社イエローハット」に変更。98年、同社取締役相談役となる。2008年、取締役を退任し相談役に就任。10年、相談役を退任、退社。創業以来続けている掃除に多くの人が共鳴し、有志により「日本を美しくする会」が発足。





2014年05月06日

必読本 第1026冊目 森信三訓言集

必読本 第1026冊目

51MHwX0CyqL__BO2,204,203,200_PIsitb-sticker-arrow-click,TopRight,35,-76_AA300_SH20_OU09_.jpg

森信三訓言集

森 信三(著)

致知出版社

¥1,404

単行本:172ページ

2013年12月19日 初版



●ベストセラー『修身教授録』で知られる著者だが、

それと同時期に生まれた幻の語録が、この『訓言集』である。

約八十年の時を経て甦る、森信三師の真骨頂。

師の肉声が耳の奥でこだまする思いがする。

●本書は、『修身教授録』(必読本第49冊目参照)の著者として名高い、

森信三氏の幻の講義録です。

昨年末に発売されました。

『修身教授録』は、かなり古い本であるにもかかわらず、

人間形成、自己啓発のテキストとして、

名だたる大企業が数多く採用していることでも有名です。

心ある方ならば、既に購入し愛読されていることでしょう。

●本書は、その『修身教授録』の言い足りなかった部分を

補足するかのような、いわばサブ教本とでもいうべき本です。

基本の構成は、上・中・下と分かれ、

教師たるものはいかにあるべきか、人間としていかに生きるべきかなど、

非常に感動的かつテンションが上がるような

人生論、リーダー論を語ってくれる一方、

読書の仕方、時計や万年筆はどんなものを選ぶべきか、

目下の者を呼び捨てで呼ばない、食事の作法など、

非常に細かい、生活の知恵や生きるためのヒントなども丁寧に解説してくれます。

平易な言葉がらも厳しくかつ愛情を持って、

若き人々に生きる指針を講義してくれる内容で、

一読すれば、誰もがこんな先生が自分の恩師だったらなあと痛感するはずです。

●この本が、比較的廉価にもかかわらず、

私がおススメするのは、巻末に、森氏の名言が付録的に

ズラッと列記されていることにあります。

森さんの名言集は既に発売されております(必読本第440冊目参照)が、

それらと併読すれば、氏の教えをより深く

血肉化することができるでしょう。

『修身教授録』を愛読されている方ならば、

文句なく必読です。

森氏の書籍は、本ブログにて数多く書評しておりますので、

是非ご参照くださいませ。



【マストポイント】

@「真に立派な本とは、一字一句が動かせないという書物である。

それゆえ、そういう書物に永い間取り組んでいると、

その一字一句の動かし得ないゆえんが分かってくる。

しかし、これはまだ準備段階で、さらに進めば、その書物の字句内容を、

如何様にでも、自分の言葉で説明できるようになるが、

その境地にまで到らねばならぬ。

かくして初めて、学問の大道が開かれたと言える」

A「天地は最上の書籍である。

それは人間の書いた如何なる書物よりも勝れている。

学者の中にも、天地を読もうとする学者と、書物を読もうとする学者とがある。

そして、天地を読む学者のみが真の学者であり、かかる学者にして、

初めて書物を書く資格がある。

書物だけを読む学者の書いた本は、読めたものではない。

諸君等の勉強も、ここに心せねばならぬ。

常に天地を読む人の書物を読むのでなければ、

本を読んでも大した効はない」

B「貧乏の悲しさは、容易に本を求め得ないことも、

先生はよくご存じであったに違いないが、

先生のお気持ちとしては、たまらないものがおありだったろう。

ある時、こんなことをおっしゃった。

『歩きなさい。電車に乗るのを3度節約したら、

本一つ買えるではないですか。

それで人間の一生が変わって来るんですからネ』と。

それはまことにきびしいお教えであった」

(以上本文より。一部改変)



【著者略歴】

森/信三
明治29年9月23日、愛知県知多郡武豊町に端山家の三男として生誕。両親不縁にして、3歳の時、半田市岩滑町の森家に養子として入籍。半田小学校高等科を経て名古屋第一師範に入学。その後、小学校教師を経て、広島高等師範に入学。在学中、生涯の師・西晋一郎氏に出会う。後に京都大学哲学科に進学し、西田幾多郎先生の教えに学ぶ。大学院を経て、天王寺師範の専任教諭になり、師範本科生の修身科を担当。後に旧満洲の建国大学教授に赴任。50歳で敗戦。九死に一生を得て翌年帰国。幾多の辛酸を経て、58歳で神戸大学教育学部教授に就任し、65歳まで務めた。平成4年11月21日、97歳で逝去。





ラベル:森信三

2014年04月03日

必読本 第1025冊目 やっておいてよかった 「凡事徹底」の80年

必読本 第1025冊目

41ETwPiOkOL__BO2,204,203,200_PIsitb-sticker-arrow-click,TopRight,35,-76_AA300_SH20_OU09_.jpg

やっておいてよかった 「凡事徹底」の80年

鍵山秀三郎(著) 亀井民治(編)

PHP研究所

1,620円(税込)

単行本(ソフトカバー): 238ページ

2013年11月7日 初版




●「やっておけばよかった」と後悔しない生き方を貫いて80年。

裕福な家庭で育った甘えん坊の幼少時代から一転、

疎開先での苦労ばかりの農作業で目覚めた克己心。

裸一貫で一部上場企業をつくった卓越した経営力。

掃除で社会を美しくしてきた愚直なまでの実行力。

そのすべてが両親の生き様から学んだものだった!

●大変ご無沙汰しております。

久しぶりの更新で、恐縮している次第です。

今回ご紹介する本は、

個人的にも大変多くのご指導とご助言をいただき、

敬愛している、鍵山秀三郎さんの昨年末に出版された初の自伝です。

今までの数多くの著書とは趣が違う一冊だけに、

早く読まなければと、ずっと頭の隅にあったのですが、

年度末の忙しさにかまけて、ずっと未読状態でした。

本日、終日雨で外出をしなかったこともあり、

一気に読みました。

●目次を見ていただくと新奇に感じるはずだが、

生誕時から1年ずつ、現在80歳までが、

年表のごとくただ無味乾燥に並んでいる。

内容的には、その1年ごとに、公私に渡って起こった重要な出来事を冒頭に

箇条書きで記し、それに関して、

著者が感じたことを簡潔に述べるというものになっている。

大変な読書家で、なおかつ筆まめでも知られる著者ゆえ、

文章はいつものことながら軽妙洒脱で非常に読みやすい。

移動時間や休日に、プレッシャーを感じずに、

サクッと読めるという意味では最適な本です。

これぐらいに高名な著者でありますと、

変に回りくどい表現を使ったり、めったに見かけない死語のような難解語を

使って、己の格式を高めようとするかのような方をまま見かけるが、

鍵山さんは、そのような見栄っ張りな部分が微塵も見られない。

若者から年輩まで、幅広い読者を獲得している所以である。

●「情けは人のためならず」とよく言うが、

本書を読破すると、改めて、利他的行動、思いやり、優しさ、愛情が

結局は巡り巡って自分を救うことになるということを痛感させられると共に、

ここまで我欲を捨てて、奉仕の心で人生を生きることが出来るのかということ

に驚愕させられる(「筋」を通すというか、己の信念を貫くために、

自分保有の株約70億円もの創業者利益を放棄しても、自社の上場を遅らせたという!)。

また、ヤクザ、借金、ガンなど、どんな艱難辛苦に遭っても、弱音を吐かず、現状から逃げず、

たった一人で立ち向かった不屈の精神力、逆境力にも大いに鼓舞させられます。

●あくまで謙虚で、人の見てない陰の部分で、

タンポポのようにコツコツと生きることを旨とする鍵山さんは、

本来、人前で聞えよがしに苦労話を披露したり、自分の手柄を大々的に

喧伝するようなことは、最も嫌う方なのであり、

ずっと自伝めいた本の出版を拒んできたと本書にある。

初出のエピソード多数という意味で、やはり鍵山ファン必読であることは

言うまでもなく、日々の生活に忙殺され、人生で大切なことを見失いがちな

経営者、教師の方などにもおススメの書です。

文句なく心が洗われ、様々な気付きを与えてくれます。  



【マストポイント】

@「きれいなところをきれいにするのが掃除」

A「世の中にほんとうの鬼はいなくても、鬼のような人はいます。

私はそのとき、仏様のような人に会った気がしたのです。

そこで私が心に決めたことは、「自分も一生を通じて、

こういう人間を目指そう」ということでした。

たとえ自分がどんなに辛く苦しくても、どんなに厳しい環境にあっても、

間違っても冷たい仕打ちをする鬼のような人間だけにはなるまい。

固くそう誓ったのでした

(雨の中、ガソリンスタンドにずぶ濡れになって入ると、

国民的歌手の藤山一郎と偶然遭遇し、

非常に温かいおもてなしを受けた時のエピソード)」

B「それにしても、この東日本大震災ほど人間の無力さを

思い知らされたことはありませんでした。

そのとき、強く再認識させられたことが、

「人は助け合わなければ生きていけない」という現実でした。

自分一人では生きていけないこと。

人と助け合って生きていく大切さ。

いずれも、自分の権利だけを主張していてはできないことばかりです。

そんな私たちが今回の大震災から学ぶべきは、

自分の権利を控え目にする生き方ではないかと思います」

(以上本文より。一部改変)



【著者略歴】


鍵山/秀三郎
昭和8年、東京生まれ。昭和27年、岐阜県立東濃高校卒業。昭和28年、デトロイト商会入社。昭和36年、ローヤルを創業し、社長に就任。平成9年、社名をイエローハットに変更。平成10年、同社取締役相談役。平成20年、取締役辞任。

亀井/民治
昭和21年、鹿児島県生まれ。(株)システムジャパン代表取締役社長。経営コンサルティング、講演活動に従事。アイウィル「経営者能力養成コース」総合指導顧問、「統率力養成コース」専任講師。薩摩大使。






ラベル:鍵山秀三郎

2013年02月11日

必読本 第1022冊目 二宮翁夜話(中公クラシックス)

必読本 第1022冊目

31gP2Y7y68L__SS500_.jpg

二宮翁夜話 (中公クラシックス)

二宮 尊徳 (著), 小林 惟史 (その他), 児玉 幸多 (翻訳)

中央公論新社

¥1,733

単行本:266ページ

2012年3月9日 初版



●実践的篤農家であり、国学・儒学・仏教に通じ農政哲学を追究する求道者でもある。

そして財政再建のプロ。尊徳翁、かく語りき。

●愛読者様にとっては、大変長らくのご無沙汰です。

更新を長きに渡って怠っておりまして、本当に申し訳ない次第です。

今回は、真に紹介する意味がある本に久方ぶりに出合えたましたので、

名著紹介ブログを再開したいと思っております。

その本といいますのは、二宮尊徳の歴史的名著である、

『二宮翁夜話』でございます。

●過去、私のブログにおきましては、

2度ほど、この本の紹介はしております(こちらを参照)。

自己啓発本を熱心に読んでおられる方ならば、

知らない人がいないというほどの名著中の名著である本書ですが、

日本経営合理化協会の本は福沢諭吉1枚という高額本、

そして廉価版の本は軒並み絶版でプレミアがついているという、

入手へのハードルが非常に高い本でありました。

●本文は、細かい文字がビッシリと詰め込まれ、

老眼の人にはやや厳しいところだが、

訳文は現代的で非常に読みやすい。

『論語』のように、有用なメッセージが満載の小話が

ズラーっと並べられていて、

読むごとに引き込まれる。

私自身、尊徳の全集まで調べるほどの専門家ではないので

断定めいた事は言えないが、

氏を代表するような名言箴言の類

(例・積小為大)は、ほぼ本書に網羅されていると思われる。

ということは、本書を買えば、百科事典のような高額本も、

目ん玉が飛び出るような絶版本も買う必要がないということだ

(ただ、過去に紹介した2冊は、それはそれで利点も少なくなく、

懐に余裕のある人は是非ゲットしておきたい)。

●価格は1,733円(税込)とやや高額です。

アマゾンで調べると、「中公クラシックス」シリーズは、

新書本にもかかわらず、結構な高値を付けている。

つまり、それぐらいの価値はあるシリーズだぞ、ということか。

愛読者としては、

長きの使用に耐えるハードカバーではダメだったのかという

失望感がややありますが、まあ出版してもらっただけでも御の字、

外観部分には目をつぶるべきでしょう。

二宮さんの本は上述したように、なぜか入手困難で、

本書も、いつ何時絶版になるかわかったものではない。

多読は時間的に無理、

少量の大名著をトコトン読み倒したいという方には格好の一冊です!

今のうちに是非どうぞ♪


【マストポイント】

@「翁は言われた。

大事をなそうと欲すれば、小さな事を怠らず勤めよ。

小が積もって大となるものだからだ。

およそ小人の常で、大きな事を欲して、小さな事を怠り、

できがたい事を心配して、できやすい事を勤めない。

それで、結局は大きな事ができないのだ。

大は小を積んで大になることを知らないからだ。

よく励んで小事を勤めたならば、大事も必ずなるだろう。

小さい事をゆるがせにする者には、大きな事は決してできないものである」

A「翁はこう言われた。

方角で事の禍・福を論じ、日取りで吉・凶だということが昔からある。

世間の人はそれを信じているが、そんな道理があるはずがない。

禍福や吉凶は、方角や日月などの関係するどころではない。

それを信じるのは迷いだ。

禍福や吉凶というものは、自分の心と行いとが招くから来るものであり、

また過去の因縁によって来るものでもある。

古語に、

「積善の家に余慶あり。積不善の家に余殃(よおう。不幸の意)あり」と

いっている。

これは古今を通じて動かない真理だ。

決して疑ってはいけない」

B「人は、生まれれば必ず死ぬものだ。

死ぬべきものだということを前に決定(けつじょう)すれば、

生きているだけ日々が利益だ。

これが私の道の悟りだ。

生まれ出たうえは、死のあることを忘れてはいけない。

夜が明ければ暮れるということを忘れてはならない」

(以上本文より。一部改変)


【著者略歴】

二宮尊徳
1787~1856。江戸後期の農政家。名は金次郎。相模国栢山村(現、小田原市)の農家に生まれた。家の没落に遭うが、20歳で一家を再興する。小田原藩家老・服部家の家政再建を任され、それを契機に藩主大久保忠真に見出され、分家宇津家の下野国桜町領の再建を成功させた。小田原藩領の農村救済に「報徳仕法」を実施し、実践的合理主義と精神主義を折衷する篤農哲学を披露し、老中水野忠邦に幕府役人に取り立てられると「日光領仕法雛形」を作成した。

児玉幸多
1909年生まれ。東京帝国大学国史学科卒。学習院大学教授、学長を経て同大名誉教授。日本近世史、農村史、近世交通史専攻。2007年逝去。




ラベル:二宮尊徳

2012年04月22日

必読本 第1021冊目 強運

必読本 第1021冊目
ISBN978-4-569-79797-7.gif

強運

斎藤一人 (著)

PHP研究所

¥1,575

単行本:156 ページ

2011年6月17日 初版



●強運には法則がある。誰でも強運になれる。

一人さんからの応援メッセージ「安心と勇気」CDつき。

●久しぶりのブログ更新です。

大変、間隔が空いてしまいまして、愛読者の方には申し訳ございません。

今回は、長年のファンである、斎藤一人さんの昨年発売された近刊を

書評させていただきます。

運が強い人間になるためにはどうしたらいいのかをメインテーマに述べた本です。

●強運になるための思考法、実践術が全編にわたって語られているが、

やはり、日本一のお金持ちになる方だけのことはあり、

その考え方は唯一無二、非常に斬新な観点から語られており、

膝を打ちたくなること多数。

普通だったら、とても成功者の仲間入りなど出来なかった、

ハンディキャップだらけの松下幸之助氏が、

なぜ大成功することができたのかを特に多く引用し(PHPからの本だということもあるが)、

我々凡人も、日々運勢を強くするにはどうしたらいいかを

やさしく、かつユーモラスに指南してくれます。

●また、この本の特色の一つが、

デール・カーネギーの大名著『人を動かす』(創元社)を、いかにして読みこなして、

人生を豊かにすることができるかをアドバイスしている後半部分である。

なぜ、その本が人生を成功する上で最も大事なのか、

一人さんの読書歴や成功読書術の要諦などと共に詳しく述べられているので、

ビジネス書を愛読している方は特に精読してほしい。

本をいかにして活用していけばよいのか、

読書とはどのようにして行っていけばよいのか、

多くの示唆を与えてくれるはずです。

●おまけのCDは、昨年の東北の大震災後、

我々意気消沈している日本人に向けた、一人さんなりの熱いメッセージです。

6分少々と、あっという間に終了してしまいますが、

原発に関して、一人さんなりの独自の見方が述べられており、

地震関連でテンションが下がった時に是非愛聴したい内容です。



【マストポイント】

@「神様が、「これだけのものを引きうけなさい」って機会をくれたってことは、

その人にできることなんです。

松下幸之助さんみたいに、「うちは貧乏だった」「私は体が弱かった」「小学校しか行かなかった」

っていうのは、「ハンデ」っていうんです。

ハンデを神様がくれるっていうのは、その人に、相当実力があるからなんです。

そういうふうに思える人が強運なんです」

A「あなたのまわりを見渡してみて、気に入らない人がいたら、

その人を思い浮かべながら、デール・カーネギーの『人を動かす』を読む。

そうすると、本の内容がどんどん自分の中に入ってくるんです。

気に入らないことが起きたら、「気に入らない!」って思うだけで終わりじゃないんです。

神様は、気に入らない人間を、あなたに(わざと)出してくれているんです。

だから、「ここぞ!」と思って、その人を抜くために勉強するんです。

真剣に本を読むんです」

B「気に入らない人がいたら、

「あの人は、観音さまの化身だ」、そう思うんです。

「我以外皆師匠」っていう言葉があります。

この言葉の中には、「気に入らない人が、あなたを一番成長させてくれる」

ってことも入っているんです。

それなのに、一生、恨みごとを言っていたのでは、一生抜けないんです。

猛然と勉強してくださいね」

(以上本文より。一部改変)



【著者略歴】

斎藤 一人
「銀座まるかん」創設者で納税額日本一の実業家として知られる。また、著作家としても、心の楽しさと経済的な豊かさを両立させるための著書を何冊も出版。






ラベル:斎藤一人

2012年01月27日

必読本 第1017冊目 微差力

必読本 第1017冊目

76319986.jpg

微差力

斎藤一人(著)

サンマーク出版

¥1,575

単行本: 158ページ

2009年11月30日 初版



●こんな少しの努力で幸せも富も手に入る!

この世は、すべて「微差」が大差を生むのです。

当代きっての実業家、渾身の書き下ろし決定版。

●斎藤一人さんの、数年前に出された本。

一昨年あたりに図書館リクエストに申し込みを入れたところ、

最近になってやっと私の貸し出し順に巡ってきた(笑)。

既に文庫化もされているやや古い本なので、

あえて今書評するのもどうかなと思いましたが、

やはり、ファンである一人さんの本なので、きちんと書いておきたいと思います。

●本書のテーマは、タイトルにズバリと表されている通り、

誰もが重視しないようなほんのちょっとの「微差」が、

後々、とてつもない「大差」となって返ってきますよ、

ということを教えてくれる内容です。

二宮尊徳の「積小為大」や、鍵山秀三郎さんの「凡事徹底」などの

理論に通じるようなお話が終始展開されており、

世の中で成功したり、幸せになるためには、

誰もがビックリするような大事業を起こさなくてもよいのだ、

ほんのちょっとの工夫や発想の転換で、

その他大勢から抜きん出た結果を最終的には示すことができるのだ、と

極めて平易な言葉で解説してくれております。

●極めて文章量が少なく、なおかつ恒例のおまけCDもついていないので、

1,575円(税込)はどうなの〜?って思いがちですが、

やはり、なかなか含蓄がある本です。

最終ページに一人さんが記しているように、7回は読み返したいものですね。

ブックオフでもよく目にする本なので、あえて新刊で買うこともないでしょう。

ここ最近の本の中では珍しく、

一人さんのお弟子さん以外の推薦書の紹介も巻末にありましたので、

近日中にご紹介したいと思います。



【マストポイント】

@「自分のことだけ考えてるのはダメなんです。

自分のためになって、人のためになって、はじめてしあわせなんです。

だから、何か商売するときに、これは人のためにもなる、

自分のためにもなる、そして、社会のためにもなるというものは、絶対成功します。

仕事のコツって、たった、それだけです。

なぜかと言うと、人のためにしかならないと、

自分が細ってきてお手上げ、長続きしないのです」

A「私が『笑顔でいるといいよ』とか、

『天国言葉を口にするといいことが起きるよ』とか、

いろんなことを言っても、一部の人しかその微差をやらなかった。

この程度のことをやっても、紙っぺら程度の薄いものだ、

みたいに思われていたんだと思います。

だけど、そうではないのです。

1センチの努力が、1メートルぐらいになって返ってくるのです。

だから、微差は楽しいのです」

B「この地球という星は、

行動しないと、何も起きない星なんです。

私が「天国言葉ですよ」というのは、

話す言葉によって考え方が熟してくる、そうすると、

行動が変わってくるんだ、という。

ただ思うことではない、言うことではないのです。

天国言葉を口にし、天国思いをすることによって、

行動が自然とそうなってくる。

いつも口にしている言葉を思うようになる。

そして、いつも思っていることが、行動に現れるようになってくる。

だから、最後には行動です。

何も行動しないで、世の中は変わりません。

安定は動くこと、です。

自転車と同じです。止まっていると、倒れちゃう。

何もやらないで「なんとかなる」って、なんともならない。

考えているだけでは、なんにも起きない。

安定は動くこと。

このことを頭に入れておいてください」

(以上本文より。一部改変)


【著者略歴】


斎藤 一人
「銀座まるかん」(日本漢方研究所)の創設者。1993年以来、毎年、全国高額納税者番付(総合)10位以内にただひとり連続ランクインし、2003年には累計納税額で日本一になる。




ラベル:斎藤一人

2011年12月21日

必読本 第1012冊目 他人と比べない生き方

必読本 第1012冊目

41DrGSbqaSL__SS500_.jpg 

他人と比べない生き方

志賀内 泰弘

日本実業出版社

¥1,365

単行本: 190ページ

2011年9月11日 初版

 

●自分を誰かと比べたり、人並みを願うことは、もうやめませんか?

英語や資格の勉強をしなくてもツイッターをやらなくても大丈夫。

「アナタらしさ」を基準にブレない行動をとれば、道は開けます。

●以前ご紹介した「掃除」小説(必読本第997冊目参照)の著者の最新刊。

今年秋に発売された。

自己啓発的な内容を絡めたその小説の出来が相当良かったので、

今回もかなりの期待を込めて読んでみました。

いわゆる、他人と比較せず、マイペースで生きていくことを

勧める人生論めいた内容の本です。

●著者は、作家として一本立ちする前には、

大手金融機関のサラリーマンだったのだが、

いわゆるモーレツ社員とは真逆の、

出世街道に乗ることもなく、女にもモテず、

あまり目立たないタイプの凡庸な人間であった。 

生死にかかわるような大病をしたこともあり、

自分にできることは何か?自分の特性とは何か?を

熟考した結果、独特な方法で自分の立ち位置を発見し、

徐々に世の中で認められる存在になる。

本書は、そのあたりの著者の歩みと絡めながら、

世で盛んに推奨されている流行、トレンドと反対のやり方を行うと、

ストレスもたまらず、自分らしい生き方ができますよ、ということを

教示してくれる内容となっております。

●具体的な施策として全10項目が挙げられているのだが、

特に際立つのが、「ツイッター、フェイスブック、ブログをやめましょう」、

という項目だろう。

詳しくは本文を参照されたいが、簡単に著者の主張をまとめると、

ネットの人間関係は、「イージーカム、イージーゴー」である。

「簡単に得た人間関係、人脈は、

同様に、簡単に切れてしまうほど脆いものである」と指摘されている。

ツイッターのフォロワーが何千人いるだの、

フェイスブックの友達が5,000人近くいるだの、

得意げに自慢している方がよくおられますが、耳に痛い言葉ですよね。

では、強固な人脈を築く上で、どのようなことを

著者は実践されているのか?

是非本文を読んでみてください。

●他にも英語を勉強しない、

「お金、お金」と拝金主義者にならない、

結婚に高望みしない、など、興味深いネタが満載です。

後半、盛んに、ないものねだりせず、今自分が所有しているものに

感謝する、ありがとうと言えるものを100個数えてみるなどという

内容が頻出してきますが、先月逝去された小林正観さんに通じるような

「感謝論」を展開されております。

物資主義的な人、不平不満ばかりがつい口から出てきてしまう人には、

大いに参考にしてほしいものです。

●随所に、絶妙なアドバイスを授けたり、

献身的なサポートで内助の功を発揮する奥様のエピソードが

出てくるという意味では、

倦怠期の夫婦関係に悩まれている方にもおススメの本です。

著者が日々活動できるのは、内助の功を発揮される奥様抜きには

考えられなかった。

著者同様、地味で、世間の大勢から外れるようなことでも、

マイペース主義を貫いておられる奥様の言動には、

既婚、独身にかかわらず、女性読者は、大いにヒントになる点が多いかと思います。

年末年始のこの時期、

忘年会、クリスマス、お正月と、何かと物入りな時期ですが、

いつもフラフラ、世の中の動きに振り回され、

無駄なお金を散財してしまったり、リラックスした気分になれない方に

おススメしたい本です。

 

 【マストポイント】

@「私は大病をし、生死をさまよいながらも無事、

回復して退院できました。

しかし、治療の後遺症に苦しみ、

『もう俺の人生は終わりだ』と落ち込んでいました。

そんな時、あるお医者さんに言われました。

『病気は気付きです。なぜ、そうなったのか、気付いて学ぶことが大切です。

何かを気付かせるために、神様があなたを病気にしてくださったのです』

その言葉のおかげで、自分の考え方や心の持ち方を変える努力をするようになりました。

そうして初めて感謝の心がわかったのです。

すると、病気にすら感謝できます」

A「よく、人から相談を受けます。

経営、就職先、相続、家庭不和、子供、病気など、

様々な内容です。

そんな悩みを聞いていると、相談者に一つの共通点があることに

気づきます。

それは、『感謝が足りない』ということです。

どうしたら、幸せになれるか。

それは、『今、目の前にあるものの中から幸せを探す』ことです。

まず、『当たり前』のことに感謝することから始める必要があるのです」

B「自分を誰かと比べてしまうのが人の性です。

『あの人みたいにはなれない』『人から良く見られたい』という意識です。

しかし、『他人はあなたのことなど見ていない』のです。

誰もが自分のことで精一杯です。

あなたのことなど見てはいないのです。」 

(以上本文より。一部改変)

 

【著者略歴】

志賀内 泰弘
某金融機関を平成18年8月に退職。24年間勤めたサラリーマン生活にピリオドを打ち、現在は、普通では得られない強力な異業種ネットワークをベースにして、コラムニスト、俳人、飲食店プロデューサー、経営コンサルタント、ボランティア活動などで活躍。「プチ紳士・プチ淑女を探せ!」運動の代表として、思いやりでいっぱいの世の中をつくろうと東奔西走中。日刊メルマガ&月刊紙「プチ紳士からの手紙」を発行。小・中学校から大学院、企業団体セミナー、企業の社員研修など講演活動で全国津々浦々へ。

ラベル:志賀内泰弘

2011年12月14日

必読本 第1010冊目 ユダヤ人大富豪の教え ―ふたたびアメリカへ篇

必読本 第1010冊目

411Gxod-jIL.jpg 

ユダヤ人大富豪の教え ―ふたたびアメリカへ篇

本田 健

大和書房

¥1,575

単行本(ソフトカバー): 292ページ

2011年7月5日 新版

 

●これからどう生きるのか。劇的な変化は突然やってくる!

日本人青年ケンの「愛と信頼と絆の物語」。

著作シリーズ400万部の著者、本田健がいまこそ伝えたいメッセージ。

●本当に久しぶりの、本田健さん自身執筆の本。

本年夏に発売された。 

「お金持ち」本を代表する著書として、

誰もが手に取った大ベストセラー『ユダヤ人大富豪の教え』

のその後の流れを描いた本。

●あらすじを簡単に書きますと、

順風満帆の仕事に自己満足し、

愛する妻をないがしろにしていた主人公。

ある日、突然、妻から三行半を突き付けられる。

それを解決するためのヒントを探すために、

アメリカに旅立った著者は、不思議な偶然により、

人間関係を解決するための8日間セミナーを受けることになる。

そこで出会ったメンターや受講生の仲間たちとの奇想天外なワークを通して、

人間的脱皮、成長を遂げる・・・。

おおよそ、そのような展開の内容です。

●例によって、中高生ぐらいからでも余裕で読めるような平易な文体です。

硬質なビジネス本を期待した方には、

ちょっと物足らないぐらいの優しい文章です。

登場人物のキャラクターが、手に取るようにわかりやすく描写されておりますので、

読者は、実際に自分がセミナーを受講しているかのような錯覚を覚えるかもしれません。

なかなか、この手の「人間関係改善」セミナーに行く機会がない方には、

非常に重宝する本だと言えます。

●また、本書の特質の一つが、

本年発生した東北大地震に影響を受けて執筆を決断したということもあって、

不可抗力の天変地異で、愛する人や財産を失った時に、

どのような対処法を取ればいいかを詳細に語った下りでしょう。

神戸出身の本田さんは、阪神大震災の被害を目の当たりにしているだけのことはあり、

その時に受けた心理的パニックの状況や、

それに対して、効果的なアドバイスを授けるメンターには、

参考になる部分が少なくないです。

●上記のように、注意しなければならないのは、

「お金持ち」本ではなく、「人間関係」の本であるということです。

奥さん、両親、同僚との付き合い方に悩んでいる方には、

非常に気づきが多い本かと思います。

本田さんとしては例外的な内容の本で、

お金の稼ぎ方に関しては、本当にコメントは少ないです。

誤解されませんように・・・。

 

 【マストポイント】

@「【願望を実現するための5つの条件】

1、自分の夢である。

2、心からワクワクする。

3、自分だけでなく、人のためになる。

4、まわりもワクワクする。

5、将来にわたって人を幸せにする。」

A「人間は難しい生き物でね。

衣食住が足りるだけでは満足できないんだ。

自分らしさを表現できないと、

精神的な満足はできない動物なのだね。

つまりは、自分が楽しいと思えること、心からワクワクすることをやらなければ、

深いところから充足することはできないようになっている

だからこそ、自分らしさの自己表現としてビジネスをやれるかどうかが、

成功の鍵になってくる」

B「家族を失っても、家財を失っても、パワフルな人がいる。

彼らは、喪失を体験しても生きるのをやめない人たちだ。

君は、そういう人たちの前で何と言う?

ネガティブ状態に落ちたときには、

感情的に受けている影響と現実とを区別する必要があるんだよ。

君に素晴らしいマントラ(呪文)あげよう。

『私は何にも傷つけられることのない、強い存在だ』」

(以上本文より。一部改変)

【著者略歴】

本田 健
神戸生まれ。経営コンサルティング会社、ベンチャーキャピタル会社など、複数の会社を経営する「お金の専門家」。独自の経営アドバイスで、いままでに多くのベンチャービジネスの成功者を育ててきた。

ラベル:本田健

2011年12月01日

必読本 第1008冊目 7つの法則 ― ビジネスを成功させる正しいコツ

必読本 第1008冊目

51VYERDnCqL__SS400_.jpg 

7つの法則 ― ビジネスを成功させる正しいコツ

 マーク・トンプソン, ブライアン・トレーシー,

 渡邉 美樹, 満園 真木

辰巳出版

¥1,575

単行本(ソフトカバー): 321ページ

2011年6月1日 新版

 

●混迷の時だからこそ、一歩先へ進もう。

コンサルティングの神様が教える最新経営論。

すべてのビジネス・ピープルに向けた成功へのプログラム。

素晴らしいビジネスをそして素晴らしい人生を築くための7つの法則。

●私が最も敬意を抱いている外国人ビジネス作家の中の一人、

ブライアン・トレーシーさんの今年夏に出された新しい本。

『ビジョナリー・ピープル』(英知出版)の著者としても知られる、

コンサルタントのマーク・トンプソンさんとの共著である。

ビジネス本が売れないこのご時世、トレーシーさんの本だけは、

本当に数多く翻訳出版され続けている。

やはり、出せば、ある一定の売り上げが見込めるからだろう。

「本物」は、多少の不景気ぐらいではビクともしない強固さを持っているということか。

●タイトルは、大ベストセラー『7つの習慣』を思いきり意識してますね。

内容的には、そのタイトル通り、7つの章に大きく分かれ、

「リーダー」、「ビジネスプラン」、「人材獲得」、

「商品開発」、「マーケットプラン」、「セールス法」、「顧客体験」と、 

偉大なるビジネス、企業を築き上げるために欠かせない

項目に関して、詳細な説明とアドバイスが詰め込まれております。

各章末尾には、読みっ放しになることを防止する意味も込めて、

書き込み式の「7つの質問」が用意されている。

是非有効に活用したい

(監訳者の渡邊美樹さんは、本文よりも先にこちらを書き込んだ方が

よいとアドバイスされている)。

●最終章では、付録として、

素晴らしい人生を生きるためのライフプランの立て方が、

収められている。

トレーシーさんの本を読みなれた方には、

お馴染みな自己啓発的なお話が多く、復習的に読みたい。

●320ページの分厚さに、重要ポイントがギッシリと収められた、

相当に読み応えのある一冊。

翻訳が読みやすいのも美点。

奇をてらうことなく、ビジネス成功の王道を

じっくりと説いてくれるトレーシーさんの本は、

改めて、素晴らしいと感嘆の声を上げざるを得なかった。

中小企業経営者、これから起業を目指す方に

特に推奨したい一冊です。

 

 【マストポイント】 

@「誰かが自社の製品やサービスを消費したり利用するたびに、

『なんて素晴らしい製品(サービス)だ』という反応を引き出すことを、

すべての業務や活動の焦点にしなければならない。

この反応を呼び起こすことを、

あらゆる事業活動のビジョン、理念、目的、ゴールにしなければならない。

それこそを自分の会社と自分自身の存在理由にしなければならない」

A「会社が犯しがちな最大の過ちの一つが、

成功している競合先をこきおろしたり、けなしたりすることだ。

これをやってしまえば、競合先から学び、ひいてはその競合先になんらかの形で

勝つ方法を学ぶ機会が永遠に失われてしまう。

成功している競合先を尊敬し、成功をつかむためにしてきたことに

敬意を払う習慣をつけよう。

そうすれば、厳しい市場の中で彼らの優位に立つチャンスもやがて見えてくるだろう」

B「私がこれまでのビジネスライフで何度も学び直してきたことは、

『成功している人がしているのと同じことをすれば、

最終的にその人と同じ結果を得られないはずがない』ということだ。

成功しているセールスパーソンや会社と同じようなやり方でセールスをすれば、

やがて彼らと同じ結果が得られる。

そうしなければ、そのような結果は決して得られない」

(以上本文より。一部改変) 

【著者略歴】

マーク・トンプソン
複数の会社を起業し、最後の会社を1億ドルで売ったのち、現在はエグゼクティブ・コーチとして会社を成長させるコツを企業経営者にアドバイスしている。触れるものすべてを黄金に変える「ミダスの手」の持ち主とフォーブス誌に評される凄腕のベンチャー投資家でもある。シュワブではチャールズ・シュワブ会長直属の顧客体験の最高責任者を務め、さらにベスト・バイやコーンフェリーなど多数の企業の取締役を務めた経歴を持つ。

ブライアン・トレーシー
人材育成・能力開発の分野におけるアメリカの第一人者のひとり。起業家として大きな成功をおさめたことに加え、聞く人をやる気にさせる力強い講演でも知られ、毎年IBM、フォード、フェデラル・エクスプレス、ヒューレット・パッカード、ペプシ、ノースウェスタン・ミューチュアルをはじめとする世界中の多数の企業で数千人を前に講演を行っている。自ら作製しナレーターを務める多くのオーディオ・プログラムも人気を集めている。

渡邉 美樹
1959年生まれ。ワタミ株式会社非常勤取締役最高顧問。明治大学商学部を卒業後、経理会社に半年間勤務。1984年ワタミを創業。外食・介護・農業・環境・教育・医療・福祉などの分野で独自の事業モデルを構築してきた。学校法人郁文館夢学園理事長、医療法人岸和田盈進会病院理事長、NPO法人みんなの夢をかなえる会理事長、日本経団連理事(2005~2011年)、政府教育再生会議委員(2006年)、神奈川県教育委員会教育委員(2006~2009年)、日本相撲協会「ガバナンスの整備に関する独立委員会」委員(2010年)、観光庁アドバイザー(2010年)も務める。

2011年11月19日

必読本 第1007冊目 眼力 (CD付)

必読本 第1007冊目

 76313061.jpg

眼力 (CD付)

斎藤一人(著)

サンマーク出版

¥1,680

単行本(ハードカバー): 346ページ

2010年6月15日 新版

●あなたは、見抜く力をもっていますか?仕事を、見抜けますか?

世間を、見抜けますか?人を、見抜けますか?

見抜けないで、人生を歩いていたら、たいへんなことが起きますよ。

正しく見抜く力を、眼力といいます。

●相当期間、ブログ更新を怠っておりまして本当に申し訳ございません。

11月に入ってから、家族旅行や交通事故怪我の治療や手続きなどで

色々と忙しかったこともあり、

満足に読書ができない状態が続いておりました。

気合を入れなおして、今日あたりから、また、元のペースに戻したいと思っております。

●今回は、本当に久しぶりと言ってもよい、斎藤一人さんの著書です。

恥ずかしながら、1年前に刊行の本で、既に読破された方も多いのではないでしょうか?

 一般書店やアマゾンなどで、一人さん関係の本が

相も変わらず続々と出版されているのは、当然承知しておりましたが、

以前ほど熱心に読んでいないなーと大いに反省しつつ、今回手に取ってみました。

●テーマは、タイトルにある通り、ずばり「眼力」。

要するに、世の中に起きる森羅万象の意味を見抜く力のことです。

内容は例によって、非常に平易で、

一読したら、あっけないぐらいに読破できてしまう内容ですが、

やはり、あらゆることに通じている一人さんのお話には、

うなずかされる、膝を打ってしまいたくなるような巧みなお話が満載されております。

●通訳や弁護士になることはたしかにすごいことだが、

お客さんがつかない、つまり、収入が取れないことが

明白な仕事を選ぶのははたして賢いことか?とか、

インチキな投資話、占い者などを見分ける方法とか、

中国、アメリカ、ロシアなどの大国はどういう考えを持っている国なのかとか、

政府が考えていることを見抜く方法とか、

ヤマダ電機などの大手に、個人事業主が対抗するための方法とか、

実に内容が充実しております。

よくもこんな風に物事を見通すことができるものだと、舌を巻かされること確実です。

●商人としての観点から、これから商売をするうえで大事なこと何か?

を述べた後半部分にも非常に参考になるものが散見されます。

本を数多く書く経営者の中には、

あまりにも大言壮語しすぎて、結局晩節を汚す、みたいな方が結構おりますけど、

一人さんには、弱点が全くないといいいますか、

このお方は死ぬまで成功街道まっしぐらで行くのだろうなと改めて痛感させられました。

丁稚奉公同然に自転車で仕事をしていた、

若かりし日々の一人さんの読書体験、仕事熱心さを回顧するエピソードも

随所に出てくるので、一人さんファンにはたまらないことでしょう。

●前述したように、文体は非常に読みやすく、一気に読破できます。

しかし、この本も7回は読んで、自分の血肉して下さいと、

巻末で一人さんが釘を刺しております。

一読してわかったつもりになりがちなので、

是非とも一人さんの忠告に従い、熟読したいものです。

おまけCDは、収録時間が短いですが、

「人の悪口を言わない」ことをテーマにした、

非常にシンプルながらも意味深長な内容です。

 

 【マストポイント】 

@「人をおどかしたり、不安にするのは、偽物なんです。

神が人間をおどかすことは、ありえません。

神を口にして、おどかすような話をするのは、自分に得なことがあるからです。

おどかした人が得するような、何かがあるのです。

だから、『あなたは前世でたくさんの人を殺していて、どうのこうの』とかいわれたら、

それは、その人の“自分の都合”でいっているのです。

私たちは、あの世からこっちの世界に出てくるとき、

前の代の人生を全部リセットしてきます。

ちゃんと罪をつぐなって、リセットしてきたからこそ、

今、こうして生きているのです。

だから、前世で何人殺していようが関係ない。

今世、だれも殺さなきゃいいし、だれも傷つけなければ、それでいい。

たとえ前世で100人の人を殺していたとしても、今世、100人を助ければ、

素晴らしい人生です。

それを、『あなたの前世は・・・・』っておどかすのは、自分の都合でいっているの。

あなたから、お金を取ろうとしているか、なにかを売りつけようとしているのです」

A「人間、勝っても負けても、笑えないとダメですね。

一人さんはね、何かあったとき、『これは天の声だ』って思って聞くのです。

そして、『このことで楽しく遊べないかな』と考える。

こういう素晴らしい話を聞いた、それが心に残ったら、

これを遊びに変えられないかなって。

そしたら、遊びなんだから、勝った方も、負けた方も楽しくて、

思わず笑っちゃうようなのが一番いいじゃない?

負けた方も笑えるのがいいですね。

いつもユーモアがないと、つまらないです」

B「神に不公平はありえない。

神は本当に偉大です。

たとえば、苦労しても、ちゃんと元がとれて、しあわせになるようになっています。

そういうふうに、神が人間を創っているのです。

だから、一人さんと会えようが会えまいが、あなたはしあわせでないといけない。

『会えないからダメだ』というのは、完全に運まかせです。

そうではなくて、『一人さんには会えないけど、お弟子さんの本がある、

あの人が書いた一人さんの本がある』。

その人たちが残してくれた本があって、『自分は学べるんだって』

そういって、学んでいくしかないのです。

会えなくても、いい人生にしなきゃいけないんです」

(以上本文より。一部改変) 

 

【著者略歴】

斎藤一人

銀座まるかん創設者で納税額日本一の実業家として知られています。
1993年から、納税額12年間連続ベスト10という日本新記録を打ち立て、累計納税額も、発表を終えた2004年までで、前人未踏の合計173億円をおさめ、これも日本一です。土地売却や株式公開などによる高額納税者が多い中、納税額はすべて事業所得によるものという異色の存在として注目されています。土地・株式によるものを除けば、毎年、納税額日本一です。
また斎藤一人さんは、著作家としても、心の楽しさと、経済的豊かさを両立させるための著書を、何冊も出版されています。主な著書に『微差力』(小社刊)、『幸せの道』『地球が天国になる話』(ロングセラーズ)、『変な人が書いた成功法則』(総合法令)、『千年たってもいい話』(マキノ出版)などがあります。その他、多数すべてベストセラーになっています。

ラベル:斎藤一人

2011年10月10日

必読本 第1003冊目 夜明けの言葉

必読本 第1003冊目

9784479392156.jpg 

夜明けの言葉

ダライ・ラマ14世, 三浦 順子

¥1,365

大和書房

単行本(ソフトカバー): 254ページ

2011年9月1日 新版

 

●ダライ・ラマ14世が仏教の実践者としての立場から

一般の人々に与えたアドバイスの集大成。

●チベット仏教の最高指導者であるダライ・ラマ14世が、

世界各地で行った講演の中で残した名言を一冊にまとめた本。

最近、この手の名言集を読む機会がめっきり減ったので、

図書館から借りて読んでみました。

●構成的には、「思いやり」、「幸福』、「平和」、「責任感」など、

テーマごとに7つの章に分けられている。 

やはり、ノーベル平和賞まで受賞された、最高級の宗教指導者だけに、

その言葉は非常に簡潔だが、威厳に満ちている。

名言集らしく、一ページに一つの名言というシンプルスタイルも

とても読みやすく、多忙な人にはうれしいです。

●それにも増して、本書を推奨したくなる美点は、

チベット現地の姿を見事に活写した写真家松尾さんの写真の数々です。

子供の僧侶のかわいらしくもひたむきな姿、

日本の寺社にも劣らぬ絢爛豪華な仏像、仏院、

現地の人々の普段の生活風景などの写真の数々は、

見ているだけで、かの地へ旅したような錯覚を覚えさせてくれる。

なかなかチベットへは行く機会がないだけに必見かと思います。

●巻末には、付録的に、中国政府から行われた、

非人道的なチベット宗教弾圧の歴史が、生々しい当時の写真と共に、

詳しく紹介されている。

ダライ・ラマ氏がインドに亡命を余儀なくされた経緯などが、

わかりやすくまとめられているので、

その辺の事情に詳しくない方は是非参考にされたい。

 

 【マストポイント】

@「他人の面倒をよく見てやり、幸せを考えてあげ、

手を貸し、世話を焼き、もっとたくさんの友人、たくさんの笑顔をつくってみてください。

その結果、あなたが助けを必要とした時、大勢の支援者が集まるでしょう。

その反対に、他人の幸せを無視していけば、長い目で見れば、

あなたは敗者になっているでしょう」

A「あなたが人に向かって、笑顔を見せずに、

何か嫌な顔をして見せたら、相手も同じような反応を返してくるでしょう。

人に正直に心を開いて接すると、これもまた同じような反応が返ってきます。

ですから、これはとても単純な論理なのです」

B「一種類の食物で人が満足できないように、

ひとつの宗教で万人を充足させることはできません。

それぞれの宗教は、素晴らしい、温かい心の持ち主を造り出す可能性を有しており、

異なった哲学を信奉していても、そういう人々を生み出すことに成功しています。

ですから、宗教的頑迷によって他の宗教を拒絶したり、

対立したする理由はどこにもなく、

どんな精神的な実践をも励まし、尊重してゆくことの力が大切です」

(以上本文より。一部改変)

 

【著者略歴】

ダライ・ラマ14世テンジン・ギャツォ
1935年チベットアムド地方に生まれ、2歳でダライ・ラマ13世の転生者と認定される。中国のチベット侵攻に伴い、15歳で政治・宗教の国家最高指導者となるが、1959年にインドへ亡命。ダラムサラに亡命政権を樹立。チベット問題の平和的解決を訴え続け、1989年にノーベル平和賞を受賞。現在は政治的指導者の地位を退き、チベット仏教の指導者として、世界中に平和と幸福について説く活動を続けている。

三浦 順子
東京学芸大学教育学部卒業後、インドのダラムサラに滞在。チベット難民と共に四年間過ごす。帰国後から、チベット関係の翻訳や通訳にたずさわる。

2011年09月08日

必読本 第1000冊目 いくつになっても「モテる人」の習慣

必読本 第1000冊目

1106050521.jpg 

[図解]いくつになっても「モテる人」の習慣

青木一郎

¥ 840

PHP研究所

単行本(ソフトカバー): 96ページ

2011年8月10日 初版

 

●「外見」や「出会い」、「コミュニケーション」から「仕事術」まで、

あなたの魅力を高め、人生をより充実させよう。

●前回ご紹介したばかりの、中年専門恋愛コンサルタント青木一郎さんの第2弾。

 処女作は、自ら企画し、出版社に持ち込んで実現した本らしいのだが、

その本が好評だったこともあり、今回はPHPからの出版となった。

●本書はいわゆるムックです。

見開き2ページで、右ページに文章の解説、

左ページに図表やイラストを載せるという至って使いやすい構成になっております。

1,000円札1枚でお釣りがくる廉価。

100ページにも満たない薄い本だということもうれしい長所ですね。

●内容的には、処女作のまとめ的な内容に終始している

(章立ても全く同じ)。

新奇なところはほとんどない。

「ほとんど前作と内容は同じじゃん!」という

失望感を持つ方もおられるかもしれないが、

ポイントが手際良くまとめられていて復習的に使用できること、

文章オンリーの本よりも非常に読みやすい工夫が随所に凝らされていることもあり、

2冊同時に読んでも効果が高いと思う。

数多く紹介されている体験者のエピソードにも参考になるものが少なくない。

●前回の書評でも申し上げたかと思いますが、

著者は、この手の恋愛コンサルタントにありがちな、

ただ女性とヤルことだけが目的の、軽薄軟派なタイプの人間ではなく、

かつての自分と同じく、

婚期を逃し、真剣に恋愛、結婚を渇望している中高年男性を

救いたいという、ある種の使命感や真摯さを兼ね備えた、

希有なタイプの恋愛コンサルタントである。

初めからイケメンで、何一つ苦労することなく恋愛を謳歌してただろう

中谷彰宏氏などの恋愛本などに大いに違和感、反感を持った、

大多数のモテない男性陣側の立場、心情を大いに理解できる人なのだ。

●自らも実行し、多くの恋愛弱者を救ったというアイディア、メソッド類も、

敷居が低く常識的で、誰もが取り組みやすいものが少なくない。

この手の恋愛本には、志が低劣で、効果も怪しく、

とても推奨できるような代物が少ないのが実情だが、

著者の本は、その中でも信用できる希有な一冊である。

書き下ろしの新作にも期待したい。

 

 【マストポイント】

@「私は、自分の長所に気づかない人を何人も見てきました。

逆に短所に気づかない人も知っています。

自己変革の第一歩は正しい自己診断ですから、

自分自身を「客観視」することは極めて重要なこと。

そしてその長所を相手が喜ぶことに生かすことが成功の鍵を

握っているのです」 

A「以前、私が出版社の人から聞いた話ですが、

『モテるコツは女性の話を聞くこと』と全員が語ったそうです。

海外の研究結果で、『相手に多く話をさせる時間が長いほど、

相手からの好感度が増す』というものがあることからも、

普遍性のある法則と考えていいでしょう。

話を聞く人がモテるのです」

B「リーダーシップは父性です。

包容力は母性です。

この両方を併せ持つ人が、本当の意味で仕事ができ、

女性にモテるのです。

多くの若い女性が語る年上男性の魅力、

『話をしっかり聞いてくれるけど、イザというときに叱ってくれる』というのは、

まさにこのことを指しているのだと思います」

(以上本文より。一部改変)

 

【著者略歴】

青木 一郎
中年男性専門の恋愛コンサルタント。1965年生まれ。早稲田大学卒業後、日本IBMに約20年間勤務。40歳前後で、薄毛と若年性の更年期障害が急激に進行。容姿と体力が著しく衰える中、女性にモテる方法を模索し、医療・理美容・イメージアップで実績のある手法とITをフル活用した再現性の高い独自の手法を確立。自ら実験台となり、薄毛治療、歯の美白、ヒゲの脱毛などを実践、40歳からの5年間で160名以上の女性とデートして自身の手法を検証し刷新を重ねた。約800名の中年男性の恋愛を成就させた実績を持つ。

ラベル:青木一郎

2011年08月29日

必読本 第999冊目 40歳からのモテる技術

必読本 第999冊目

 48410229.jpg

40歳からのモテる技術

青木一郎

¥ 1,680

阪急コミュニケーションズ

単行本(ソフトカバー): 288ページ

2010年10月16日 初版

 

●800人の中性男性に恋人を作らせたIBM出身の恋愛コンサルタントが直伝。

おじさん臭い外見を一新する逆転のセオリー。

中年男性が無理なく会話力をアップさせる方法。

出会いを量産する「価値観×ネット」戦略。

●モテない男性のための恋愛マニュアル本としてはつとに評価が高い

『モテる技術』(必読本 第13冊目参照)は、

内容の秀逸さや充実度の高さから、

文庫化までされるなど、とても話題になりました。

私もいまだ独身で彼女なしであることもあり、

折に触れて読み返しておる愛読書です。

本書は、アマゾンでその本の関連書として挙げられていたもので、

興味を持ち、図書館から借りて読んだ本です

(しかし、図書館司書の方が結構な若手の女性だと、

やはり毛髪本と並んで、借りる時に大いに恥ずかしさを覚えますね…)。

●著者は、早大を卒業後、日本IBMに勤めていた、

普通に言えば、エリートサラリーマンの範疇に入る方なのだろうが、

40代を過ぎて未だ独身。

容貌や体調に顕著な衰えが見え始め、

同僚たちからは、結婚してないことだけを理由に、

非人間的な陰口まで叩かれる始末。

もう恋人はできないのだろうか、

若い女性と恋愛することは一生叶わない夢なのだろうか、

そんな危機的状況を打破するために、一念発起。

医療、美容、ファッションを大胆に取り入れて外見面を大きく改造。

また、婚活サイト、ナンパなど成果の上がらない方法に見切りをつけ、

SNSを中心にしたネットを中心にした独自の出会いの戦略に改変。

本書は、何百人という女性とデートを重ねたという実績のみならず、

モテない世の中年男性をも数多く救ってきた恋愛コンサルタントの著者がまとめ上げた、

中年男性がモテるための恋愛マニュアルブックです。

●前半部分は、主に、外見を変えるための施策を述べることが中心である。

ハゲ、皮膚、歯などの加齢に伴うトラブルや悩みへの対処法を指南。

併せて、メガネ、靴、シャツ、スーツなどをいかに選べばよいかまでの

オシャレ術的なアドバイスがズラーっと述べられている。

薄毛に関して言えば、例によって、プロペシア、リアップなどの効果があるなどの

情報が出ているのが、注目に値する。

又、特筆すべきは、類書では軒並みネガティブな見方をされることが少なくない、

かつらに対して、非常に肯定的なアドバイスが述べられていること。

詳しくは本書を参照されたいが、薄毛のナンパ師の中には、

非常にユニークな使用法をされて成果を出している方もおられるようだ。

この章でやや物足りなかったのは、メタボに対する対策が述べられていなかったこと。

著者は生来その悩みがなかったせいかもしれないが、

世の多くの中年男性が悩んでいるテーマだけに、

食事や運動などに関しても一言述べてほしかった。

●続く第3章では、デートした時のトーク術などを中心に述べる。

モテ男として中年男性の尊敬を一身に集めるタレント石田純一のテクニックを

数多く引き合いに出しながら、

失敗しないための女性との会話術、身のこなし方などを具体的に述べてくれる。

福山雅治がモテなくて、石田がモテる理由、

「上から目線」は当然嫌われるが、実は「下から目線」も嫌われる、など、

非常にユニークなアドバイスが書かれていて、とても面白い章。

話下手な方や、女性とのデートに慣れていない方は精読したい。

●第4章は、前半の外見変革を述べた章と並ぶ、 本書最大の読みどころ。

ミクシィ、GREEなどのSNSを使って、いかにして高レベルの女性と

出会い、デートまでつなげればよいかを、

著者の経験を数多く交え、指南してくれる。

本章は、ネット、特にSNSを出会いの場として考えてもみたことがなかった

中年男性には、目からうろこの話となるかもしれない。

●処女作ということで、筆致がややくだけすぎている、

前述したダイエット法など、多くの読者の興味あるネタに関する記述がない、

そして、ツイッター、フェイスブックなどでの

出会い法が解説されてないなどの不備があるが、

使えない駄本が数多く存在する恋愛関係の本の中では、

いたって真面目路線で、具体的、効果的なアドバイスに満ちているという意味で、

信用に足る一冊だ。

若い女性から全く見向きもされない、

外見や体型に大いにコンプレックスを抱えているなどの方には、

是非ご一読を勧める。

また、著者には、本書で言い足りなかった部分、

特に、インポなど中年男性特有の性の悩み、

ベッドインした後のテクニックなどに大胆に

斬り込んだ第2弾を切望したい。

 

 【マストポイント】

@「美人も人の子、上手く誘えば話に乗ってきます。

というより、美人だからこそ高い確率で乗ってくると言えます。

美人というのは、男性にまともに扱ってもらえない寂しい存在なのです。

「えっ!そんなことないでしょう?」と思った人、

あなたが伊東美咲ばりの美女を目の前にしたと想像してみてください。

いかがでしょうか?

美人を目の前にした大半の男性は、気後れしたり、妙にびびったり、

「どうせ、僕なんか相手にされませんよね」と変に卑屈になったりするものです。

このように普通に接してもらえないから「美人は寂しい」のです。

行動し続けましょう」 

A中年男性が若い女性たちの関心を引くには、女性にウケのいい文化を

身に着けることが必要です。 

そして、若い女性に、「大人の世界、大人の文化だわ!」と胸をキュンとさせるためには、

次の3つの要素が揃っていることが必要だと思います。

1、若い女性にとって敷居が高いと感じさせること

2、非日常的なハレの世界

3、うんちくを語らなくても、そのよさや芸術性がストレートに伝わるもの

(著者自身が実践する具体例として、オペラ、歌舞伎、ワインなどを挙げている)

B「成功率が高いメールでのデートの誘い方は、

「打診」モードで誘うというものです。

あくまでも「軽く」そして「社交辞令的」に打診するように誘うのがポイントです。

相手も「軽く」答えやすいからです。

「軽く」聞いて(打診して)、「軽いイエス」をもらう。

こうした小さなイエスを積み重ねていくのが、

「断られる」リスクを引き下げ、デートの了解を取り付けるための近道なのです」

(以上本文より。一部改変)

【著者略歴】

青木 一郎
中年男性専門の恋愛コンサルタント。1965年生まれ。早稲田大学卒業後、日本IBMに約20年間勤務。40歳前後で、薄毛と若年性の更年期障害が急激に進行。容姿と体力が著しく衰える中、女性にモテる方法を模索し、医療・理美容・イメージアップで実績のある手法とITをフル活用した再現性の高い独自の手法を確立。自ら実験台となり、薄毛治療、歯の美白、ヒゲの脱毛などを実践、40歳からの5年間で160名以上の女性とデートして自身の手法を検証し刷新を重ねた。約800名の中年男性の恋愛を成就させた実績を持つ。

ラベル:青木一郎

2011年08月22日

必読本 第998冊目 フランクリン自伝 (中公クラシックス)

必読本 第998冊目

 41MKM5GJQJL__SS500_.jpg

フランクリン自伝 (中公クラシックス)

フランクリン, 渡辺 利雄

¥ 1,550

中央公論新社

新書(ソフトカバー): 382ページ

2004年12月10日 初版

 

●しばしば「典型的なアメリカ人」と呼ばれるフランクリン。

彼の生涯と思想のなかにアメリカ人すべての性格や特徴が体現されているというのだ。

意欲的な新訳が無類の面白さを伝える。

●最近、めっきりブログの執筆を怠っておりまして本当に申し訳ございません。

1000冊突破という個人的な金字塔を目の前にして、

足踏み状態といいますか、正確に言いますと怠慢状態が続いており、

我ながら情けなく思っております。 

●ただ、その弁解をするわけではございませんが、

最近、すべてのことを脇に追いやっても

真っ先に飛びつきたくなるようなビジネス本、自己啓発本がめっきり少なくなったような

気がいたします。

特にそういう情報を関係者から聞いたわけではありませんが、

小手先のテクニックに走ったような軽いタッチの自己啓発本、

時流にただ乗っかたような安直な成功法則本というものは、

こういう過酷な時代には全く売れない、誰からも見向きもされないのかもしれません。

●ということで、自分としては、最近、

「古典」を見直そうという気持ちが高まっております。

やはり、昔から読み継がれてきた古典的名著には、

それだけ長い期間多くの人々に支持されてきたほどの、

普遍(不変)的な原理原則に満ちていると、考えます。

今回は、アメリカ建国の礎を築いたのみならず、

異分野で多くの業績を残したマルチな才能の持ち主、

ベンジャミン・フランクリンの自伝をご紹介したいと思います

(念のため書いておけば、現100米ドル紙幣の人物がフランクリンです)。

●自己啓発的な意味で言いますと、

まずベンジャミン・フランクリンで有名なのは、いわゆる「13の徳目」でしょう。

第6章に、それを一生の習慣にしてしまおうと決意した経緯と、

どのようにしてそれを達成したのかの詳細な内容が記されております。

他の章が、身辺で起こった出来事を綴った日記調の文体に終始しているのに対して、

この章だけは、独立して読むことができるほど、

いい習慣を身につけるためにはどうすればよいのかを

極めて手短にまとめられている。

全体の分量が結構ある書物だけに、

時間がない人はこの章だけを優先的に読んでしまうという手もあるだろう。

●印刷業者として職業生活をスタートしたフランクリンだが、

発明家、科学者、政治家、文筆家など、数多くの分野で、

目覚ましい業績を残している。

本書を通読して、なぜ、そんな人並み外れたことが可能だったのか私なりに

考えてみると、やはり、幼少時から、並はずれて読書家だったということが

挙げられる。

ろくに学校教育を受けていなかったフランクリンだったが、

知識欲は非常に旺盛だったようで、本書を読むと、

とにかくちょっと暇があると本ばかり読んでいたという描写が出てくる。

読書の恩恵に人一倍与ったせいか、

後年、現在の図書館システムの原初となるような会員制図書館を創設するという

活動まで起こした。

●他に見過ごせない習慣は、

倹約家であることと、人との交際術の秀逸さだろう。

前者についていえば、貧しい家の出であったこともあり、

とにかく子供のころから節約を旨とし、贅沢を排除、

最終的には多くの事業が成功したこともあって、

相当の資産を形成する大実業家となる(ただ、それを自慢するような記述はほとんど見られない)。

昨今誰もが知るところの蓄財術の基礎の基礎を築いたと言っていいだろう。

後者についていえば、とにかく、人間観察に長けているというか、

人との交渉事においてはどのような手段をとれば成功するか、

集団をまとめ上げるにはどのような弁舌、態度でいればよいのかなど、

非常に参考になるエピソードに満ちている

(後半、ほとんど未開民族といってもよい野蛮なインディアンたちとさえ、

丁々発止に渡り合ったという面白い話も紹介されている)。

●全体的な印象としては、

やはり、今から300年前もの古き時代に生きた人物の自伝ゆえ、

現代人にはちょっとピンとこない部分も多い本です。

また、事あるごとに脚注が付載され、それをいちいち

後ろのページで参照するのが面倒くさいといった構造上の難点もある。

しかし、それらに目をつぶっても、

やはり、極めて学ぶところの少なくない自伝本の中では筆頭の名著です。

下に記載したような名言箴言の類も非常に多かったことも最後に記しておきます。

 

 【マストポイント】

@「ある種の人間の行為は、神が禁じているから悪いのではなく、

また、神が命じているから善いのでもなく、

おそらく、私たち人間にとって悪であるから神は禁じているのであり、

私たちに有益であるから神は命じているのだ」

A「人間の幸福とというものは稀にしか起こらない大きな幸運よりは

毎日起こる小さな便利さから生じるものなのだ」

B「人間というものは忙しく仕事をしているときがもっとも満足しているものである」

C「万物を創造された唯一の神が存在する。

神はみずからの摂理に従って世界を治めておられる。

神は、礼拝、祈祷、感謝によって崇拝すべきものである。

しかし、神が最も嘉たもう奉仕は、人に善をほどこすことである。

人間の魂は永遠不滅である。

神は現世あるいは来世においてかならず徳に報い悪を罰する」 

(以上本文より。一部改変。今回は特別に4つ)

【著者略歴】

ベンジャミン・フランクリン
1706~90。政治家、文筆家、発明家、科学者、印刷業者。ボストンのろうそく製造業者の家に生まれ、12歳で兄の営む印刷所に奉公に入る。その後、フィラデルフィアに移り、印刷の仕事に携りながら文章の錬磨に努める。買いとった新聞社から出版した暦が好評を博し、財をなす。やがて経営をパートナーにまかせ、科学・学術の分野での活動、政治活動に専念した。1776年の「独立宣言」の起草ではジェファソンを助けた。

渡辺 利雄
1935年(昭和10年)台湾新竹市生まれ。1958年、東京大学文学部英文科卒。東京大学文学部教授、日本女子大学文学部教授・文学部長などを歴任。東京大学名誉教授。専門はアメリカ文学。

2011年08月04日

必読本 第997冊目 なぜ「そうじ」をすると人生が変わるのか?

必読本 第997冊目

51ZHFEgYc4L__SS400_.jpg

なぜ「そうじ」をすると人生が変わるのか?

志賀内 泰弘

¥ 1,575

ダイヤモンド社

単行本(ソフトカバー): 284ページ

2010年11月26日 初版

 

●主人公はとあるサラリーマン。

公園でみかけた「ゴミ拾いをする老人」との出会い。

たった1つの空き缶を拾ったことから、人生が変わりだす。

実話をベースとした日本初の「そうじ小説」。

●「掃除」というキーワードで、

アマゾンをあてもなく検索していたときに偶然巡り合った本。

昨年末に発売されたという史上初めての「そうじ小説」。 

東京掃除の会の街頭清掃などによく参加するなど、

人並み以上にこの方面の書物に詳しいはずだと自負していた私も

全くその存在に気付かなかった。

なんと、私が私淑するイエローハット鍵山秀三郎さん、

COCO壱番の宗次徳二さんの推薦の言葉まで寄せられているという。

●簡単な内容を書くと、

掃除などに全く関心のなかった若手サラリーマンが、

偶然、公園を掃除して回る不思議な老人に出会う。

なぜ、掃除をしているのか、老人ははっきりとした理由を口にしない。

しかし、空缶一個を道端で偶然拾い、ごみ箱に捨てたことを契機に、

主人公のサラリーマンに、全く予想してなかったミラクルストーリーが訪れる。

大体そんな筋書きの、自己啓発的な小説です。

●小説自体は、大きく3部構成になっているのだが、

それぞれの章で主役が変わりつつも、

ラストでは、登場人物のすべてが、

絶妙な関係性で結びつくという、かなり練られた筋書きになっている。

ただ、第2部の、ホテルチェーン大社長(既述の老人)の若かりし頃の苦闘記は、

ちょっと出来過ぎというか、やや強引なハッピーエンドへの持って行き方で、

ちょっとストーリー展開に無理があるよという印象を受けた。

●第1部、第3部の内容は、平凡な若手サラリーマンが、

ただ、掃除をまじめに行ったという一点により、

美人の女性と結ばれ、仕事も順調、

なおかつ、地域ボランティアのリーダーとして世間で高い評価を得るという

八方すべて大成功の感動的な幕切れで終わる。

ひねくれた人ならば、掃除だけでこれほどすべてうまくいくものかね、と

批判の一つも言いたくなるでしょうが、

著者曰く、実話をベースにした小説ということですから、

あながち、バカにはできないことでしょう。

誰もが嫌がる、最底辺の職業というイメージの「掃除夫」。

その行為から逃げず、何の見返りも求めないで一心に取り組んだ登場人物たちに起こった

奇跡的な出来事を読んでいきますと、

誰もが、自分も一つまねしてみようという気に必ずさせられるはずです。

●鍵山先生の本をはじめ、

「掃除」をすることの重要性を説いた本は、

世の中にたくさんありますが、

同工異曲といいますか、

本のテイストがどうしても似てきてしまい、

何冊も読んでいると飽きてくるという欠点があります。

本書は、そんな、「掃除本」に食傷気味だった方には、

切り口が違っているという意味で非常にお薦めの本です。

著者は、今回の「掃除本」に限らず、他にも著書を何点か出しているようですが、

志がかなり高い方のようですので、

機会がありましたら、またご紹介したいと思っております。

 【マストポイント】

@「空缶をたった一つ拾っただけじゃ、

何の役にも立たないんじゃないかって思うかもしれん。

しかし、すべては、たった一つからはじまるんじゃよ。

その意味で、『0と1の差』は、1ではなく、実は、とてつもなく大きい・・・、

それこそ、『0と1の差』は、百も、千も、万も、億も、違う」

A「『どんな大きな相手』でも、コツコツ続けることで、

やがて『終わり』が訪れるのだ。

『たくさん』が、とてつもなく大きな存在だとしても、

仮に1万から、いや1億から1を引けば、

残りは間違いなく9999万9999となる。

小さな一歩だとしても、それは、『決してゼロではない』。

それだけは確実だ」

B「物事は、すべて『一事が万事』なのです。

『あなたが行っている一つの行動』を見るだけで、

『あなたのすべての行動』がわかるのです。

誰もの心の中に、『すべてをお見通しの神様』がいるものなのです」

(以上本文より。一部改変)

【著者略歴】

志賀内 泰弘
「プチ紳士・プチ淑女を探せ!」運動代表。某金融機関を平成18年8月に退職。24年間勤めたサラリーマン生活にピリオドを打ち、現在は、普通では得られない強力な「異業種の人脈」をベースにして、コラムニスト、俳人、飲食店プロデューサー、経営コンサルタント、ボランティア活動のほか、よろず相談に乗っている。さまざまな活動を通じて、周りを楽しませ、「ギブ・アンド・ギブの精神」で、趣旨に感銘すれば、たとえ自腹になろうとも、何でも引き受ける。連載に、中日新聞、目黒雅叙園広報誌「雅」など多数。

2011年07月07日

必読本 第993冊目 それでも「人と会おうよ」

必読本 第993冊目

HTbookCoverImage.jpg   

それでも「人と会おうよ」

横澤 彪

¥900 

新講社 

単行本: 189ページ

2009年8月1日 初版


●誰だって仕事で人と会うのは気が重いもの、

しかし…「人に会いたい!」という気持ちを育てる秘訣。

自分で思っているより人は「あなた」を求めている。

だから「人と会おうよ!」。

「人と会う」のが苦手な人へ!著者からの熱いメッセージ。

●「オレたちひょうきん族」や「笑っていいとも!」など、

伝説的なお笑い番組を数多く生み出したことで知られる、

元フジテレビの名物プロデューサー横澤彪さんの、交際術の名著。

著者は、本年1月に惜しまれつつも逝去されたが、

先月何気なく読んだブックガイドの中で絶賛されていたので、

取り急ぎ入手し、読んでみました。

●TVマンと言えば、有名人無名人を問わず、

毎日、無数の人々と嫌でも付き合わなくてはとてもやっていけない商売だろうが、

意外なことに、著者は、元々人と付き合うのがとても苦手だったという。

本書は、そんな交際下手の横澤さんが、

ひそかに努力研究を重ねた末にたどり着いた、

「人とうまく付き合っていく」ための心得を一冊にまとめたものである。

●口述したものを編集者が文章化したものなのだろうか。

とにかく、本文は軽妙洒脱で読みやすく、

内容的に優れていたこともあって、一気に読破してしまった。

TV業界の人は、あまり読書しないようなイメージがあるが、

東大文卒の横澤さんは、相当の読書家だったのでしょう、

文章は軽やかですが、無駄なことを一切述べず、

重要ポイントを過不足なくサラッと述べる。

相当の美文家です。

●本文中、著者が実際に見聞きした一般の人々の交際や出会いにまつわる

エピソードが沢山紹介されておりますが、心温まる感動的なものが非常に多く、

今まで引っ込み思案で、初対面で自分の方から声をかけるのが

億劫だった人は、大いに励まされるはずです

(惜しむらくは、たけし、タモリ、さんまなど、

著者が見出したと言っても過言ではない大物お笑い芸人の秘話が皆無だった点。

お笑い好きとしてはやや残念だった。

ただ、トップに行く芸能人ほど、TVで見せている姿とは全く違い、

無口で人見知りで交際下手な人が意外に多いという指摘は面白かった)。

ブログ筆者は、生来の人見知りで、大勢でワイワイ騒ぐことがとても苦手、

よって、学校や会社生活では、とても苦労し、孤独感を

覚えることが少なくなかったのですが、

本書を読むと、そんな一匹狼タイプで、人と群れるのが苦手なのは、

自分だけではない、世の中にそんな人は沢山いるのだと思い知らされ、

とても安堵させられました。

●他にも、定年退職を迎えてからの第2の人生を

いかにして生きればよいのかとか、

趣味の作り方、人の見分け方、一人の時間の過ごし方、

会社内でのポジションの取り方など、

非常に多くのアドバイス、至言が満載されております。

下のマストポイントに心に残った言葉を掲載しましたが、

3点に絞り切れないほど、候補となる名言がとても多かったことを付言しておきます。

●何かと言えば、直接会うのを嫌い、ケータイ、メール、ツイッター、FAXなどの

電子ツールでコミュニケーションを済ませていた方などには、

是非とも手に取っていただきたい本です。

希薄な人間関係が問題視されている現代こそ、再評価されるべき名著。

人生は人との出会いで劇的に変わることがある、

そして、運というものは、ひきこもっていては決してやって来ることはない、

人が運んで来てくれるものなのだから、自分の方から積極的に人に会いに行こうよ、

と心底痛感させられます。

(自戒を込めて言いたいのですが)孤高を気取るのがカッコいいと勘違いしていた人、

初対面の人にいつも緊張してしまう人、恋人や友だちとの交際に悩んでいる人、

そして、数多くのお客さんと日々付き合わなくてはいけないセールスマン

(ナンパにもある意味使える内容でしょう)などにも推薦したい本です。

ウソのように、今までの人間関係の苦痛さ、ストレス感が霧消するはずです。

 

 【マストポイント】

@「人と会うのが苦手な人は、自分の時間や居場所や生き方にこだわり過ぎているのではないか。

自分自身にこだわりを持つということを悪いとは言わないが、

人と会うことはまた別の問題なのだと思いたい。

自分にこだわってばかりいるのではなく、

相手の都合やペースに合わせなければならないことも多い。

それができるかどうかの訓練の時間と思えばいい。

一人でいるときには一人でいることの楽しさ、人と会うときには人と会うことの楽しさだけを

求めればいいのだ。

人と会うのが苦手な人は、たぶんこの切り換えがあまりうまくないのではないかと思う」

A「挨拶はもともと、常識とか礼儀といったものではなく、

自分が元気になるためのおまじないなのではないか。

どんな相手にも爽やかな挨拶を返せる人間は、

それだけで溌剌とした印象を与える。

事実その通りで、世間に対して風通しよく生きようと思うから、

爽やかな挨拶ができる。

他人に対する苦手意識を、挨拶が少しずつ取り払ってくれるのは本当のことだ。

人と会うのが苦手になってくると、まず挨拶が苦手になる。

気がつかないふりをして相手をやり過ごしたくなる。

ということは、道の真ん中を歩けなくなるということだ。

広い世間を狭く生きる、ことになる。

挨拶なんて、元気に、さっさとすませたほうが気持ちいい」 

B「人と会うことによって初めて何かが起こる。

予想外のことがたくさん起こる。

嫌な結果が出ることだってあるだろうが、

それを怖がっていたら、幸福感と出会うこともないだろう。

そしてもう一つ。

自分が一人ぼっちで生きているのではないことを知る。

人と会ってかえって孤独感を持つこともあるが、

そんなことは気にしなくていいし、怖れてはいけない。

とにかく、人と会おうと決心したとき、カチリと幸せの歯車が回り出すのだと思う」

(以上本文より。一部改変)


【著者紹介】

横澤 彪
群馬県生まれ。東京大学文学部卒。同新聞研究所研修生修了後、フジテレビジョンに入社。「THE MANZAI」「オレたちひょうきん族」で80年代のお笑い番組の路線を確立する。長寿番組「笑っていいとも!」も、当時、氏が手掛けたもの。その後も話題作を制作し、編成局専任局長、エグセクティブプロデューサーを経て、95年、フジテレビを退社。吉本興業(株)東京本社代表を経て、現在にいたる。20011年1月8日逝去。

ラベル:横澤彪

2011年06月30日

必読本 第991冊目 「また、必ず会おう」と誰もが言った。

必読本 第991冊目

51TuORREg8L.jpg   

「また、必ず会おう」と誰もが言った。

喜多川 泰

¥1,470

サンマーク出版 

単行本: 215ページ

2010年11月25日 初版


●「読書のすすめ」店長の清水克衛さんの本や、

各種のブックガイド、雑誌などで最近よく推薦されていることが多い本。

個人的には全く初めて読む著者である。

昨年発売されたばかりの著者にとって最新刊だろうか。 

●あらすじを簡単に書くと、同級生に見栄を張るために

ちょっとしたウソをついてしまった主人公の男子高校生は、東京ディズニーランドに

一人で行く羽目になるのだが、帰りの飛行機に運悪く乗り遅れ、

持ち金もほとんど持っていないこともあり、空港で途方に暮れることになる。

見かねた空港売店のおばさんに助けてもらったことを皮切りに、

様々な大人との交流を通して、

人生をたくましく生きるコツや教えを伝授してもらうという、一種の青春小説である。

大ヒットした「夢をかなえるゾウ」(必読本 第583冊目参照)と同じカテゴリーに属する、

「小説」という体裁を借りた、自己啓発本だと言ってよいかと思う。

中学生ぐらいから余裕で読めるような平易な文体、内容という外見の中に、

成功法則、幸せになるためのルールを全編に渡って散りばめるという、

最近、何かと流行のスタイルを取る本であります。

●こういうタイプの本というものは、

時に教条的というか、押しつけがましい説教調が鼻につき、

学校の道徳の教科書を読まされているかのようなキレイ事的エピソードの

オンパレードで、読んでいて閉口することも少なくないのですが、

本書はそんないやらしさをあまり感じずに、スラッと読破することができる。

虚勢を張りがちな中高生の繊細な心情もリアルに描かれているし、

世間にどこにでもいそうな、ごく普通の大人が授ける

人生訓、処世術の類が、とても具体的かつ実践的で、

素直に好感が持てます。

●最近、「もしドラ」(必読本 第912冊目参照)の大ヒットもあり、

こういう小説風の自己啓発本というのが一つのブームになっているのでしょう。

巻頭、巻末の、本書の内容を具現化したかのようなカラフルな写真と共に、

短時間で、効率的に成功法則を学びながら、スカッと読後感の良い小説も

一挙両得で楽しみたい方にはピッタリの本ではないでしょうか。

 

 【マストポイント】

@「今のあなたにとってお金なんかよりもずっと大切なことを

授けてあげるわ。

それは、人より先に動いて、人の役に立つことよ。

あなたが泊めてもらった家で、食事の後片づけ、風呂掃除から、

トイレ掃除、誰よりも早く起きて朝のゴミ出しから玄関掃除まで、

そりゃあもうこれでもかというくらい、しっかりやりなさいよ。

いいから座っててと言われてても、取り上げてやるくらいの

勢いがなくちゃダメ。

それができればね、世界中どこへ行っても居候できるわよ。

いつまでもいてちょうだいって言われるくらいね」

A「相手に興味を持つこと。人間そのものを愛する心を持つこと。

これがなければ一歩を踏み出す勇気が湧いてこない。

人間は人が喜ぶ顔を見るためだったら、

お金なんてもらえなくても進んでいろんなことができるんだよ。

相手が自分の愛する人ならなおのことさ。

大好きな人の喜ぶ顔を見るためなら、人間はどんなことだって

頑張れるようにできているんだ」

B「学校の先生が言うてることもみんなメチャクチャや。

一歩社会に出ても、メチャクチャなことしか言わん上司だっておる。

おまえは自分の物差しを持って、自分で考える人間になれよ。

自分の人生を他の奴のメチャクチャな命令にメチャクチャにされるなよ。

自分の決断に責任を持つためにも、誰に何と言われても、

これだけは言うことを聞けんという強さを持てよ」

(以上本文より。一部改変)


【著者紹介】


喜多川泰

1970年、東京都生まれ。愛媛県西条市に育つ。東京学芸大学卒。98年、横浜市に学習塾『聡明舎』を創立。まったく新しい塾の在り方を追求しつづけている。2005年には作家としての活動を開始。その独特の世界観は多くの人に愛されている。作品に『賢者の書』『君と会えたから…』『手紙屋』『手紙屋~蛍雪篇』『上京物語』(ディスカヴァー・トゥエンティティワン)、『「福」に憑かれた男』(総合法令出版)、『心晴日和』(幻冬舎)がある。

ラベル:喜多川泰

2011年06月23日

必読本 第990冊目 自己信頼[新訳]

必読本 第990冊目

41CIuOrmXyL__SS500_.jpg   

自己信頼[新訳]

ラルフ・ウォルドー・エマソン, 伊東奈美子

¥ 1,260

海と月社

単行本: 112ページ

2009年1月26日 初版


●19世紀のアメリカを代表する思想家ラルフ・ウォルドー・エマソンの代表作を全訳。

真理は自分の内にあり、付和雷同せず、

常に自己をよりどころとして主体的に生きるべきであるという、

エマソンの主張が凝縮された一編。

●「自己啓発の始祖」として、あまたの成功者に影響を与えたエマソン。

成功哲学、自己啓発書を好んで愛読されている方ならば、

一度はその名前を聞いたことがあるのではないでしょうか。

しかし、相当古い時期の人物ゆえ、

現代人にも読みやすいような手頃な著書はなかなか発売されておらず、

その思想を知ることはなかなか難しいという状況が続いておりました。

本書は、2年ほど前に発売された、

エマソンの全集の中から、特に誉れ高い名エッセイ「自己信頼」の章だけを

抜粋して一冊に書籍化にされたもの。

●非常に薄く、一気に読破できるものだと高をくくっていたが、

その文章は、ある種の散文詩を読んでいるかのようで、

思いつくままの抽象的、意味深な言葉が、

ほぼ論理性を欠きながら、最後まで続いていく。

●つまり、この本は、何かハッキリした方法論とかメソッドを伝授してくれるタイプの本ではなくて、

著者の思索の日々の中で湧き出てきた思い、メッセージを

示唆的かつ鼓舞的な言葉にして一冊にまとめたような詩集的自己啓発本なのだ。

一読しただけでは何が何だかさっぱりわからないが、

何度も再読するうちに、

やっと意味がわかってくるみたいなジワジワするような効果がある。

手っ取り早い即効性を求める読者には不向きだが、

一筋縄ではいかない難解な自己啓発本から何かインスピレーションを求めたい人に

は向いているかと思う。

今書いてて気づいたが、ジェームズ・アレンの、ある種の抽象的な本と

テイストは似ているので、その源流、親元とも言える本書を

読むことは無駄なことではないはず。

ただ、上記に記したように、相当の難物なので、心して手に取ってほしい。

 

 【マストポイント】

@「世間に迎合していては、

どんな行動も説明できない。

自分の道を行くのだ。

そうすれば過去の行為が、いまの自分を正当化してくれる。

こうなりたいと思う自分にいま、なるのだ。

いま行動せよ。

どんなときも人目を気にしないように努めれば、

常にそうできるようになる」

A「自分の仕事にまごころをこめ、

最善を尽くすなら、心は安らぎ、晴れやかになるが、

そうでない言行からは心の平安は得られない。

才能にも見捨てられ、創造も希望も生まれないだろう」

B「ひとりの人間は、ひとつの町より優れた存在であるはずだ。

他人には何も求めるな。そうすれば万物流転の世にあっても、

あなたは唯一不動の柱として、

周囲のものすべてを支えるようになるだろう」

(以上本文より。一部改変)


【著者紹介】

ラルフ・ウォルドー・エマソン(1803-82)
アメリカの思想家、詩人。ボストン生まれ。18歳でハーバード大学卒業後、21歳まで教鞭を執る。その後、牧師となるが、教会制度をめぐって教会と衝突し辞職。1834年からニューハンプシャー州のコンコードに住み執筆や講演活動を展開、「コンコードの哲人」と呼ばれた。常に自分の内面に目を向け、自由と真理に生きることを求め、黒人奴隷制度に対しては反対の立場を貫いた。プラトン、カント、東洋の哲学などを吸収した独自の思想は、『ウォールデン(森の生活)』を著したH・D・ソローやニーチェ、日本では宮沢賢治や北村透谷、福沢諭吉など古今東西の思想家や詩人、文学者に影響を与えた。彼の残した多くの名言は、今も世界の成功哲学および自己啓発書で度々引用されている。「自己信頼」が収められた論文集『エッセイ 第一集』は1841年に刊行。

ラベル:エマソン

2011年06月18日

必読本 第987冊目 村上春樹 雑文集

必読本 第987冊目

4103534273.jpg  

村上春樹 雑文集

村上春樹(著)

¥ 1,470

新潮社

単行本: 435ページ

2011年1月31日 初版


●インタビュー、受賞の挨拶、海外版への序文、

音楽論、書評、人物論、結婚式の祝電――。

初収録エッセイから未発表超短編小説まで満載の、著者初の「雑文集」!

●日本を代表する超人気作家の村上春樹さんには、

最近、本職の小説以外の、各所で発した文章やメッセージが

一冊にまとめられた余業的な本が立て続けに出版されている。

以前ご紹介したインタビュー集(必読本 第954冊目参照)もそうだし、本書もそうである。

各種媒体で述べた序文、解説文、軽い筆致のエッセイや、

授賞式でのコメント、日本語訳されていない海外で発表した文章、

幻の未発表手記などが一冊にまとめられた本。

●「雑文集」と、自嘲的というか、ぶっきらぼうなタイトルが

つけられているが、希代の人気作家で、美文家としても

定評のある村上さんだけのことはあり、

手を抜いたような低級な内容の文章はなく、

実に淀みなく読み進めることができる流麗な名文ばかり。

扱われているトピックも興味深いものが少なくない。

たっぷり400ページを超える分量だが、 時間を忘れて没頭できる。

●構成的には、翻訳、音楽、インタビューや挨拶、

序文や解説文、知り合いなどの人物批評、

ボツになったおふざけ気味の小品

(村上氏の作品に批判的なことで有名な、

文芸評論家の柄谷行人をパロった短編は、特に爆笑必至)など、

内容ごとに章が分けられている。

LPレコード、音楽機材などに対する深い愛情、

オウム真理教関係の作品を出した時の内幕を述べた話、

好きな外国人作家への思いを述べた話などが個人的に特に面白く読めました。

●大ベストセラーの「ノルウェイの森」は、ビートルズの曲名から

取られたことは余りにも有名なことですが、

果たして「ノルウェイの森」という訳名は正しいのか?とか、

デビューの時、好きな作家の登場人物になぞらえて、

「村上リュウ」というペンネームにしようと思ったが、

既に村上龍氏がいたので、泣く泣く本名で作家活動をすることになったとか、

ヤクルト・スワローズの初日本一の際に出会った外国人選手との心温まる交流とか、

ジャズ・バーを経営した時のちょっとホロっとくる、黒人と日本人女性と、

ビリー・ホリディの曲にまつわる思い出話とか、

バッハの曲をピアノで弾いて体のバランスを矯正するとか、

初めて聞くような珍エピソードも満載。

「村上春樹」という作家、人物を理解する上で、

非常に多種多様な文章が収められていて、読み応えがあります。

●カバー装画や本文イラストを共同で担当された、古くからの仕事仲間にして盟友の、

和田誠、安西水丸両氏の対談風巻末解説も、

実際の交流がある両氏だけしか知りえない

村上さんのプライベートの姿が活写されていて、非常に楽しく読めます

(実は村上さんは絵画にも才能があり、抽象画も一見の価値があるとか。

3氏の共通の仕事場である東京青山周辺をブラブラしていると、

バッタリ村上さんと会えるのではと、ひそかに期待してしまう)。

●村上さんは、公の場に出ないちょっと変人なことでも有名ですが、

しかし本書を通読すれば、実は、ひたすら自分の本分である作家業だけに、

忠実に誠実に取り組んでいるからであるということがわかったり、

金銭や名声ではなく、読者を一番大切に思い、

その人々の期待に応えられるような

良質な作品を生み続けることだけに心を砕いているということがわかり、

今までの隠遁者的なマイナスイメージが覆ることは確実です。

ファンもアンチの方も楽しく読める本です。

 【マストポイント】

@「ひとつだけメッセージを言わせて下さい。

個人的なメッセージです。これは私が小説を書くときに、

常に頭の中に留めていることです。

紙に書いて貼ってあるわけではありません。

しかし頭の壁にそれは刻み込まれています。こういうことです。

もしここの硬い大きな壁があり、そこにぶつかって割れる卵があったとしたら、

私は常に卵の側に立ちます。

そう、どれほど壁が正しく、卵が間違っていたとしても、

それでもなお私は卵の側に立ちます。

正しい正しくないは、ほかの誰かが決定することです。

あるいは時間や歴史が決定することです。

もし小説家がいかなる理由であれ、壁の側に立って作品を書いたとしたら、

いったいその作家にどれほどの値打ちがあるでしょう?」

A「ミステリ小説であれば、最後に犯人の解明が必要になります。

昔話ではおしまいに「めでたしめでたし」がなくてはなりません。

小話であれば最後におちが必要になります。

宝くじでは当選番号の発表が必要です。

競馬では順位が大きな意味を持ちます。

しかし僕が書く小説は、ありがたいことに、

そのような最終的な明白な結論を必要としていません。

必要がないものを無理に書く必要はない、ということです。

僕は明白な結末というのが好きではないのです。

日常生活のほとんどの局面において、そんなものは存在しないわけですから」

B「かおりさん、ご結婚おめでとうございます。

僕もいちどしか結婚したことがないので、くわしいことはよくわかりませんが、

結婚というのは、いいときはとてもいいものです。

あまりよくないときには、僕はいつもなにかべつのことを考えるようにしています。

でもいいときには、とてもいいものです。

いいときがたくさんあることをお祈りしています。お幸せに」

(安西水丸さんの娘の結婚式での祝電)

(以上本文より。一部改変)


【著者紹介】

村上春樹

1949年1月12日、京都府京都市生まれの兵庫県芦屋市育ち。住職の息子で国語教師でもある父と、大阪の商人の娘である母の間に生まれる。兵庫県立神戸高等学校卒業。早稲田一文に入学。その後演劇映像専修へ進む。大学在学中に陽子夫人と結婚結婚後、国分寺市に転居し、大学に在学しながらジャズ喫茶を開業する。大学を7年かけて卒業後,閉店後の店で小説を書き、1979年『風の唄を聴け』で群像新人文学賞を受賞しデビュー。1981年には作家専業で生きていく決意を固め、ジャズ喫茶を廃業した。全共闘世代、団塊の世代を代表する作家であるが、政治活動にかかわることを避け、全共闘運動からは遠く距離を置いている様子が、作品の端々からうかがわれる。1987年『ノルウェイの森』が、空前の大ベストセラーとなり、一般的にも認知される。その後、出せば必ず売れる作家の1人に数えられるようになった。作品は韓国、米国、台湾などでも絶大な人気があり、1980年代以降の日本文学、現代文学を代表する最も評価の高い文学者の1人である。

広告


この広告は60日以上更新がないブログに表示がされております。

以下のいずれかの方法で非表示にすることが可能です。

・記事の投稿、編集をおこなう
・マイブログの【設定】 > 【広告設定】 より、「60日間更新が無い場合」 の 「広告を表示しない」にチェックを入れて保存する。


×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。