2011年10月15日

必読本 第1004冊目 ちいさなあなたへ (主婦の友はじめてブックシリーズ)

必読本 第1004冊目

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ちいさなあなたへ (主婦の友はじめてブックシリーズ)

アリスン・マギー(作)、ピーター・レイノルズ(絵)、なかがわ ちひろ(訳)

主婦の友社

¥1,050 

単行本(ハードカバー): 40ページ

2008年4月10日 新版

●母でいることの幸福、喜び、不安、痛み、そして子どもへの思い―

母であることのすべてがつまった絵本。

●今日午前中に、地元椎名町の、いつも行っている1000円カットのお店で、

頭を丸刈りにしようと思って入店したのです。

そしたら、店内で、これ以上ないという悲鳴を上げながら

泣き叫ぶ幼児の女の子がいきなり目に飛び込んできました。

どうやら、床屋さんで髪を切ってもらうことに慣れていないのか、

前髪を切られるたびに、張り裂けんばかりの声で泣きわめくのです。

鋭利なハサミが眼前にあるのが怖いのでしょう。

●年の頃は1歳から2歳ぐらいでしょうか。

とてもかわいらしい顔をしたその女の子は、

私と目が合うたびに、「このおじさん、私がこんなに怖い思いしているのに、

何をニヤニヤ見ているの」と言いたげな視線を送りながら、

一瞬だけ泣け止むのですが、すぐに又大絶叫。

激しく暴れるその女の子が動かないように体をじっと抑えている、

小学校低学年と思しきお姉ちゃんと、お母さん。

あんなに泣き叫んでいたのに、

カットがすべて終わり、ベビーカーに乗って店を後にする時には、

何事ともなかったかのように、平然とした表情に戻っておりました。

その光景は、何とも微笑ましいものでした。

●そういう出来事に遭遇したから紹介するわけではございませんが、

今回は、久しぶりに母と子の絆を表現した、感動の絵本をご紹介したいと思います。

本書は、2007年に本国アメリカで発売されるやいなや、

あの『ハリー・ポッター』を抑えるほどの勢いで発売一位に躍り出たという

大ベストセラーになった絵本とのことです。

●未読の方が読む楽しみがなくなってしまうので、

ストーリーは詳述しませんが、

生まれきたばかりの赤ちゃん(女児)を愛しく思い、

その子に待ちうける山あり谷ありの人生に思いを馳せる母親の気持ちを

素直に描いた内容です。

イラストも何とも可愛らしく、ストーリーの世界観を如実に表現しております。

●アマゾンの書評では、涙が止まらなかった・・・というような内容が

大変多いようですが、

生まれたばかりの赤ちゃんをお持ちの新米ママさんだったら、

誰もが痛いぐらいに心を打たれるのではないでしょうか。

出産祝いのプレゼントとして差し上げるのにも最適な一冊です。

まだお子さんをお持ちでない独身女性ならば、

早く結婚して、子供を産みたいという気にも間違いなくさせられます。

著者には、他にも評判の良い作品があるようですので、

入手でき次第ご紹介したいと思います。

 

※今回の【マストポイント】は絵本のため、割愛いたします。 

 

 【著者略歴】

アリスン・マギー
児童書作家。“Rainlight”でミネソタ・ブック・アワード受賞、“Shadow Baby”でピューリッツアー賞にノミネートされるなど、高い評価をえた作品を発表しつづけている。メトロポリタン州立大学で創作を教えている。ミネソタ州在住。

ピーター・レイノルズ
絵本作家、イラストレーター。『てん』(あすなろ書房)イラストを担当した『ジュディ・モード』シリーズ(小峰書店)など、作品は多数。米国マサチューセッツ州在住。

なかがわ ちひろ
創作絵本や海外絵本の翻訳など、児童書のさまざまな分野で活躍。



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2011年07月13日

必読本 第995冊目 はじめての世界一周 (PHPビジュアル実用BOOKS)

必読本 第995冊目

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はじめての世界一周 (PHPビジュアル実用BOOKS)

吉田友和(著) 松岡絵里(著)

¥1,575

PHP研究所

単行本: 191ページ

2011年1月5日 初版



●究極の海外旅行「世界一周」の実現法を公開! 

各国のおすすめスポットや目的別モデルコースなど美しい写真と共に紹介します。

●夏休みが近い方も多いことでしょう。

今回は、本ブログの主旨とはやや離れますが、

最近読んでちょっと面白いと思った旅行ガイドブックです。

今年春から、総合旅行管理者の資格試験を勉強する機会が

ございまして、毎日のように、海外旅行の実務や地理などを

勉強していましたら、急速に海外に行きたい!という

欲望を刺激されたこともあり、今回は本書の紹介ということとなりました。

●著者2人は、社内恋愛の末結ばれた新婚夫婦。

大胆にも、ハネムーンを世界一周にしようと決め見事実現。

その後も、毎年のように様々な国を巡り歩き、

挙句の果てには、夫婦共に旅行専門のライターになる。

本書は、そんな旅慣れた2人による、

現実に世界一周旅行を実現するためのガイドブックです。

●前半部分では、著者たちが実際に敢行した、

長・短2回の世界一周旅行の経験をベースに、

世界一周旅行をする上で必ずおさえておくべき、

基本情報を丁寧に解説してくれる。

●持っていくべき荷物や、不在している間の日本の生活を

どうするか、費用はいくらかかるのか、

どのようなルートで世界一周を行うことができるのかなど、

知りたい情報は過不足なく掲載されている。

個人的には、荷物として非常に重くなってしまい、

誰でも頭を悩ます「地球の歩き方」などの書籍類を、

ipadなどに電子書籍化して取り組む方法が役に立った。

世界一周航空券の存在を知らない方も多いでしょうが、

それを専門に扱う旅行者社長のインタビューも掲載されております。

「餅は餅屋」といいますが、

専門業者のアドバイスはやはり実践的で、有用なものが多いです。

●途方もない時間と費用を要するとイメージしがちな

世界一周旅行であるが、やり方次第では、

短期間での実行も可能、なおかつとてもリーズナブルに

コストを抑えることができるなど、

自分もやってみたいという欲求を喚起されるはずである

(世界旅行の一か月平均の生活費が、意外なことに10万円そこそこで済ませることができ、

東京で生活しているよりも断然費用がかからないなど)。

●後半部分は、著者たちが実際に足を運んだ世界50カ国以上の

国々の見所スポットや面白い体験をつづった旅行記。

カラフルな写真を数多く掲載し、

有名観光スポット、国情、グルメ、出会った人々との

思い出話などが、エッセイ風に述べられている。

とにかく読んでいて心躍る部分で、早く自分も行きたい!と旅行意欲を喚起させられる。

●面白かったのは、著者たちが独断で選んだ何でもランキング。

食い物が美味しくて、環境がよく、

友好的な人々が多いバンコクが、住みたい場所として両人が上位に挙げている、

ポーランドが世界屈指の美形の人々が多い国などなど、

現地を実際に生で見た人でなければ知りえない感想が

率直述べられていて、とても興味をそそられた。

世界遺産の人気スポットも沢山出てくるし、

実際に旅行する余裕がない人が読んでも、現地に行ったような気分になれるし、

旅行好きな人にはとてもおススメな一冊です。



※旅行ガイドブックのため、今回の【マストポイント】は割愛致します。




【著者紹介】

吉田 友和
旅行作家・編集者。1976年、千葉県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。世界一周新婚旅行をまとめた『世界一周デートトモ&エリの607日間ハネムーン』(TOKIMEKIパブリッシング)が話題に。その後、『してみたい!世界一周』(情報センター出版局)がベストセラーとなる。

松岡 絵里
ライター・編集者。1976年、京都府生まれ。早稲田大学社会科学部卒業。出版社で音楽雑誌の編集を担当後、夫・吉田友和と二人揃って607日に及ぶ世界一周新婚旅行へ。帰国後に夫との共著『してみたい!世界一周』(情報センター出版局)を出版。




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2011年03月07日

必読本 第963冊目 おおきな木

必読本 第963冊目

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おおきな木

シェル・シルヴァスタイン(著), 村上春樹(翻訳) 

あすなろ書房

1,260円

単行本: 60ページ

2010年9月2日 初版


●いつでもそこにあるりんごの木。成長し変わっていく少年。

それでも木は、少年に惜しみなく愛を与え続けた。

世界で読み継がれているロングセラー絵本を村上春樹が新訳。

●大人も子供も楽しめる名作絵本の新訳版。

昨年秋口に発売された。

希代の人気作家であり、翻訳家としても活躍する村上春樹さんが

本書の翻訳を担当されていることでも話題になる。

実は2007年に既に書評済みですが(必読本 第299冊目参照)、

その時に大変感銘を受けたことと、

最近村上氏の本を読んで、色々とインスパイアされることが多かったので

必読本 第954冊目参照)、今回あえて再びご紹介しておきたいと思います。

●村上さんのもとには、大人気作家のネームバリューを頼りたいということもあるだろうが、

色々な出版社から、日本人にもなじみ深い英語圏の古典的名作や、

翻訳上色々と難がある部分を修正した本の新訳などの依頼が

続々と舞い込んでいると想像されるが、

本書は、かつて本書の翻訳を担当された本田綿一郎さんがお亡くなりになり、

本書の翻訳版の発売が難しくなったため、村上さんのもとにオファーがあったのだという。

あとがき部分で、村上さんがそう述べているのだが、

私自身、翻訳者が亡くなると、その人が担当した書籍の発売が継続できなくなるというのは

意外であった。実際そうなのであろうか。

余談だが、ちょっとそれが心に引っかかった。

●まあ、そんなことは本書の素晴らしさとは無関係なことなので、

どうでもいいと言えばどうでもいいことだが、

未読の方は、画風も文章も非常にシンプルながらも、

様々な意味が込められた本書を一度手に取ってもらいたいと思う。

人それぞれ、様々な感想や考えを抱くはずだ

(ブログ筆者のように、物質主義的で、自己中心的な人に特におススメです)。

大変有名な本なので、旧版も新版も、たいていの図書館には所蔵されているはずなので、

2冊同時に借りて、翻訳を比較対照してみるのも面白いでしょう。

※ 【マストポイント】 は絵本のため、今回割愛致します。

【著者紹介】

 シェル・シルヴァスタイン
シカゴ生まれ。作家、イラストレーター、歌を作りギターも弾く。カウボーイ・ハットを愛し、いつもジーンズ姿でいる自由人。『歩道の終るところ』(講談社刊)など作品各種。

ラベル:村上春樹
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2011年01月28日

必読本 第950冊目 1084(to-san ya-yo)トーサンヤーヨ

必読本 第950冊目

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1084(to-san ya-yo)トーサンヤーヨ

ビートたけし(著)

¥ 1,500(税込)

ネコ・パブリッシング

単行本: 322ページ

2010年9月15日 初版


●「ファモーソ」副編集長所ジョージ大推薦!!現実と非現実の世界を行き来する、ふたりの漫才師の掛け合いに涙せよ。

元祖毒舌漫才・ツービートのネタを、ありのままのカタチで収録。

●伝説のツービートのネタをそっくりそのまま収録した前作『漫才』の売上が

なぜか不振だったため、第2弾は、掟破りの秘策を採用。

村上春樹の、あの記録的大ベストセラーを完全にパクった

カバーデザインとタイトル。

作者まで、「村上春樹」の字体に似せた「材止泰衛」という謎の人物の設定。

書店で、村上氏本人の本だと、間違ってでも買ってもらいたいという、

あくどい魂胆が見え見えの超おバカな漫才本。

●本のサイズは、ちょうど「週刊ジャンプ」などの漫画誌と同じ。

紙質も似ていて、本文の字体も非常に大きいこともあり、

電車の中などでヒマな時間に読み飛ばすにはピッタリな本。

ただ、全編にわたって、放送禁止用語連発の、往年のたけしさんの

毒ガス攻撃が連発されており、笑いをこらえるのは困難です。

最近の芸能人の麻薬事件を茶化したネタを中心に、

腹の皮がよじれるぐらいに爆笑話が満載です。

人前では読まない方がよろしいでしょう。

ビートきよしさんの、変わらぬボケっぷり、絶妙な返しも、ファンにはたまりません。

●まあ、今回の本は、純粋に言えば、自己啓発書でも何でもないのですが、

たけしファン、ツービートファンはもとより、

最近何かイライラしがちな方、生活に笑いが少ない方、

スカッとストレス解消したい方に推薦したい本です。

前ページと最終ページには、超インチキくさい工作付録が2点もついており、

お得です

(女性の服の中でも何でも透視できるという「スケスケスコープ」と、

「3D名古屋城」です。どうせ誰も組み立てたりはしないでしょうが・・・笑)。

 

 ※【マストポイント】 は今回割愛致します。


【著者紹介】

ビートたけし
1947年東京生まれ。お笑いタレント、映画監督、俳優、東京藝術大学大学院映像研究科教授。テレビ番組、CM等に出演する一方、89年の初監督作品「その男、凶暴につき」以降、映画監督として精力的に作品を生み出している。98年に「HANA‐BI」でヴェネチア国際映画祭金獅子賞、2003年「座頭市」でヴェネチア国際映画祭銀獅子賞など受賞歴多数。

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2009年02月08日

必読本 第851冊目 手塚治虫アートコレクション―手塚治虫の遺伝子 闇の中の光

必読本 第851冊目

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手塚治虫アートコレクション―手塚治虫の遺伝子 闇の中の光

講談社(著)

¥1,600(税込み)

講談社

単行本:109ページ

2008年10月21日 初版



●漫画界の巨匠、手塚治虫の作品に新たな命を吹き込むのは、各方面で活躍する新進気鋭のアーティストたち。

手塚作品にインスパイアされたエンライトメント、白根ゆたんぽ、KYOTARO、Imaitoonzら30組以上が参加。

アトムやレオ、そしてブラック・ジャックを個性的な感性で彩っていく。

本書ではアート展『手塚治虫の遺伝子 闇の中の光 展』にメイン展示として出品された、魅力的なカバーアートを多数掲載。

さらに作品のモチーフとなった原作を、秘蔵の原画とともに紹介する。

作品年譜などの資料も充実。

●アメリカ版の映画「鉄腕アトム」の上映が控えるなど、最近、手塚治虫ブームに沸いております。

先日、NHKスペシャルでも手塚さん関連の特集番組があり、興味深く拝見しました。

昨年、2008年(11月3日が手塚さんの誕生日)は、手塚さんの生誕80周年記念ということもあり、

各種のイベントや関連書籍の出版が続々とありましたが、

本書は、昨年10月にスタートしたアート展『手塚治虫の遺伝子 闇の中の光 展』に

メイン展示として出品された若手アーティストの作品群を一冊にまとめたもの。

その展覧会を直にご覧になった方はおわかりでしょうが、

手塚作品を、フォトショップなどの画像ソフトなどを使って、

大胆にデフォルメ、リメイクした作品が収録されている。

第1部にあたるこの部分に、本の前半50ページ分が充てられている。

●それに続く第2部は、「手塚治虫作品解説」と題して、

主要な作品のストーリー、登場人物、掲載誌、名場面などが

わかりやすく解説されている。

この部分は、手塚漫画初心者には大変使い勝手がよく、

極めてコンパクトに、手塚作品の全容を把握することができる。

全篇オールカラーだし、原画やウンチクの類も多く、非常に満足感が高い。

私は「ブラック・ジャック」だけは全巻揃えているが、

恥ずかしながら他の作品はまともに読んだことがなく、

これを機会に、手塚さんの代表作「火の鳥」「ブッダ」などを

読まなくてはならないと反省した次第であった。

●第3部は、「漫画の神様とその時代」と題し、

手塚さんの作品が発表された時代に、

どのような社会現象があったのかを対比的に解説してくれる年表である。

しかし、つくづく惜しまれるのは、

これほど膨大かつハイレベルな作品を生み出しながら、

満60歳という若さでお亡くなりになっている(胃がん)という事実である。

時間、数字に追われる生活をしている業種の方はガンになりやすいとは

小林正観さんの本にもあったことだが(例・金融、マスコミ、運輸など)、

やはり想像を絶するストレスを昼夜浴び続けると、

体の方が限界に達してしまうのだろう。

1989年に逝去されているが、あと20年、80歳ぐらいまでは

存命であってほしかった(つまり、本年2009年までということだが)。

●アトム、子供時代のレオ、メルモちゃん、ピノコ、リボンの騎士などを

一瞥すればわかる通り、

実に可愛らしくも、心優しきキャラクターが沢山出てくることもあり、

今こそ、子供の情操教育のために、手塚作品はもっと読まれてもいいかと思います。

又、社会が混沌としていることもあり、

「アドルフに告ぐ」「きりひと賛歌」「MW(ムウ)」「奇子(あやこ)」などという社会派漫画も、

厳しい時代を生き抜くためのテキストとして大変有用でしょう。


※今回の【マストポイント】は割愛させていただきます。





posted by miura at 19:35| 山形 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 絵本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年12月05日

必読本 第824冊目 Chinese Posters

必読本 第824冊目

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Chinese Posters

秋山 孝(編集)

¥ 1,890 (税込)

朝日新聞出版

単行本: 198ページ

2008年10月30日 初版


●誰もが思い浮かぶ毛沢東の肖像画など、

独自の様式美がある中国のイラストレーション・ポスターを

一挙に150点以上掲載。

建国時、文化大革命時など時代に即したポスターデザインからは、

激動の中国現代史が浮かび上がってくる。

●本来ならば、自己啓発本・成功法則本の範疇に入らない本だが、

中国関係の新刊で、私の興味に合致している本は、

図書館で見つけると、できるだけ読むようにしている。

本書は、中国の近現代史を、その時期に作られたポスターから

眺めようとというコンセプトの本である。

●中華人民共和国建国(1949年)から、文化大革命、改革開放、

そして今年起きた四川大地震、社会主義建設に貢献した著名人の肖像画まで、

その時期に作成されたポスターを掲載し、

中国の政治状況、国民の生活風景を分析、解説するという内容になっている。

著者は多摩美大の教授で、グラフィックデザイナー、イラストレーターの大家でもある。

実際に中国大陸に渡り、膨大な数のポスター、バッジ、人形などを

持ち帰り、この本を完成させた。

全ページカラー印刷なので、ポスターを見ているだけでもとにかく心躍る本である。

美術、広告、HP、外装などのデザイン関係の人が見れば、

何か発想のヒントが得られそうである。

●しかし、本文あとがきにもあるように、

「一枚の絵(写真)は千の言葉よりも多くを語る」。

ほぼ100%近い識字率を誇る我々日本人からは想像できないことだろうが、

建国当時(そして、おそらく、現在の貧困地域でも)は、

文字を読めない、本が読めない国民がたくさんいたそうで、

そういう無学な人民を効果的に洗脳、操作する上で、

これらの政治的メッセージを強く込めた

イラストレーションポスターが意図的に数多く作られた。

●毛沢東は、近年、次々に発売された暴露本によれば、

大国を支配した権力者とは思えないような、

女好き、不健康、精神異常性など、俗物丸出しの人間だったようだが、

国民は毎日目にする街角ポスターのスローガンや、

家々で張られている毛主席の、福々とした笑顔にコロっとだまされ、

神のごとく盲目的に信奉し、結局、内乱や極貧の生活まで強いられたのである。

現在の北朝鮮の現状を思っても、

為政者、マスコミ、インチキ企業が意識的に繰り出すこれらのキャンペーンには

重々注意しなければならないなと改めて痛感させられます

(選挙が近づき、街中のポスター、テレビCMなどで、

善良な政党であるかのごとく、党首が笑顔で盛んに登場しているが、

毎日のようにそれらを見続けていると、「刷り込み現象」が起きて、

自然自然と彼らの言うことを正しいものだと信じ始めてしまう。

実際は大悪党かもしれないのにもかかわらず、、

毎日のようにテレビ画面でホリ●モン、小泉●一郎を目にすれば、

もしかしたら、この人物の言うことは正しいのかもしれない、

「時代の革命児」なのかもしれないと知らず知らず思い込んでしまう。

毎日定刻で出てくるお天気お姉さんの天気予報を楽しみに見ていれば、

必要以上にその女性に思い入れを持ってしまう。

車のCMでも、他に多くの種類のボディカラーが用意されているにも

かかわらず、テレビCMでいつも目にしていたカラーの車が最もよく売れる。

選挙カーが、うるさいぐらいに候補者の名前を連呼するのは、

結局、有権者が投票所で投票される際に決め手となるのが、最も名前を何度も聞かされ、

脳裏に焼きついている候補者であるからである)。


※本日の【マストポイント】はポスター関係の本なので割愛いたします。


【著者略歴】

秋山 孝
1952年新潟県長岡市生まれ。多摩美術大学卒業。東京芸術大学大学院修了。多摩美術大学教授。受賞=自然保護ポスター「WILD LIFE‐HELP」でワルシャワ国際ポスタービエンナーレ・金賞、インド核実験反対のポスターで国連賞、イタリア・コーニユ国際自然映画祭ポスター指名コンペ1席、自然保護ポスター「WILD LIFE‐HELP」でブルーノ国際グラフィックデザインビエンナーレ・アルティア賞、湾岸戦争反対ポスターeace」でメキシコ国際ポスタービエンナーレ・栄誉賞、エイズキャンペーン3点シリーズ「Man」「Lady」「Venus」でN.Y.ADC国際展・銅賞、地震をテーマとした「Tokyo Image Panic 1995 Earthquake」でN.Y.フェスティバル・銀賞、写楽生誕200周年記念ポスターで銅賞、環境保護をテーマとしたポスターでヘルシンキ国際ポスタービエンナーレ’97・栄誉賞、他多数。フィンランド、メキシコ、イタリア、ウクライナ、中国で国際ポスター展国際審査員として招聘される。1999年「秋山孝長岡コレクション」が設立される。多摩美術大学美術館と光州デザインビエンナーレ2007(韓国)において「東方のイラストレーションポスター展 中国・韓国・日本」展を企画。



ラベル:秋山孝
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2008年12月02日

必読本 第822冊目 スヌーピーたちの人生案内〈2〉

必読本 第822冊目

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スヌーピーたちの人生案内〈2〉

チャールズ・M. シュルツ(著),谷川 俊太郎(翻訳)

¥ 1,470 (税込)

主婦の友社

単行本: 126ページ

2008年11月10日 初版

 

●漫画「ピーナッツ」に登場するチャーリー・ブラウン、スヌーピー、ウッドストックたちが、

人生や生き方に悩む多くの人に贈る、ユーモアあふれる人生案内第2弾。

谷川俊太郎の名訳も心にしみる一冊。

●この本の第1弾が、ちょっと前のアマゾン売上げランキング上位にあったので、

何となくずっと興味を持っていた本。

あいにく、第1弾の方はまだ読んでいないのだが、

偶然、本書2弾の方が、誰にも借りられずに図書館の新刊コーナーに

置かれていたので、こちらの方から先に読んでみることにしました。

スヌーピー、チャーリー・ブラウンでおなじみ、

全世界的で大人気の漫画「ピーナッツ」の中から、

人生に役立つ警句や格言を抜き出して一冊にまとめた本です。

●本のタイトルだけではわかりづらいのですが、

いわゆる「名言集」に部類されるタイプの本です。

「人生」「教訓」「幸福」「人間関係」「愛」などという

章に分けられ、見開き2ページでひとつの名言を掲載するという

構成になっております。

絵本と名言集がミックスされたような本をイメージするとよいでしょう。

「ピーナッツ」中の一場面とともに(カラーではなく白黒)、

原文である英文も日本語訳の前にきっちりと掲載されている(下記参照)ので、

英語学習用としても使えます。

●翻訳と前書き解説は、日本を代表する詩人でもある

谷川俊太郎さんが担当されておりますが、

本書を一通り読みますと、

我々人間というものは、自分では長いと思っていても、

実際には短い人生をどうでもよいようなことで一喜一憂し、

何となくボンヤリとしながら生きているのだなぁ、

本当に大事なことだけに集中特化し、

細かいことはバッサリと切り捨てて、気楽に生きたいものだ、という気持ちにさせられます。

小さなことでクヨクヨ、イライラし、

自分を見失いそうになる時などに読むのに最適な本です。

平易な内容で、時間を要せず読破できる分量なので、

中学生ぐらいから余裕で読めます。

 

【マストポイント】

@「OUR GOAL IN LIFE SHOULD BE TO BECOME MATURE IN ALL THINGS.

(人生のゴールは何ごとについても大人になることさ…)ライナス」

A「A PERSON JUST HAS TO LEARN TO DEVELOP SELF−CONTROL...

(人間は自分をおさえることを学ばなくちゃ…)ライナス」

B「WHO KNOWS? WE LIVE IN A STRANG WORLD,DON'T WE?

(分かるはずないでしょ?訳分かんない世界に生きてるんだものね?)ルーシー」

C「ANYONE WHO THINKS NEXT YEAR IS GOING TO BE BETTER

THAN THIS YEAR IS CRAZY!

(来年が今年よりよくなるなんて考えてる人はみんなどうかしてるわ!)ルーシー」

D「FINE WORDS BUTTER NO PARSNIPS.

(口先ばかりの優しい言葉は何の役にも立たない)スヌーピー」

E「IF I DON'T LOVE YOU NOW,

HOW CAN I LOVE YOU WHEN YOU'RE OLD AND GRAY?

(もし今愛していないなら、年とって白髪になったきみを

愛せるはずないだろ?)シュローダー」

(本文より抜粋。今回は特別に6個掲載します。)


【著者略歴】

チャールズ・M・シュルツ
1922年ミネソタ州ミネアポリス生まれ。1947年セントポール・パイオニア・プレス紙に連載された「チビッコたち(リトル・フォークス)」という作品で漫画家デビュー。その後も、メジャーデビューを夢見て、シュルツ氏はあらゆる雑誌社に自分の作品を送り続け、そのうちのひとつが、1950年、ユナイテッド・フィーチャー・シンジケートのジム・フリーマン編集長の目にとまり、これが1950年10月2日の「ピーナッツ」の連載開始のきっかけとなる。エミー賞やピーボディ賞など数多く受賞。なかでも漫画界で最も栄誉あるリューベン賞を2回受賞し、漫画家の殿堂入りも果たしている。2000年2月12日に、カリフォルニア州サンタローザの自宅で永眠。アメリカ文化への貢献を称え、没後、米国は民間人として最高の栄誉であるコングレッショナル・ゴールド・メダル(議会金章)が授与された。

谷川 俊太郎
1931年12月15日生まれ、詩人、絵本作家、脚本家として幅広い分野で活躍。21歳のときに処女詩集『二十億光年の孤独』刊行。また翻訳家としても知られ、その代表的な作品のひとつであるチャールズ・シュルツ作の漫画「ピーナッツ」の翻訳は、1967年からスタートし40年に及ぶライフワークとなっている。

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2008年11月15日

必読本 第811冊目 みんなほんもの (絆シリーズ)

必読本 第811冊目

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みんなほんもの (絆シリーズ)

相田 みつを(著), いわさき ちひろ(著)

¥ 1,260 (税込)

ダイヤモンド社

単行本: 33ページ

2008年8月28日 初版


●土曜日は、どうしても、

ウィークデー5日分の忙しさ、疲れがドッと押し寄せて、

昼ぐらいまで寝床から起き上がることができない。

よって、読書も、活字ビッシリの重い本よりも、

軽いテイストの詩集、絵本、写真集、タレント本などになってしまうことが多い。

今回の本は、改めて説明不要の、

詩人相田みつをさんと画家いわさきちひろさんの合作本をご紹介いたします。

●私自身も初めて知ったのだが、

本書は、ビジネス書を多く扱うダイヤモンド社が、

親子間の凶悪事件の多さなどを憂い、

命、教育、心の大切さを訴えるという目的で設立した

「絆シリーズ」の第2弾であるとのことである。

著名な作家同士をコラボさせて、一冊に仕立て上げるというところが

売りのシリーズらしい。

●内容的には、いわさきさんのかわいい子供の絵のとなりに、

相田さんの詩と書を添えるという構成になっている。

巻頭には、いわさきさんのご子息の、

巻末には、相田さんのご子息の(共に、親の作品を所蔵した美術館館長)

親を偲ぶ思い出話が掲載されている。

全編カラーで、親子ともども読めるコンパクトなサイズはいいのだが、

33ページとちょっと分量が物足りない。

この倍は欲しかった。

●子供を育てたこともない独身の私が、

こんな偉そうなことを言える立場でもないのですが、

幼いお子さんをお持ちのお母様方は、どうしても、

人には言うに言われぬ苦労や悩みを抱えて、

日々イライラ、クヨクヨとストレスをためがちになります。

車の運転をしていても、スーパーに買い物に行っても、

何でこんな小さなことでプンプン怒っているのか、

急いだって事故を起こしたり、ガソリンを無駄に消費するだけなのに、

なぜこんなにセカセカセカセカと車を飛ばさなくてはならないのか、

親バカ丸出しで、学校や塾やスポーツクラブなどに、

取るに足らないことでクレームをつけなくてはならないのか、

と疑問に思わざるを得ない女性を頻繁に目にします。

●そんな時には、長い人生を生きる上で本当に大切なこととは何か、

命や人生とはどんなに大事なものなのかを思い知らせてくれる、

本書のような絵本を手にすると良いでしょう。

短気は損気、慌てる乞食は貰いが少ない、

寒い冬には、ゆっくり深呼吸して、こういう、魂を浄化して、

心が温かくなる絵本を読むのが一番ですね

ちなみに、生前、お二人の交流はなかったそうです)

 

【マストポイント】

@「アノネ親は子供を

みているつもりだけれど

子供はその親をみているんだな


親よりもきれいなよごれない眼でね」

A「父となる 用意もなくて 子を作り

かえりみれば もう一年が過ぐ」

B「隣りの子と 口げんかして 負けそうな子を

窓越しに 吾れは見ている」

(以上本文より。相田みつをさんの言葉)

 

【著者略歴】

相田 みつを
1924年(大正13年)、栃木県足利市生まれ。書家・詩人。旧制栃木県立足利中学校卒業。旧制中学の頃から短歌、禅に出会い、独特の世界観を書として表現する。昭和59年、『にんげんだもの』出版を機に、多くの日本人の心をとらえ、根強いファン層を拡げた。平成3年12月、六十七歳で逝去。8年、東京銀座に相田みつを美術館開館。15年11月、東京国際フォーラムに移転。

いわさきちひろ

画家。1918年(大正7)福井県武生市に生まれ、翌年、東京に移る。本名松本知弘。「いわさきちひろ」は旧姓をそのまま使ったもので、ひらがなの表記を好んだ。3人姉妹の長女。東京府立第六高女卒。戦後46年(昭和21)日本共産党に入党。50年(昭和25)松本善明(弁護士、日本共産党幹部会委員、衆議院議員)と結婚。童画の世界で多くの作品を生み、人々に深い感銘をのこしてきた。74年(昭和49)原発性肝ガンのため死去。享年55歳。



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2008年07月15日

必読本 第727冊目 ここだけは行ってみたい絵画のある景色 完全保存版―世界名景紀行 世界の名景・絶景55

必読本 第727冊目

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ここだけは行ってみたい絵画のある景色 完全保存版

―世界名景紀行 世界の名景・絶景55

¥ 1,890 (税込)

ピエ・ブックス

大型本: 87ページ

2008年5月12日 初版

 

●いつかは行ってみたい、画家たちが魅せられた街や自然。

光あふれるモネの庭、ゴッホの南仏、印象派ゆかりの山や水辺。

この本を開くときからその場所への旅は始まる。

●世界遺産好きなので、

その方面のガイドブックや写真集を

頻繁にここではご紹介しておりますが、

今回の本は、歴史に名を残す大画家たちが、

作品の舞台とした場所全55ヶ所を

一冊にまとめた写真集です。

●ページの構成は、

上部に大写しで絶景写真を載せ、

下部にその地図、アクセス方法と簡単な説明文と、

その地を描いた絵画の写真を

小さく掲載するという作りになっております。

ごく一部、アメリカ大陸のものもありますが、

ほとんど大部分をヨーロッパの地が占めます。

●モネの「睡蓮の池」、ムンクの「叫び」、

ダリの「記憶の固執」、ゴッホの「花瓶の12輪の向日葵」など、

誰もが一度は見たことがある名画が舞台になった地も

しっかりと収録されております。

絵画自体は何度も目にしていても、

その舞台になった地までを実際に見るという機会は

なかなかないでしょうから、ありそうでなかった好企画だと言えますね。

●本書は、テーマを変えてシリーズ化されているようです。

私のように、なかなか海外旅行する余裕がない方には、

極めておすすめの写真集です。

他にも、魅力的なものがありますので、

機会があればまたご紹介したいと思います。


※今回の【マストポイント】は、写真集なので割愛します。



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2008年07月13日

必読本 第725冊目 ほほえみ地蔵 春

必読本 第725冊目

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ほほえみ地蔵 春

小林 良正(著)

¥ 1,000 (税込)

リベロ

単行本;ページ記載なし

2002年4月1日 初版

 

●本日は、あまり時間がないので、

サーっといかせていただきます。

お地蔵さんのかわいいイラストに、

一言言葉を添えた、ハンディな画集です。

図書館をあてもなくブラブラと歩いている時に

偶然見つけました。

●名前の下に、「尼」とついているので、

著者は、女性の僧侶なのでしょう。

画風的にも、心にしみる言葉

(例・「何かが起こったら 原因は 自分にあるよ 

おこらないこと」)を一言添えているという意味でも、

以前好んでこちらのブログで

紹介した、殿村進さんの本(こちらから)の感じに近いですね。

●税込み1,000円という廉価もうれしいです。

小さなお子さんの絵本、ご年配の方への

ちょっとしたプレゼントとしても喜ばれる、

ホンワカとした気分になれる本です。


※本日の【マストポイント】は絵本なので、割愛します。

 

【著者略歴】

小林 良正
1950年愛知県名古屋市に生まる。1972年愛知学院大学商学部卒業。結婚。二児をもうける。1986年仏教大学文学部仏教学科編入。1988年三十八歳にて浄土宗で得度。1988年同大学卒業。1990年嵯峨清涼寺にて水谷幸正上人の導きで剃髪。1991年良正庵を結ぶ。現在、「お母さん尼僧の辻説法」講演活動で活躍の一方、全国念仏行脚を実施中。



ラベル:殿村進 小林良正
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2008年06月21日

必読本 第704冊目 無敵の北京―イラストレイテッド

必読本 第704冊目

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無敵の北京―イラストレイテッド

まのとのま(著)

¥ 1,764 (税込)

アスペクト

単行本: 127ページ

2008年4月1日 初版

 

●ゆるキャラお菓子、猫バカカフェ、謎の施設・北京地下城、

人っ子ひとりいない世界遺産…。

定番観光では見られない怪しくディープな北京を紹介。

●本年8月8日開幕の北京オリンピックまで

残り2ヶ月を切りました。

野球代表も最終候補選手39人に絞られましたし、

水着着用問題も一応決着し、

選手の皆さんは最終調整段階に入る時期になりましたね。

この夏、現地まで応援に行かれる方も多いことかと思います。

●私は、かつて数年間在住したことのある、

「第二の故郷」とも言える思い入れの強い場所ゆえ、

是非とも北京オリンピック応援には行きたかったのですが、

諸事情でこの夏は行くことが叶いません。

とても残念ですが、

オリンピック開催期間中は、猛暑の真っ只中で

(時に、日本の暑さを超えることもある)、

なおかつ北京市内は、どこもかしこも

芋の子を洗うような大混雑が予想されますので、

日本でテレビ観戦する方が、ある意味賢明かもしれませんね

(ちょっと負け惜しみっぽいですが・・・)。

●本書は、そんな北京でオリンピック観戦する予定が

ある方にも、ない方にも非常におすすめの現地ガイドブックです。

タイトルにあるように、

すべてイラストと手書きの文章で構成された、

絵本、マンガ的色彩の強い、一風変わったガイドブックです。

●回文のような変な著者名は、

真野(まの)さんと乃間(のま)さんというイラストレーター2人のコンビ名。

(「藤子不二雄」みたいな感じですね)。

両者とも日本の有名美大卒業後、

それぞれ、サンリオ、ディズニーでデザイナー、イラストレーターを

経験されていたこともあって、

人物の表情には万人に受け入れられるようなカワイらしさがあるとともに、

風景、事物などの描き方にはプロらしい写実的な巧さを感じさせる。

●内容的には、「食」(食事)、「探」(観光)、

「楽」(ちょっと変わったグッズ、穴場スポット紹介など)、

「美」(美容と健康)と4部構成になっている。

一読してわかるのだが、

よくぞこれほどまでのイラストを描き切ったものだと

感心せずにはいられないほど、

圧倒的な数のイラストがギュウギュウ詰めで描かれている

(第1章の、著者たちの食べっぷりのよさと

メニューの紹介数の多さは、特に圧巻)。

おそらく、現地で写真を撮りまくり、

帰国後、その写真を見ながら

丹念にイラストに描いていったのであろうが、

本作完成までの時間と労力には、文句なく拍手を贈らざるを得ない。

本の価格がちょっと高いかなと読む前に感じたが、

その価値は間違いなくある。

●また、地図や本文も手書きなのに、

非常に細かい部分まで丁寧に書かれているのも高ポイント。

食事の詳細な解説(中国語にそれなりに精通している人でも、

漢字だけの中国のレストランのメニューには戸惑うことが多い)

お土産品の紹介、日本から携行していくと便利なグッズ、

交通事情、ホテルガイド、簡単な日常会話、中国の国情報

など、最低限必要な旅行知識に関しても、

満遍なく扱われております。

これ1冊だけを片手に北京に旅行に行ったとしても、

それほど困る事態にはならないと思います。

●コーディネーターとして、著者たちと知り合いの

出版社勤務経験のある、

現地在住日本人留学生が担当していることもあり、

『地球の歩き方』などの定番的ガイドブックなどには

掲載されていないような穴場紹介、裏情報が

たくさん出てくることも見逃せない。

万里の長城、故宮、天壇公園など、

北京のメジャーな観光地は一応制覇したが、

意外に知られていないレアな場所を訪れてみたいと

お考えの中国マニア、現地在住者にもおすすめできる。

●大変好評なのか、

同出版社からはこのガイドブックは、

シリーズ化されているようである。

ありきたりなガイドブックに飽きた方などは、

遊び心満載で非常に満足度の高い内容です。

現地に行く予定のない方が読んでも、十分堪能できます。


※今回は、旅行ガイドブックゆえ、

【マストポイント】は割愛させていただきます。 

【著者略歴】

真野 匡(まのきょう)
5月26日東京都生まれ。(株)サンリオのプランナーを経てフリーのイラストレーターになる。『ワールドサッカーマガジン』ほか、各誌にてイラストを執筆中。

乃間 修(のまおさむ)
武蔵野美術大学卒業。ウォルトディズニー・エンタープライズのデザイナーを経て、フリーのイラストレーターになる。学習雑誌等にイラストを執筆中。『ごはん男とパン女』(矢島さら著・パルコ出版刊)にイラストを執筆。

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2008年05月26日

必読本 第682冊目 関口知宏の中国鉄道大紀行 4―最長片道ルート36、000kmをゆく (4)

必読本 第682冊目

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関口知宏の中国鉄道大紀行 4

―最長片道ルート36、000kmをゆく (4)

関口 知宏(著)

¥ 1,365 (税込)

徳間書店

単行本: 112ページ

2008年2月29日 初版

 

●瀋陽から長春、ハルピンなどの東北地方を経て、

敦煌、そして終着駅カシュガルへ。

NHKで放送された「関口知宏の中国鉄道大紀行」を単行本化。

4では秋の旅の後半(瀋陽〜カシュガル)を絵日記と写真で綴る。

●中国鉄道大紀行の秋の旅の「後編」。

前回第3作目(必読本第676冊目参照)ラスト地点の瀋陽を出発し、

旅のゴール、カシュガルまで、

2007年10月14日から11月17日の間の模様を伝える。

●中国東北地方の瀋陽、大連、ハルビンなどは、

昔日本が統治していたこともあり、

その当時そのままの日本風建築物が残っていたり、

学生が日本語の勉強に熱心だったりと、

それなりに我が国には親しみやすい部分があるが、

北朝鮮国境沿いの町に行くと、

朝鮮族系の人と当然出会うし、

一路シルクロードの西方地域に向かうと、車内は

途端に、顔も形も同じ中国人とは似ても似つかない、

ウイグル民族の人々が多くなり始める。

単一民族で、島国の我々日本人からすれば、

やはりこのあたりの中国の広大さ、多様性には

驚かされるものがある。

●しかし、このシリーズを通して改めて痛感されるのは、

(関口さんの人徳も当然あるだろうが)

民族や地方に一切関係なく、

突然目の前に現れた日本人の男性に対して

非常に親しげに接してくれる中国人の素朴さ、

人懐こっさである。

●テレビカメラがあるのも当然影響しているだろうが、

にもかかわらず、

全く初めて出会った外国人の隣に何の気兼ねもなく

座って来て、自分が食べようと持参してきた食物を

遠慮なく差し入れしてくれる、歌を歌ってあげる、

突然、家を訪問してきたにもかかわらず、

何の不信感も抱かず、中に招きいれ、

自慢の品を披露してくれたり、

豪華な食事を振舞ってくれる。

日本の同種の番組で、それなりに名が知れた芸能人が

一般人の家を訪問しても、

何度も宿泊を断られていることを鑑みると、

やはりこれは驚きを感じざるを得ない

(壊れたヨーヨーを必死で直し、

別れ際には、

なけなしのお金で自分のために買ったイヤリングを

関口さんにプレゼントとして渡した

小学生の女の子には、特に心を打たれる)。

間違いなく、中国人に対するイメージが変わる。

●他にも、勉学一本に集中するために

わざわざ北京、上海などの大都市の大学を避け、

田舎の大学で日本語の勉強にいそしむ

女子学生たちが、別れの際に、

「今日のことはずっと忘れません」と

何度も関口さんに言ったことなど、

印象的なシーンが数多くあります。

●インターネット、ケータイ電話、テレビ番組、ゲームなど、

面白い娯楽には事欠かず、

お金を出せば何でも買える、

便利な日本という国にドップリと浸かり切った人には、

不便で退屈極まりない国だと思われるかもしれませんが、

何か、過去に捨て去ってしまった、

大切なことを気づかせてくれるような

郷愁的な本に仕上がっております。

芸能人特有の傲慢さを全く感じさせない関口さんの素朴な人柄、

そして、玄人はだしのイラストと達筆な文章も

魅力の本です。

中国語を学ばれている方、これから本格的な

中国長期旅行を計画されている方ならば、

シリーズ4冊すべてを揃えておく価値はありますね。

 

【マストポイント】

@発展途上国への旅行は、

何か日本人が見失ってしまったものを

再発見できる貴重な旅になることが少なくない。

先進国への便利な旅ばかり行かれている方は、

特に色々な気づきを得られるはずだ。

A消灯時間になっても、廊下やトイレの明かりの下で

必死に勉強を欠かさない中国の大学生は、

在学期間中に外国語の一つや二つを

マスターしている人も少なくない。

ODAで中国に農業指導に行かれた日本人の人も、

中国の若者の、疲れることを知らないその体力、勤労意欲に

感銘を受けていた。

勉学的にも、体力的にも、

日本の若者はウカウカしてはいられない。

B「この国は周りの国に比べて後れているというが、

私は幸せだ。

米も大豆もとれるし、野菜もとれる」

(電車で関口さんが隣り合わせた、80歳のおばあさんの言葉)

 

【著者略歴】

関口 知宏
1972年7月1日、東京生まれ。立教大学経済学部経済学科卒業。大学卒業後の96年にフジテレビ「MMR未確認飛行物体」で念願の俳優デビュー。以後、ドラマでは
NHK「あぐり」(’97)や大河ドラマ「利家とまつ」(’02)、NHKスペシャル「望郷」(’05)、TBS・花王愛の劇場「ママは女医さん」(’04)、映画では「あぶない刑事リターンズ」(’96)や「SHADY GROVE」(’99)など数々の作品に出演。一方、00年には「スタジオパークからこんにちは」(NHK総合)で司会を務めるなど、多方面で活躍。04年には、NHKの番組「列島縦断鉄道12000km最長片道切符の旅」で、JR線の一筆書き・最長ルートで日本列島縦断に挑戦、43日間をかけて全国を旅した。さらに05年「列島縦断鉄道乗りつくしの旅JR20000km全線走破」では、春編・秋編の二回に分けて「最長片道切符の旅」で乗り残したJR線の区間をすべて走り、JR全線走破を達成した。同年の夏、「関口知宏が行くドイツ鉄道の旅」(NHKBS‐hi、BS2)で、初めて海外の鉄道の旅に挑み、好評を博した。06年には「関口知宏が行くヨーロッパ鉄道の旅」シリーズとして、イギリス、スペインなど4カ国を巡った。また、音楽面でも才能を発揮し、04年7月26日には大室山ライブ『新生』を開催。多くの人を集めた。

関口知宏の中国鉄道大紀行 公式サイト  
http://www.nhk.or.jp/tabi/



ラベル:関口知宏 中国
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2008年05月16日

必読本 第676冊目 関口知宏の中国鉄道大紀行 3―最長片道ルート36、000kmをゆく (3)

必読本 第676冊目

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関口知宏の中国鉄道大紀行 3

―最長片道ルート36、000kmをゆく (3)

関口 知宏(著)

¥ 1,365 (税込)

徳間書店

単行本: 118ページ

2008年1月31日 初版

 

●秋色に染まる中国の大地を僕は再び走り始める。

西安を出発、万里の長城や龍門石窟、泰山など、

歴史と自然に彩られた路線を行く。

NHK『関口知宏の中国鉄道大紀行』の単行本化・第3弾。

「秋の旅」の前半(西安〜瀋陽)までを、絵日記と写真で綴る!

●関口知宏さんが中国大陸を鉄道で回った「秋の旅」の前編。

2007年8月29日から10月6日まで、

内陸部にある西安から沿岸部に向かい、

徐々に北上、大都市瀋陽までの模様を伝える。

偶然、今週5月11日のフジテレビ系の夜のニュース情報番組にも、

関口さんがゲストで出演されておりました。

本企画により、橋田賞という賞も受賞されたようです。

●しかし、このシリーズも3冊目の紹介になりますが、

関口さんが辿ったルートを、冒頭に掲載されている

中国全図でよくよく眺めますと、よくぞこれほどまでの

過酷な旅に挑戦したものだ、と改めて思い知らされます。

「ラサからカシュガルまでを、

最長片道ルート、一筆書きのように旅する」という

ルールを設定したがゆえに、

今回の旅でも、天津までやっとこさ到着したのに、

目と鼻の先にある北京に直行せず、さらに南下して

絶対にありえないような迂回をして北京まで到着されている

(たとえて言うならば、大阪から上京し、

名古屋→静岡→横浜まで来たのに、東京に行かないで、

八王子→前橋→さいたまと迂回して東京に到着したような感じ)。

精神的にも体力的にも頑健でないと、

こんな過酷な旅行は到底完走できないと痛感させられた。

●本文の作りは、前2冊と全く同一なので、

あえて繰り返しません。

今回の旅でも、女優のような美女、屈託のない子供、不思議な老人などとの

面白い出会いのエピソードが満載です。

西安、北京、天津、瀋陽などの人気都市や、

泰山、万里の長城などの世界遺産も関口さんは訪れております。

これからの時期に旅行予定のある方は

是非参考にしてみて下さい。

●しかし、周知のとおり、

関口さんが「春の旅」で回られた

四川省において、未曾有の大地震が発生し、

現在大変な事態になっている。

個人的な知り合いはその地域にはいないが、

やはり、数年の間、お世話になった中国に

甚大な被害が起こったということは、

個人的にはとても他人事とは思えない。

行方不明者の早急の救出も含め、

一刻も早く全面的に立ち直っていただきたいものだと思う

(老婆心ながら、海外旅行に行く時には、

何が起こるか本当に予想できませんから、

やはり海外旅行傷害保険に入るのは必須ですよね)。



【マストポイント】

@ブッダも孔子も、自分を永遠に讃えるような

大伽藍や石像を作れ、などということは一言も

残さなかった(逆に、万里の長城、石窟など、

古代の王様は、自分の存在を誇示するために、

その手のものをたくさん作らせたが)。

目に見えるものよりも、目に見えないものの方が

永遠に伝承されることがある。

A無我和光

(中国に行く前は、色々と事前情報を聞かされていったので、

変な先入観を中国人に持ってしまい、

彼らのいい部分を見つけることができにくくなった。

今回の旅では、私心を無くし、まっさらな気持ちで、

中国人と向き合ったら、彼らの素朴さ、純真さなど、

長所をたくさん発見できるようになった)。

B年寄りでも若者でも、反日感情の強い中国人は

確かに多いが、

にもかかわらず、そんな彼らであっても、

日本人の勤勉さ、日本製品の優秀性など、

長所の部分は素直に認め、学ぼうとするところがある。

たとえ、内心、快く思っていない相手であっても、

その優れた部分、勝っている部分を謙虚に

学ぼうとする姿勢は大事なことである。
 

【著者略歴】

関口 知宏
1972年7月1日、東京生まれ。立教大学経済学部経済学科卒業。大学卒業後の96年にフジテレビ「MMR未確認飛行物体」で念願の俳優デビュー。以後、ドラマでは
NHK「あぐり」(’97)や大河ドラマ「利家とまつ」(’02)、NHKスペシャル「望郷」(’05)、TBS・花王愛の劇場「ママは女医さん」(’04)、映画では「あぶない刑事リターンズ」(’96)や「SHADY GROVE」(’99)など数々の作品に出演。一方、00年には「スタジオパークからこんにちは」(NHK総合)で司会を務めるなど、多方面で活躍。04年には、NHKの番組「列島縦断鉄道12000km最長片道切符の旅」で、JR線の一筆書き・最長ルートで日本列島縦断に挑戦、43日間をかけて全国を旅した。さらに05年「列島縦断鉄道乗りつくしの旅JR20000km全線走破」では、春編・秋編の二回に分けて「最長片道切符の旅」で乗り残したJR線の区間をすべて走り、JR全線走破を達成した。同年の夏、「関口知宏が行くドイツ鉄道の旅」(NHKBS‐hi、BS2)で、初めて海外の鉄道の旅に挑み、好評を博した。06年には「関口知宏が行くヨーロッパ鉄道の旅」シリーズとして、イギリス、スペインなど4カ国を巡った。また、音楽面でも才能を発揮し、04年7月26日には大室山ライブ『新生』を開催。多くの人を集めた。

関口知宏の中国鉄道大紀行 公式サイト  
http://www.nhk.or.jp/tabi/

ラベル:関口知宏
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2008年05月08日

必読本 第668冊目 関口知宏の中国鉄道大紀行 2―最長片道ルート36、000kmをゆく (2)

必読本 第668冊目

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関口知宏の中国鉄道大紀行 2

―最長片道ルート36、000kmをゆく (2)

関口 知宏(著)

¥ 1,365 (税込)

徳間書店

単行本: 116ページ

2007年11月30日 初版


●石門県、吉安、武夷山、合肥を経て、

列車は「春の旅」の終着駅・西安へ。

NHKで放送された「関口知宏の中国鉄道大紀行」を単行本化。

2では春の旅の後半(桂林?西安)を絵日記と写真で綴る。

●以前ご紹介した本(必読本第625冊目参照)の後編。

関口さんが、中国大陸を
 
春の季節(2007年5月6日〜6月7日)に旅した

後半部分を紹介する。

偶然にも時期的にちょうど今の季節と重なりますので、

これからの観光旅行シーズン、中国の人気スポットである、

桂林、西安、上海、南京などを訪れる予定のある方ならば、

関口さんがこの中国南部地域を訪れておりますので、

非常に参考になるかと思います。

●前作と同じように、写真と絵と文章がミックスされた

旅日記風の本に仕上がっている。

例によって、関口さんのイラストはプロかと見まがうほどの

出来栄えで、惚れ惚れと見入ってしまう。

しかし、この人は、外見も男前

(何となく、速水もこみちに顔が似ている)なら、

文章もしっかりしているし、

絵も描けるし、歌も歌えれば、楽器も奏でる。

「芸は身を助ける」と言うが、

これぐらいに多芸多才な人は、見ず知らずの異国においても、

すぐに子供や老人や美女(前作でも感心したのだが、

この人は、本旅によって、数多くの美女と自然とお近づきに

なっている。羨ましい限り)と

知り合うことができるのだなぁ、つくづく痛感させられた。

外国で生活予定のある方は、

何か日本独自の文化をひそかに習って、

あちらで披露すれば、数多くの友人が自然にできますよと、

という好例である。

●飛行機で、疲れることなく一気に移動する旅行ばかり

に慣れた我々現代人は、なぜ、こんなに時間がかかり、

疲れることばかりで、不便極まりないのにもかかわらず、

こういう長距離の鉄道旅行記を読むと、

俄然自分も行きたくなってしまうのだろうか。

それはやはり、車中での他人との偶然の出会い、触れ合い、

そして、何の事前情報もなく降り立った地での、

予想もしてなかったサプライズがあるからであろう。

本書でも、幸運な偶然が重なって

完成した「零」という自作の曲のエピソードが出てくるのだが、

非常に神秘的な力が作用して完成したとしか思えないような

摩訶不思議なお話であった。

本文にあるエッセイも、ありきたりでない、

非常にしっかりとした意見が述べられていて、

とてもタメになります。

●それと忘れてならないのは、

中国人の人懐こさ、天衣無縫さであろう。

平気で列に割り込みしたり、喧嘩っ早かったり、

つばを吐きまくる、ごみを平気で捨てるなどの、

マナーのマの字も知らない連中ばかりだと

一般には思われている中国人だが、

一度仲良くなってしまうと、それこそ「竹馬の友」かと

いうほどの親密さで、あらゆることに世話を焼いてくれる。

アパートやマンションで隣人と会ってもあいさつも

ろくに交わさない、昨今の日本の人間関係の希薄さを

思うと、よっぽど中国人の方が人間らしいとまで思ってしまう。

中国人に悪いイメージしか持っていなかった人は、

思いを新たにするはずである。

●旅行ガイドとしても、

中国関係書としても、文句なく楽しめる本だが、

玉にキズなのは、写真の質が悪いこと。

長旅で、最新のデジカメを現地に持っていくことが

できなかったのか、

非常に画素の粗い写真ばかりでそれには失望してしまった。

テレビ放送の方ばかりに力を入れすぎてしまって、

書籍化することまでを見越していなかったのだろうか。



【マストポイント】

@百聞は一見にしかず。

チベット問題、ギョウザ事件、反日デモなど、

テレビ、新聞などのマスコミ報道だけ見れば、

中国人は最低最悪な国民のように思い込んでしまうが、

実際に一人一人の人と触れ合ってみれば、

それが間違いであることに気づく。

何でもかんでも、マスメディアの情報を鵜呑みにしてはいけない

(余談だが、都市部の中国の女性は、

日本女性が霞むぐらいに、長身でモデルのような

美女がゴロゴロといる)。

A中国語では、いわゆる、シンクロニシティ、

偶然の一致のことを、

「不謀而合」(相談してないのに合うこと)という。

関口さんの今回の旅には、なぜかそれが非常に多かった。

B「人は自らの心声に従うとき、本当の一個人として新生できる。

自らの心声に従うことが、これからの新しい一個人の生き方。

新しい一個人としての生き方は、自らの心の声が知っている。

個性とは、自らの心の声に従う一個人の新しい生き様のこと。」

(本文より抜粋。

普段ならば絶対に嫌うようなことにも、心の声(=直感)に

従って歩いていったら、思いもよらなかった僥倖に

何度も出合ったと関口さんは述べられている)



【著者略歴】

関口 知宏
1972年7月1日、東京生まれ。立教大学経済学部経済学科卒業。大学卒業後の96年にフジテレビ「MMR未確認飛行物体」で念願の俳優デビュー。以後、ドラマではNHK「あぐ
り」(’97)や大河ドラマ「利家とまつ」(’02)、NHKスペシャル「望郷」(’05)、TBS・花王愛の劇場「ママは女医さん」(’04)、映画では「あぶない刑事リターンズ」(’96)や「SHADY GROVE」(’99)など数々の作品に出演。一方、00年には「スタジオパークからこんにちは」(NHK総合)で司会を務めるなど、多方面で活躍。04年には、NHKの番組「列島縦断鉄道12000km最長片道切符の旅」で、JR線の一筆書き・最長ルートで日本列島縦断に挑戦、43日間をかけて全国を旅した。さらに05年「列島縦断鉄道乗りつくしの旅JR20000km全線走破」では、春編・秋編の二回に分けて「最長片道切符の旅」で乗り残したJR線の区間をすべて走り、JR全線走破を達成した。同年の夏、「関口知宏が行くドイツ鉄道の旅」(NHKBS‐hi、BS2)で、初めて海外の鉄道の旅に挑み、好評を博した。06年には「関口知宏が行くヨーロッパ鉄道の旅」シリーズとして、イギリス、スペインなど4カ国を巡った。また、音楽面でも才能を発揮し、04年7月26日には大室山ライブ『新生』を開催。多くの人を集めた。

関口知宏の中国鉄道大紀行 公式サイト  
http://www.nhk.or.jp/tabi/

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2008年04月22日

必読本 第660冊目 びんぼう神様さま

必読本 第660冊目

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びんぼう神様さま

高草 洋子

¥ 998 (税込)

地湧社

単行本: 59ページ

2000年8月10日 初版

 

●松吉の家にびんぼう神が住みつき、

家はみるみる貧しくなっていく。

ところが松吉は悲しむどころか、

何と神棚を作ってびんぼう神を拝みはじめた。

「なんで嫌われもんのわしを?」

不思議がるびんぼう神はやがて…。

●先日ご紹介した、

読書のすすめ店長清水克衛さんの本

必読本第628冊目参照)で推薦されていた本。

作者の高草さんが自費出版のような形で作った本が、

口コミでみるみるうちに評判を呼び、

ついに一般発売されたといういわくつきの本です。

●いわゆる昔話です。

60ページにも満たない薄い本なので、

あっという間に読破できます。

浜田廣介作『泣いた赤おに』(必読本第139冊目参照)のように、

子供から大人まで年代を問わず読める平易な文章にもかかわらず、

込められた意味は実に深遠です。

●あらすじは読む楽しみがなくなるので、

あえて触れません。

貧しくても、家族が仲良くし、

何事にも感謝して生きていくことの大切さ、

富や福は自分だけで独占せず、

まわりにも分け与えることが、

「情けは人のためならず」となって、

最後には自分に戻ってくる、

などの教訓が得られるかと思います。

●文章だけではなく、イラストも高草さんが担当されておりますが、

ほのぼのとして味わい深いものを感じさせてくれます。


※今回の【マストポイント】 は、昔話なので、割愛いたします。

【著者略歴】

高草 洋子
富山県生まれの東京育ち、現在は兵庫県宝塚市に住む2児の母。主業は主婦、副業は夫の事業の手伝い。日本画を上野泰郎氏に、水墨画を佐藤紫雲氏に師事する。個展「光の詞」を1996年6月に大阪市のマサゴ画廊、’97年3月に東京のアトリエ「ピュア」にて開催。見えない世界を絵や文章にすることが大好き。今の夢は畑や自然の中で木や草花、虫、自然のすべてと語り合えるような生活をすること。



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2008年03月13日

必読本 第625冊目 関口知宏の中国鉄道大紀行 1―最長片道ルート36、000kmをゆく (1)

必読本 第625冊目

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 関口知宏の中国鉄道大紀行 1

―最長片道ルート36、000kmをゆく (1)

関口 知宏(著)

¥ 1,365 (税込)

徳間書店

単行本: 118ページ

2007年10月21日 初版

 

 ●NHKで放映された「関口知宏の中国鉄道大紀行」。

青海チベット鉄道、峨眉山、桂林、奇観、田舎風景、

そして素朴な人々との出会い。

「春の旅」の前半までを絵日記と写真で綴る。

●NHKBSなどで昨年放送された

『関口知宏の中国鉄道大紀行』の

全4巻シリーズの第1巻。

「春の旅」の前半部分、

旅のスタート地点であるラサから桂林までを、

数多くの写真とイラストで振り返る。

●しかし、番組内でも数多く紹介された

関口さんのイラストが、玄人はだしで

とても巧い!

そして、それに添えられている文章も、

ヌボーっとした優男風情の外見に似合わず、

意外にしっかりしたもので、読み応えがある。

●日本と中国は、色々と政治レベルでは

難しい問題を抱えておりますけども、

関口さんが列車内や街中で触れ合った

無数の中国人の優しさや人懐こっさを見ますと、

やはり、日本人だとか中国人だとかいう根本的な違いはないのだ。

国境という壁を越えて、

いくらでもすぐに仲良くなれるのだという気がしてきますね。

又、外国語がほとんど喋れなくとも、

友好的な笑顔と最低限のあいさつ言葉、それと度胸さえあれば、

外国では何とかなるということも

本書からは学べるかと思います。

●巻末には、中国の国としての基本情報と、

鉄道旅行をする上で役立つ基本情報、

そして、今回の旅で通過した世界遺産の情報も

コンパクトにまとめられております。

本番組は、DVD化もされているようなので、

興味ある方は、そちらの方でもお楽しみ下さい。

 

【マストポイント】

@「都会が発展してゆけば必ず、

人々は精神的なものを求めるようになる」

(西寧で出会ったおばさんの発言)。

A異郷知吾(異郷にて我を知る)

 居郷不覚(故郷にては我を知らず)

我が故郷でずっと生活していては、

自分が何たるかを知ることができない。

異国に出れば、自分のことを、

そして祖国のことをよく知ることができる。

B上善若水

(上善は水の如し。老子の有名な言葉)

水は人の善の道をよく表している。

あらゆるものを生かし、何事も分けず、争いはしない。

高きところにとどまらず、常に低きに身をおき、

物のように傾かず、常に水平状態で正しくあろうとし、

普段は柔らかいが、時には岩をも砕く強さがある。

 

【著者略歴】

関口 知宏
1972年7月1日、東京生まれ。立教大学経済学部経済学科卒業。大学卒業後の96年にフジテレビ「MMR未確認飛行物体」で念願の俳優デビュー。以後、ドラマではNHK「あぐり」(’97)や大河ドラマ「利家とまつ」(’02)、NHKスペシャル「望郷」(’05)、TBS・花王愛の劇場「ママは女医さん」(’04)、映画では「あぶない刑事リターンズ」(’96)や「SHADY GROVE」(’99)など数々の作品に出演。一方、00年には「スタジオパークからこんにちは」(NHK総合)で司会を務めるなど、多方面で活躍。04年には、NHKの番組「列島縦断鉄道12000km最長片道切符の旅」で、JR線の一筆書き・最長ルートで日本列島縦断に挑戦、43日間をかけて全国を旅した。さらに05年「列島縦断鉄道乗りつくしの旅JR20000km全線走破」では、春編・秋編の二回に分けて「最長片道切符の旅」で乗り残したJR線の区間をすべて走り、JR全線走破を達成した。同年の夏、「関口知宏が行くドイツ鉄道の旅」(NHKBS‐hi、BS2)で、初めて海外の鉄道の旅に挑み、好評を博した。06年には「関口知宏が行くヨーロッパ鉄道の旅」シリーズとして、イギリス、スペインなど4カ国を巡った。また、音楽面でも才能を発揮し、04年7月26日には大室山ライブ『新生』を開催。多くの人を集めた。

関口知宏の中国鉄道大紀行 公式サイト  http://www.nhk.or.jp/tabi/

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2008年02月04日

必読本 第598冊目 谷川俊太郎 質問箱

必読本 第598冊目

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谷川俊太郎 質問箱

谷川俊太郎(著), 江田ななえ(イラスト)

¥1,500(税込み)

東京糸井重里事務所

単行本:186ページ

2007年8月8日 初版



●「本当のこと」は詩人に訊くといいんだよ…。

詩人・谷川俊太郎に寄せられた64のさまざまな質問と、

それに対する回答を紹介する。

ウェブサイト『ほぼ日刊イトイ新聞』の連載をもとに単行本化。

●糸井重里が主宰する超人気サイト『ほぼ日』内で

連載していた谷川さんへの質問コーナーを1冊にまとめたもの。

人間存在に関わる非常に深遠な質問から、

回答不能のくだらない質問、

大人が答えに窮する幼児の純粋無垢な質問などなどに対して、

とてもユーモラスでてらいのない回答を

寄せてくれております。

ほとんどの質問が無名の一般人からのものですが、

一部、著名人からの質問もあります

(ガチャピンとムック、スチャダラパーのボーズ、

HALCALI、坂本美雨、重松清など)。

●随所にほのぼのとしたイラストが載せられており、

ある意味、絵本、詩集的に楽しむこともできる本です。

がっしりとしたハードカバーであることもうれしいですね。

巻末には、糸井重里氏との対談も収められており、

本コーナーができた経緯、裏エピソード、

詩やコピーを作る上での心意気なども

知ることができます。

●最後に超余談ですが、

(以前も書いたことがあるかもしれませんが)

昔、私がアマゾンに本を出品していた時に、

谷川さんご本人からご購入してもらったことがありまして

本当に驚いたことがありました。

御年77歳になられるというのに、

ネットも自由に使いこなして

外見もとてもお若い。

こんな年のとり方を我々もしたいものですね。


【マストポイント】

@Q,通勤・通学ラッシュをすごすのにいい方法は何ですか。

 A,眼をつむって心の中で電車を抜け出して空を上昇してゆき、

  グーグルアースしてみる。

  毎日高度を増やしてゆき、やがては銀河系の外まで出てゆく。

AQ,谷川さんが勇気百倍になるのはどんな時ですか。

 A,ぼくが勇気百倍になるのは、「どうせいつかは死ぬんだから」
  
  と覚悟を決めたときです。

BQ,ぼくは心配性なところがあります。

   心配は、(中略)はたして必要なんでしょうか。

 A,人間が心配できるのは、過去か未来のどちらかに

   限っていて、現在は心配できないんです。

  タヌキもオットセイもトンボも生きている「このいま」しかないから、

  心配しないんじゃないかと思います。

  動物のように現在に全力投球すれば、

  要らない心配は要らなくなります

 (以上本文より抜粋)。



【著者略歴】

谷川俊太郎
1931年東京生まれ。現代を代表する詩人のひとり。絵本、翻訳、作詞なども行っている。おもな詩集に「よしなしうた」、絵本には「もこもこもこ」など。

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2008年01月14日

必読本 第581冊目 村上ソングズ

必読本 第581冊目

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村上ソングズ

村上 春樹(著), 和田 誠(著)

¥2,310(税込み)

中央公論新社

単行本:179ページ

2007年12月10日 初版



●ポピュラーなあの曲、知る人ぞ知るこんな曲。

厖大なレコード・コレクションから村上さんが選び、

歌詞を訳して紹介するジャズ、スタンダード、ロックの名曲。

訳詞とエッセイに和田さんの絵も満載。

●村上さんが、誰もが一目も二目も置くぐらいに

洋楽に精通している、そして、

膨大なレコードの所蔵枚数を誇るということは

ファンならば誰も知っている事実である。

本書は、その無数のコレクションの中から、

特に村上さんが好きな曲、思い出に残っている曲を

ピックアップし、

村上さんが原詩に日本語訳をつけ、そして、

それにまつわるエッセイを載せるという本である。

イラストは和田誠さんが担当されている

(全29曲中、ラスト2曲だけは

和田さんが訳詩と解説を担当)。

●私のような邦楽好きの洋楽音痴には、

知らない曲、又は、名前は知っているがメロディが

出て来ない曲のオンパレードである。

村上さんの訳された詩は文句なく美しく、

それだけでもウットリとさせられるが、

やはり曲自身を聴かなければ、お話にならない。

それなりに年齢を重ねた大人ならば、

世界の名曲の知識も徐々に広げていかなければ

ダメですよということを痛感させられもする本。

●見落としがちだが、

本書のLPジャケット(一部CD)の写真は、資料用のものではなく、

村上さん所蔵のものをわざわざ撮影したものである。

つくづく昔のLPジャケットのセンスのよさには

感嘆させられます。

一枚の絵画を見ているかのような秀逸なものもあり、

現在と違い、昔のアーティストは、ジャケットにも

並々ならぬ心血を注いだのだなと改めて思い知らされます。

昨今の邦楽のアーティスト達も少しは見習って欲しいものです。

●箱入りで、全篇カラー印刷の絵本のため、

少々値が張るが、

隠れた名曲を知ることができるということと、

村上さんの音楽エッセイが面白いということと、

和田さんの画集を買ったと思えば、

全然安いと言えるだろう。

音楽ファンならば是非とも求める価値があるし、

洋楽好きのお友達へのプレゼントとしても最適でしょう。

●読み終わった後は、

この中で特に気になるアルバムを探しに、

TSUTAYAに行きたくなることはほぼ確実でしょう。

その帰りには、おそらく酒屋さんに行って、

ジャック・ダニエルとナッツ類あたりを購入することにもなるだろう。

テレビもパソコンも消して、

家でウィスキーをチビチビやりながら、

珠玉の名曲に浸るのも、大人の休日の過ごし方としては

たまにはオツなものです。



【マストポイント】

@「人生は厳しい有料道路

支払った額で、どこまでいけるかが決まるのさ」

(ブルー・モンク(修行はつらい)/アビー・リンカーン  

※本文歌詞より抜粋。以下同じ)

A「お母さんが何を持っていようと

  お父さんが何を持っていようと

  神が祝福するのは、自らの手で

  生きていく子供だ」

(自活する子供を神は祝福する/ビリー・ホリディ)

B「君の帽子のかぶり方

 君のお茶のすすり方

 そんな思い出のすべてを

 誰も僕からは奪えない」

(誰にも奪えない/アイラ・ガーシュイン、ジョージ・ガーシュイン)


【著者略歴】

村上春樹

1949年1月12日、京都府京都市生まれの兵庫県芦屋市育ち。住職の息子で国語教師でもある父と、大阪の商人の娘である母の間に生まれる。兵庫県立神戸高等学校卒業。早稲田一文に入学。その後演劇映像専修へ進む。大学在学中に陽子夫人と結婚。結婚後、国分寺市に転居し、大学に在学しながらジャズ喫茶を開業する。大学を7年かけて卒業後,閉店後の店で小説を書き、1979年『風の唄を聴け』で群像新人文学賞を受賞しデビュー。1981年には作家専業で生きていく決意を固め、ジャズ喫茶を廃業した。全共闘世代、団塊の世代を代表する作家であるが、政治活動にかかわることを避け、全共闘運動からは遠く距離を置いている様子が、作品の端々からうかがわれる。1987年『ノルウェイの森』が、空前の大ベストセラーとなり、一般的にも認知される。その後、出せば必ず売れる作家の1人に数えられるようになった。作品は韓国、米国、台湾などでも絶大な人気があり、1980年代以降の日本文学、現代文学を代表する最も評価の高い文学者の1人である。

和田 誠

1936年生まれ。イラストレーター、グラフィックデザイナー。著書は『ねこのシジミ』『パイがいっぱい』ほか多数。2006年、絵本『どんなかんじかなあ』(中山千夏・文)で第11回日本絵本賞を受賞。文春漫画賞、講談社出版文化賞さしえ賞、毎日デザイン賞、菊池寛賞ほか多数受賞。1977年より「週刊文春」の表紙を担当。

ラベル:村上春樹 和田誠
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2007年11月19日

必読本 第533冊目 こころ歳時記 笑福満福

必読本 第533冊目

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こころ歳時記 笑福満

安川 真慈(著)

¥ 1,155 (税込)

木耳社

単行本:99ページ

2005年9月30日 初版



●心はいつも前向き、夢向き、南向き!!

「書」の線を用いて描く画とほのぼのとした言葉とのハーモニー。

自然のおりなす風景や生き物達と共に、

人の一生とも重なるような絵柄や言葉を選び、

一年間を物語風に描いたこころ歳時記。

●今、年賀状作成の季節なので、

そういうことも考慮に入れまして、

今回はこの本をご紹介いたします。

ハンディなサイズ、手頃な価格で

イラストと書道文字で書かれたメッセージを

ダブルで楽しめる書画集です。

●「春夏秋冬」に章は分けられ、

その季節ごとの風物詩に合わせた心暖まるメッセージ、

人生訓めいた言葉を寄せる。

路線的には、かなり殿村進さんに近い本です。

●年賀状ソフトを使って手軽に作りたくない。

他人とは一味違ったもので差をつけたいと

お考えの方にはとても参考になる本ですね。

プロの書画家の方なので、

我々素人がこの本通りにうまくは描けないかもしれませんが、

ご自分の年賀状を自作する際の

ヒントには十分なる本かと思います。

●たまには、文章だけの難しい本ばかり

読まないで、この手の詩画集を開くのも

いいものです。

個人的には、写真集、画集の類に

全く不案内なので、来年あたりはそちら方面にも

少し詳しくなりたいなとも考えております。



【マストポイント】

@自作の絵ハガキは人の心を暖かくする。

多少下手くそでも、丹念に描けば、必ず人に伝わる。

Aボールペンや鉛筆で書いても、大して

文字に魂がこもったようには見えないが、

筆で書いた文字には、何か人を引き付ける深い味わいがある。

B写真に撮るだけではなく、

心に残った事物をちょっと模写するだけでも、

何か違った発見がある。


【著者略歴】

安川 真慈
1960年大阪生まれ。仏教大学文学部中国文学科卒。奈良在住。現在、「書」を北野摂山氏に師事。公募展:毎日書道展(第45回展・秀作賞、第55回・56回展・毎日賞)、奈良県展(知事賞、奈良市長賞、奈良県市町村会長賞)。


ラベル:安川真慈
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2007年11月01日

必読本 第518冊目 幽石あいう絵お

必読本 第518冊目

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幽石あいう絵お

御木 幽石(著)

¥ 1,155 (税込)

木耳社

単行本:ページ記載なし

2004年2月25日 初版



●「あいうえお」の50音ではじまる、楽しい言葉遊び。

それぞれ作風の異なる絵に一字書を添えた

一味違った作品集。

絵、書、言葉と幽石の世界を堪能できる一冊。

●私は常連の書店に行くと、

殿村進さんの新刊が出ていないか、

いつも「詩画書」コーナーを必ずチェックしにいくのだが、

その場所で偶然見つけた本。

著者の存在を知るのは全く初めてで、

情報がまるでないのだが、殿村さんと似たような路線の、

書と詩と絵との融合本を書く方のようです。

●本文の構成は、見開き2ページ。

右ページには、「あ」から「ん」まで、

その音で始まる漢字一字を書道文字で書かれている。

左ページには、その文字に関連した

かわいいイラストと詩を掲載する。

日本人ならば、誰もが共感を覚えるであろう、

いわゆるホノボノ系の画風である。

●ペラペラとめくった時にひらめいたのですが、

本書は、幼児用に言葉覚えをさせるための本としても

かなり使えるのではないでしょうか。

「あいうえお」をまだ覚えていない子供たちに、

ご両親が音読しながら、一緒に読み書きするには

もってこいの本です。

そろそろ幼稚園に上がるぐらいのお子さんがいる

ご家庭への、プレゼントしても最適でしょう。




【マストポイント】

@音読と書き取りとイラストのシナジー効果によって、

よりスピーディーに幼児に言葉を覚えさせることができる。

A「三つ子の魂百まで」のことわざ通り、

ごくごく小さい時に読んでもらった本は、

一生の間、その子の記憶に残り、

人格形成、情操教育に並々ならぬ影響を与える。

赤ちゃんや子供の頃、

良質の絵本や昔話をたくさん読んでもらった

子供は、まず間違いなく健やかに育つ。

B本を読んで興味を持ったら、子供の時から、

書道、絵画、詩作などをドンドンさせる。

変に色づけされていない無垢な子供の魂は、

時として大人をハッとさせるような

珠玉の作品を生み出すことがある。

 

【著者略歴】

御木 幽石
本名・出。1966年、北九州市小倉生まれ。中学時代より油絵を始める。高校入学後、山口蝸牛氏に師事、書に転向。大学卒業後はデザイン分野に活動を広げ、パッケージ、酒ラベル、CDジャケット、ポスター等の筆文字を揮毫。現在、和風空間だけでなく、日常の洋空間における書のあり方を模索。既成の書にとらわれず、自由な発想での、分かりやすい現代の書をテーマに活動中。北九州市小倉在住。

ラベル:御木幽石
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