2012年03月06日

必読本 第1020冊目 無人島に生きる十六人

必読本 第1020 冊目

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無人島に生きる十六人

須川邦彦 (著)

新潮社

¥420

文庫本:258ページ

2003年7月1日 初版



●大嵐で船が難破し、僕らは無人島に流れついた!

明治31年、帆船・龍睡丸は太平洋上で座礁し、脱出した16人を乗せたボートは、

珊瑚礁のちっちゃな島に漂着した。

飲み水や火の確保、見張り櫓や海亀牧場作り、海鳥やあざらしとの交流など、

助け合い、日々工夫する日本男児たちは、再び祖国の土を踏むことができるのだろうか?

名作『十五少年漂流記』に勝る、感動の冒険実話。

●先日紹介した、斎藤一人さんの近刊(必読本 第1017冊目 参照)

巻末で推薦されていて、興味をそそられ読んだ本。

利害関係のない第3者の本を、最近ほとんど紹介されない一人さんだっただけに、

相当の期待感を持って手にしたが、それに違わぬ痛快な本であった。

●内容は、明治時代に太平洋上で難破してしまい、

無人島に流れ着いた16人の日本人船員たちの漂流記である。

著者自身の体験記ではなく、その師匠にあたる人物から聞いた話を元に創作されている。

●まず本書で感銘を受けるのは、

いつ救助が来るかわからない絶望的な無人島生活において、

自暴自棄になることもなく、16人が一致団結して、

自らの生活を築き上げていく姿である(一部、日本に帰化した英語圏の人間もいる)。

この手の話においては、お約束のように、必ず集団の輪を乱す者が出てくるものだが、

リーダーである船長の命令や指示を忠実に守り、悲観することなく、

自分に出来ることを個々人が精一杯行っている姿に心を打たれる。

勉強の時間を作って知的水準を保ったり、歓談の時間で適度にガス抜きをしたりなど、

時間の活用法、集団統率の観点から参考になる話も多い。

●同様に感心させられたのは、ないない尽くしの環境の中で、

知恵を絞りだして、与えられたものを有効活用していこうというその姿勢である。

食糧確保の方法、野生生物との共生の仕方、

飲み水や塩の作成法、住居の建設法、人員配置の妙など、

よくもこんなアイディアを思い付くものだと驚嘆させられるような方法で、

自分たちの生活を次々に好転させていく。

入手した木材、銅版、動物の部位を、奇想天外な方法で転用させるなど、

サバイバル術的な話が満載なので、冒険モノが好きな人は、楽しく読めること必定だ。

●この手の話においては、不幸にも犠牲者が出たり、

心身に異常を来す者が出てきたりして、

悲惨な展開に陥ったりすることがままあるものだが、

本書は、そのようなネガティブな方向に行くことがない。

どんなラストになるのかドキドキもので最終盤に進んでいくが、

爽やかな終わり方をしているのも高ポイント。

青少年のみならず、大人が読んでも、十分満足できる仕上がりである。

●極限状況下であっても、希望を失わず一致団結して協力する人間の素晴らしさ。

たとえ、無人島に流れ着き、原始人のような境遇に落ちぶれても、

日本男児としての礼節や気概を捨てない明治男の心意気にも感動を覚えます。

さすが、一人さんが推薦するだけのことはある、

健康的で、勇気が湧いてくる本です。

元は昭和23年に講談社から発売された古い本のようですが、

文章も現代的で読みやすく、巻頭の地図など、可愛いイラストも多くて、

今読んでも全く問題はありません。




【マストポイント】

@「島生活は、きょうからはじまるのだ。

はじめがいちばんたいせつだから、しっかり約束しておきたい。

一つ、島で手に入るもので、くらして行く。

二つ、できない相談はいわないこと。

三つ、規律正しい生活をすること。

四つ、愉快な生活を心がけること。

さしあたって、この四つをかたく守ろう」

A「一人一人の、力はよわい。ちえもたりない。

しかし、一人一人のまごころと真剣な努力とを、十六集めた一かたまりは、ほんとに強い、

はかり知れない底力のあるものだった。

それでわれらは、この島で、りっぱに、ほがらかに、

ただの一日もいやな思いをしないで、おたがいの生活が、

少しでもよくなるように、心がけてくらすことができた」

B「ポカンと手をあけて、ぶらぶら遊んでいるのが、いちばんいけないのだ。

それで、われらの毎日の作業は、だれでも順番に、まわりもちにきめた。

だれもかれも、熱心にじぶんの仕事にはげんだ」

(以上本文より。一部改変)


【著者紹介】

須川 邦彦
1880(明治13)年、東京生れ。1905年、商船学校航海科卒後、大阪商船に勤務。また、日露戦争に従軍し、水雷敷設隊として奮戦。第一次大戦では敵艦の出没する洋上に敢然、船長として乗り出し、日本海員魂を発揮した。その後、商船学校教授を経て、東京商船学校校長、海洋文化協会常務理事を歴任。’49(昭和24)年死去。






ラベル:斎藤一人
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2012年02月23日

必読本 第1019冊目 潜入ルポ 中国の女

必読本 第1019冊目

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潜入ルポ 中国の女

福島香織 (著)

文藝春秋

¥1,575

単行本: 232ページ

2011年2月22日 初版



●政治的にも社会的にも自然環境的にも過酷な国で、

女性に生まれることは、決して幸福とは言い難いのに、

それでもたくましく、体を張って生きて、恋し、子供を産み、戦っている女たち。

元女性北京特派員が凝視・直視・驚嘆・取材した「中国女」の全て。

●今月頭に中国北京を訪問したこともあり、その影響で手にした本。

香港や北京に駐留し、生の中国の現状に精通した、

元新聞記者である著者がレポートする、中国女性の真実の姿。

●日本でもよく知られるように、

中国大手マスコミは、国直轄の機関であることもあり、

自国に不利な情報、ネガティブな情報はほとんど報道しない。

かなり強力な情報規制、検閲、出版物の発禁が行われている。

よって、どこの国でも必ず普通に目にすることができる、

売春、エイズ、麻薬などの犯罪組織、出生やセックスに関する問題、

政治や宗教がらみのニュースなどの真相を、

一般の人間が知ることは容易ではない

(東スポなどの暴露系、エログロ系の夕刊紙、

時の為政者、有名人などを平気でこき下ろし、

民衆の不満を解消するビートたけし的な存在が、

現代中国には存在し得ない)。

●本書は、中国滞在歴も長く、現地人たちとのコネも豊富な

女性ジャーナリストの著者が、

現在の中国の“ダークサイド”を果敢に取材して回ったものである。

売血のせいでエイズに罹患しながらも、無謀にも子供を出生した“エイズ村”の女性

(国籍を詐称して潜入取材するのだが、それがバレない語学力、演技力がすごい)、

貧困から逃れるために地方から都市部に売春婦として働きに来る若い女性たち

(売春婦の女の子たちの歓心を買い、友達同然にプライベートまで仲良くなる。

日本のキャバクラの女性が、閉店後にホストクラブで鬱憤を晴らすように、、

売春婦が売春夫を買いに行くなどの話はショックを受けること必定)など、

冒頭から息を呑むような悲惨な女性たちが続々と登場する。

北京、上海、広州などの沿岸部の都市では、

華やかなニュースしか報道されないことが多いが、

ちょっと離れた内陸部では、いまだに前近代的な悪習、迷信がはびこっていたり、

ちょっと信じがたいような貧困格差や食糧難が根強く存在していることがわかり、

やはり、大きな衝撃を受けます。

●前半は、そういうどぎつい状況で働いている闇の女性たちを取材しておりますが、

後半では、一代で巨万の富を築いた企業家や、

流行作家、漫画家、NPO主宰者、人権活動家などの、

華やかな舞台で活躍されている女性たちの姿を

詳細にレポートしてくれております

(ただ、公安から拉致監禁されて、有名な収容所に連れて行かれ、

暴力的な取り調べを受けたチベット問題活動家の話は、やはり恐怖を覚えます。

一党独裁が原則の中国では、下手に政治問題、人種問題を論ずることは、

大きなリスクを負うことになることを痛感させられました)。

●中国に留学、赴任する予定の方は、

超近代的なビルやブランドショップが続々と建設される都市部の華やかな姿の裏に、

先進国では到底考えられないほどに衛生観念が低く、無教育な「夜の女性たち」、

一人っ子政策の負の面と言える、人身売買、幼児誘拐が厳然と存在するということ、

携帯電話、メール、スカイプでも、やろうと思ったら平気で

盗聴、傍受されるという公安の情報収集能力の凄さなどを

本書で事前に学んでいった方がよろしいかと思います

(個人的には、好意を持っている風を装って、

巧みに日本男性のお金をかすめ取る中国女性の手口、

男児を産むことに固執するが、離婚することには意外に抵抗が少ない結婚事情、

などを知ることができたのが収穫だった)。

●著者には、是非本書で取材しきれなかった人たちを

レポートした第2弾を期待したい。

たとえば、就職難から、成金男性と結婚したり不倫したりするインテリ女子大生、

日本のアニメ、歌手、小説に熱狂する女の子、

ブランドのコピー商品を製造販売する組織、

アイフォーン製造などで過酷な労働を強いられる工場勤務者、

日本人男性を騙して大金を得た女性などを潜入レポートしてもらいたいものです。



※今回の【マストポイント】は、割愛いたします。



【著者略歴】

福島 香織
ジャーナリスト。1967年奈良市生まれ。大阪大学文学部卒業後、産経新聞社に入社。大阪文化部などを経て上海・復旦大学に語学留学。2001年から産経新聞香港支局長に赴任、2002年に香港支局閉局にともない中国総局(北京)に異動。2008年まで常駐記者を務めた。帰国後は東京政治部で麻生太郎政権を取材。2009年に退職し、中国関連分野でフリーの活動を開始。





ラベル:福島香織
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2012年02月13日

必読本 第1018冊目 ボクの音楽武者修行

必読本 第1018冊目

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ボクの音楽武者修行

小澤 征爾 (著)

新潮社

¥420

文庫本: 244ページ

1980年7月25日 初版



●40年前に「世界のオザワ」と言わしめた中田よりもイチローよりもスゴイ挑戦。

「外国の音楽をやるためには、その音楽の生まれた土地、

そこに住んでいる人間をじかに知りたい」という著者が、

スクーターでヨーロッパ一人旅に向かったのは24歳の時だった……。

ブザンソン国際指揮者コンクール入賞から、カラヤン、バーンスタインに認められて

ニューヨーク・フィル副指揮者に就任するまでを、

ユーモアたっぷりに語った「世界のオザワ」の自伝的エッセイ。

●今月頭に中国に観光旅行に行き、

あらためて外国文化を味わう興奮や、異国の地での人々と交流することの感動を

痛感してきました。

その関連で、何か旅行記を無性に読みたくなり、

色々と探していたときに出会った本。

最近、作家の村上春樹さんとの共著でも話題になっている、

名指揮者、小澤征爾の音楽修業時代を綴った大ベストセラーエッセイ。

よく推薦図書として挙げられる名著ですので、

学生時代に読破されたことがある方も少なくないでしょう。

●海外渡航が今よりもずっと困難だった時代に、

若い小沢はとてつもない計画を立てる。

音楽で身を立てるために、

スクーター1台だけを貨物船に持ち込んで、

ヨーロッパ中を見聞して歩こうというのである。

昔は、スクーターを購入するにしろ、

海外に渡航するにしろ、今とは比べ物にならないぐらいの

高額な費用やややこしい手続きを要したはずだが、

人脈に恵まれたのか、その人懐こい笑顔に皆が魅了されるのか、

色々な機縁に恵まれ、ヨーロッパに渡る船に乗船することに成功する。

信じがたいことだが、船内での飲食費も全くのタダ。

日本人の若者が珍しかったのか、外国人の船員たちに非常に可愛がられ、

手厚いサービスを受けたと言うから、これは小沢さんの人徳としか言い様がない。

●何か確固たるコネがあったわけではないのに、

果敢に外国に渡ったという小沢さんの冒険心の強さは今更ながら感服するが、

偶然開催されているコンクルールでは、ものは試しと大胆にチャレンジ。

それに入賞するために、寝食を削ってでも用意周到の準備をしていったという。

後年、世界的な名音楽家との知遇を得、トントン拍子に出世していくが、

やはり、小沢さんのサクセスストーリーは、ただの偶然、幸運だっただけでは

片づけられない。

人並み外れた「努力の人」だったわけである。

●本書は、学生の推薦図書として挙げられるということは

先述したとおりだが、

他に、小沢さんに見習いたい点として、以下のことが言いうると思う。

まず第一に、物怖じすることなく、何でもチャレンジしていることである。

誰が日本で原チャリを無償で譲ってもらって、ヨーロッパ中を横断しようと

計画するだろうか。

親や友人に話せば、絶対に反対されるようなことでも断固として挑戦している。

スポーツや芸術方面で世界を目指すというお子さんをお持ちの親御さんも

是非とも参考にされたい点だ。

●第二に挙げられるのが、いわば「人から可愛がられる力」を

お持ちであったということである。

小沢さんは、先住している日本人たちから、

家族同然のような援助を度々受けられている。

いくら同国人のよしみがあるとしても、

これほどまでに赤の他人から物心ともにサポートしてもらえるというのは、

ある種の「人たらし」の才能を先天的にお持ちだったとしか言い様がない。

このあたりの才覚も是非学び取りたいものである。

●身近に接した者しかわからない、カラヤン、バーンスタインなどの

大物指揮者の人となりを語ったエピソードや、

ヨーロッパ中を軽快にドライブしたり、スキーやパーティーで

青春を謳歌したりするエピソードなども、非常に楽しく読める。

現地の自然や文化を、独特な視点から分析してみせる

小沢さんの観察眼の鋭さも特筆すべき点。

口語体のくだけた文章と、爆笑必至の面白話が満載なので、

読み始めたら一気に読破できます。

随所に挟み込まれた写真の数々にも、青春特有の爽やかな感動、

音楽に対する力強い情熱を覚えます。

音楽、旅行好きの人、何か壮大な夢をお持ちの若者などに

捧げたい本です。


【マストポイント】

@「芸術を愛する人間の多いヨーロッパで、

なんで戦争なんか起こったのだろうか。

西独と東独の国境のあのとげとげしい空気はなんだろうか。

戦争はまだ終わっていないし、

これからも起こらないとはいえない。

どうして、もっとこの世には美しい音楽があり、

美しい花があるということを信じないのだろうか」

A「ベルリンで一番お世話になったのは、

何といっても田中路子女史だ。

外国に一度でも行った人なら誰でも感じることだと思うが、

よその国で同じ日本人から受ける親切ほどありがたいものはない。

同じ親切であっても、外国のばあいは何十倍かのありがたみがある」

B「東海道の海辺の古い宿屋に泊った時、

バーンスタインが言ったことをもう一度書いておこう。

『セイジ、おまえは幸福な奴だ。

こんな美しい国に育ったなんて…。

それなのになんでニューヨークなどに住む気になったんだい?』

ぼくも日本を美しいと思わないわけではない。

ただ西洋の音楽を知りたくて飛び出して行ったのだ。

その結果、西洋の音楽のよさを知り、

また日本の美しさも知るようになった。

ぼくはけっして無駄ではなかったと思っている。

それどころか、今後も日本の若者がどしどし外国へ行って新しい知識を得、

また反省する機会を得てもらいたいと思っている。

外国へ来ると、きっと日本が好きになる」

(以上本文より。一部改変)


【著者略歴】


小沢 征爾
1935年中国・奉天(現瀋陽)生まれ。桐朋学園短期大学卒。59年、仏・ブザンソン国際指揮者コンクールで優勝。ニューヨーク・フィル副指揮者を振り出しに、トロント響やサンフランシスコ響の音楽監督を歴任。73年からはボストン響の音楽監督を務めながらベルリン・フィルや国立パリ・オペラ座にも客演。年に一度、日本でサイトウ・キネン・オーケストラの指揮をとる。2002年秋には、ウィーン国立歌劇場の音楽監督に就任予定。




ラベル:小沢征爾
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2011年10月29日

必読本 第1006冊目 映画長話 (真夜中BOOKS)

必読本 第1006冊目

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映画長話 (真夜中BOOKS)

蓮實 重彦, 黒沢 清, 青山 真治

リトル・モア

¥1,995

単行本(ハードカバー): 346ページ

2011年8月15日 新版

 

●きわめて真剣、かつ軽やかで愉快な言葉のかたわらに、

映画の現在に迫る根源的な問いが投げかけられる。

●この前、蓮実重彦先生の本(必読本 第1002冊目参照)を久しぶりに手にし、

非常に刺激的だったので、続けざまに図書館から借りて読んだ本。

かつて、蓮実先生は、立教大学にて「映画論」の講義を受け持っていて、

それを聴いた学生の中から、多くの著名な監督を輩出したことは、

映画ファンならずとも有名なことでしょう。

本書は、雑誌『真夜中』にて、黒沢清、青山真治という蓮実先生の薫陶を受けた

教え子監督二人との豪華鼎談全10話分を収めたものです

(最終話だけ、同じく教え子の万田邦敏がゲストの4人対談)。

●扱われている内容は、黒沢、青山両氏の映画製作上の悩みを

蓮実先生に打ち明けたり、

小津、イーストウッド、スピルバーグ、ゴダール、北野などの

名作や最新作のどこがいいのか、どこが悪いのかを

縦横無尽に語り合ったりと、映画ファンならば非常に楽しく読める内容です。

誰もが驚嘆した『アバター』などの3D映画は、

今から60年前の1950年代のハリウッド時代からあったもので、

取り立てて新奇なものではないと指摘した蓮実先生の言葉が特に興味深かったです。

●対話形式の本なので、もちろん口語体。

立て板に水のごとくスイスイ読めるのもいいですね。

ただし、350ページの分厚さなので、読み応えは十分にあります。

かつて、「学生と教授」という関係にあった3氏ですが、

蓮実先生は、教え子二人を変に年下扱いせず、

きちんとした映画作家として、対等な立場で話されているのが印象的です。

先生の礼節ぶりが想像されます

(ただし、例によって、駄目な作品に対しては非常に辛辣)。

●しかし、改めて驚かされるのが、蓮実先生の映画鑑賞数の膨大さである。

相当に多忙な御身分であるかと推察するが、

ハリウッドのメジャーな作品から、初めてそのタイトルを聞くような

欧米の小品まで、実に幅広くご覧になっておられる。

巻末には索引まで付いているので、

興味ある作品、特に、3氏が推薦している作品などは、

レンタルDVDなどで追って鑑賞したいものである。

 

 【マストポイント】 

@「書いたことは誰でもみんな忘れると思う。

でも、撮ったことは忘れられないはずでしょう。

言葉なんて半ば忘れるためにあるわけじゃないですか。

だけど映画は、見ることも撮ることも、人的環境や風土的な環境といった、

全体的な環境によって記憶してしまうところがある。

あのとき曇ってたとか、忘れないですよね。

だから怖いんです、映画は」

A「映画の問題って、結局は『撮るが勝ち』に尽きていると思います。

ゴダールが反ユダヤ主義者と批判されるのも、

彼が一貫して『撮るが勝ち』の人だったからでしょう。

お二人とも、どうか堂々と『撮るが勝ち』を実践していただきたい」

B「結局、『わかる人にはわかる』という一点に尽きているように思います。

それが本当にわかったかどうかはどうでもいい。

誤解でもいい、誰かが、ほとんどなんの理由もなく、

またわかろうとさえ思っていなかったのに、

いきなり『わかった』と思ってしまう瞬間をあおりたてる映像と音響が

この世界に存在していることが重要なのです。

わかろうとしていたわけでもないのに、

不意に何かがわかってしまうという瞬間は、

生きている現在をゆるがせて優れて現実的な体験そのものなのです。

それが映画にはある」

(以上本文より。一部改変。すべて蓮実の言葉) 

【著者略歴】

蓮實 重彦
1936年東京生まれ。60年東京大学仏文科卒業。65年パリ大学大学院より博士号取得。70年より立教大学にて「映画表現論」開講。93年から95年まで東京大学教養学部学部長。97年より01年まで東京大学総長。

黒沢 清
1955年兵庫県神戸市生まれ。75年立教大学入学。長谷川和彦、相米慎二らの助監督を経てディレクターズ・カンパニーに参加し、83年『神田川淫乱戦争』で商業映画デビュー。

青山 真治
1964年福岡県北九州市生まれ。84年立教大学入学。ダニエル・シュミット、黒沢清らの助監督を経て、96年『Helpless』で商業映画デビュー。 

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2011年10月04日

必読本 第1002冊目 随想

必読本 第1002冊目

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随想

蓮實 重彦

¥ 2,310

新潮社 

単行本(ソフトカバー): 254ページ

2010年8月30日 新版

●いまなおノーベル文学賞の前評判や、オリンピックの招致に振り回される人々がいる。

オバマは血なまぐさい演説を繰り広げ、サルコジは古典文学不要論を公言して憚らない。

日本のお家芸のように言われた島国根性は世界に蔓延し、はしたなさを露呈しあう。

しかしこのような時代にも心を湧き立たせてくれる、

つつしみ深い人物や映画、小説の世界は確実に存在する。

●元東大総長、映画評論家、批評家としても名高い

蓮実重彦氏の昨年8月に発売された近刊。

文芸誌に連載されていたエッセイを一冊にまとめたもの。

個人的なことで言いますと、軽い文体の本を続けざまに読んだ後に、

脳の軟弱化、老化を防ぐという意味で、

何ヶ月かぶりに必ず蓮見先生の本を読みたくなる。

●本書は、批評家としてのデビュー作として絶賛された

『反=日本語論』(筑摩書店)的な趣が濃厚な本である。

つまり、蓮実先生の身辺で起こった出来事をネタに、

難解、時に意味不明な独特の蓮実節はやや抑え気味、

しかし、偽悪的かつインテリ臭はやはりプンプンと漂わせ、

映画、小説、政治、文芸団体などを一刀両断に評論しまくるという

内容のエッセイです。

全15話分収められております。

●例によって、柄谷行人氏同様、

希代の人気作家、村上春樹氏には、 露骨な嫌悪感を示し、

徹底的にこきおろしている。

ノーベル賞予想の喧噪、利権が垣間見れる「国民読書年」などの

国策に対する冷めた批判、

オバマ大統領の就任演説に感じた違和感、

小説、文芸作品にまつわるやや御堅い評論、

もちろん、専門分野の映画にまつわるお話も満載です

(ハリウッド作品が、本国と同時公開されず、

異様に後になって上映される日本の異常さを批判したお話や、

老齢の映画作家を追悼するお話が特に面白かった)。

事故で志半ばで急逝した親しき同窓を追悼する話、

フランス文学者の大先輩中村光夫との思い出を語った話には、

蓮実先生らしからぬセンチメンタルなものが如実に込められており、

意外に思うと共に、ホロリとさせられます。

●冒頭記したように、

平易な文章ばかり読んでおりますと、

脳がダレてきてしまうといいますか、

語彙力、文章読解力が落ちてきてしまうのは正直否めません。

本書は、自己啓発本という観点ではちょっと当てはまらないかもしれませんが、

たまには、こういう複雑極まりない文章と格闘してみるのも、

知性が広がり、色々な発見もありますので、お薦めです。

秋の夜長、テレビやPCのスイッチを切って耽溺する本として、

必読の一冊かと思います。

 

 【マストポイント】

@「だが、それにしても、このグローバライズされた地球にあって、

人はなお、ノーベル文学賞の国籍がたまたま自分と同じであることに悦びを

見出さずにはいられないほどはしたない存在なのだろうか。

その受賞によって、「村上(春樹)文学の世界性」が証明されるなどと、

本気で思っている大学の教師がいるのだろうか。やれやれ」 

A「戦争の始末におえない怖ろしさは、

軍人が軍人としての義務をはたしえない状況に軍人を陥れるメカニズムが

不可避的に作動してしまうことにある。

かりに自国民の防衛が軍人の義務だとしても、

沖縄戦を想起するまでもなく、その義務をはたしえない軍人を少なからず

生産してしまうのが戦争の本質的なメカニズムだからである。

そのメカニズムを作動させないためにわれわれが存在しているはずだが、

われわれはその義務にどこまで自覚的たりうるだろうか」

B「批評家は、社会の教育的な刺激そのものをあれこれ批判する資格など持ってはいない。

みずからその刺激を受けとめながら、同時に、その刺激の一部たらざるをえないからだ。

批評に許された数少ない振る舞いは、その刺激が豊かな多様性を見失い始めたとき、

その瞬間を黙って指さすことぐらいだろう。

社会の教育的な刺激が豊かな多様性を見失うことは、

その社会の遠からぬ死を意味している。

遠からぬといっても、まだ数世紀は先のことであろうが」 

(以上本文より。一部改変)

 

【著者略歴】

蓮實 重彦
1936(昭和11)年東京生れ。東京大学文学部仏文学科卒業。教養学部教授を経て93年から95年まで教養学部長。95年から97年まで副学長を歴任。97年から2001年まで第26代総長。主な著書に、『反=日本語論』(1977、読売文学賞受賞)『凡庸な芸術家の肖像 マクシム・デュ・カン論』(1989、芸術選奨文部大臣賞受賞)『監督 小津安二郎』(1983、仏訳、映画書翻訳最高賞)など多数。1999年、芸術文化コマンドゥール勲章受章。

ラベル:蓮実重彦
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2011年09月26日

必読本 第1001冊目  楽園

必読本 第1001冊目

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楽園

後藤 静香

¥ 1,050

善本社

単行本(ソフトカバー): 157ページ

1986年2月1日 新版

●「人生は楽園なり」これが私の大前提である。

私の過去にも幾多の波乱曲折があった。

幼い日に父を失い、中学時代には家がまる焼けになった。

もともと虚弱体質で、わずかの無理がすぐさわる。

そのほか、とても記しきれない心の悩みを、いろいろと経験した。 

私のいくところ、止まるところが、楽園であるという信念に変わりない。

●「読書のすすめ」の清水克衛さんの著書で紹介されたことによって、

かなり古い本にも関わらず(初版はなんと昭和34年)、再注目されている本。 

社会教育家や慈善事業家として、戦前戦後の我が国の教育界に

多大な貢献を果たした後藤静香の中でも、

傑作の評価高い名エッセイ集。

●本書には、軽妙なタッチの随筆が32個ほど収められている。

人生をいかに生きるべきか、苦難の時にはどのような態度でいればよいのかなど、

著者自身の波乱万丈の人生経験から導き出した考え、思想は、

非常に重みがあります。

リンカーンやビクトル・ユーゴーなど、

偉人にまつわる感動話が沢山紹介されているのも特長の一つです。

●ちょっと古い本なので、時代錯誤的な内容も結構あるかなと心配したのですが、

森信三氏の本と同じく、全く古臭さを感じさせません。

あの、ミスター長嶋茂雄氏や、成功哲学研究家の西田文郎氏が

愛読書にしているのも納得の内容です。

「読書のすすめ」で、これも大推薦されている「少女パレアナ」

関するお話も収録されているのも面白いところです。

サラリと読める薄い本であることも美点ですね。

●難点は、やはり、無名の小出版社から出されている本ゆえ、

なかなか入手が難しいということでしょう。

アマゾンなどでは現在問題なく入手できるようですが、

「読書のすすめ」では一時、入荷に時間がかかったということなので、

興味をお持ちの方は早めに入手しておいた方がよろしいかと思います。

 

 【マストポイント】

@「わたしも、数えきれないほど逆境を通ったものの一人である。

しかし、どんなに辛い境遇であったにせよ、

それがむだであったとは思わない。

私から逆境を取り去ったら、どんな人間になったか知れないと思う。

私に生きがいを与えたものは逆境である。

順境は、私を怠慢にし、私によからぬことを教え、私をごうまんにし、

私をうすっぺらな人間にするだけで、何一つ役に立ったことはないような気がする」

A「山登りは頂上だけが目的ではない

目的の一部である

ふもとから頂上へ

頂上からふもとへ

道程の一切が目的である

楽しみながら上りまた下る

決して急がない

人生行路も同様である

花は、白馬ならぬこの世の旅にも咲き

新芽の精は脚下の一歩一歩に光る」

B「愛が小さいと、ひとのためにしたことを、

いちいち心にとめている。

そうして、何かの好意をうけたとき「いつかこれこれのことをしておいた」と、

差引勘定をする。

金貸しが利息を付けて返金を求めると同様の心境である。

何か人のためにつくせたら、それは自分の義務を果たしたものとして満足し、

その時切りの帳消しにしたい。

しかし、人の恩愛に接したときは、差引勘定なしに、感謝を以てうけたいものである」

(以上本文より。一部改変)

 

【著者略歴】

後藤 静香
明治17年8月19日、大分県大野町に生まれる。明治39年東京高等師範学校官費数学専修科を卒業し、長崎県立長崎高等女学校及び香川県女子師範学校に歴任すること13年。大正7年上京、全日本を対象として社会教育に専念し、月刊誌の発行、著作、講演等により、終始一貫、初志の貫徹に努むること50年に及ぶ。昭和44年5月15日没。昭和53年、多数の著作が「後藤静香選集」全10巻にまとめられた。著書にはほかに、「楽園」「生きる悦び」「道のしるべ」(以上善本社刊)がある。

ラベル:後藤静香
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2011年06月22日

必読本 第989冊目 「心」が強くなる48の詩―後藤静香が遺したことばの至宝

必読本 第989冊目

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「心」が強くなる48の詩―後藤静香が遺したことばの至宝

吉田 貞雄

¥ 1,260

中経出版 

単行本: 157ページ

1996年8月24日 初版


●後藤静香の500作品中、珠玉の詩、48編を収録。

詩は文字に抑揚(大小、字体)をつけたデザイン。

編者・吉田氏自身の解説エッセー、詩編付き。

●先日ご紹介した読書のすすめ清水克衛店長の本(必読本 第985冊目参照)の中で

さかんに推薦されていたので、興味を持った著者の本。

後藤静香とは、明治から昭和にかけて、

世の中の人々を鼓舞する詩集、書籍を多く残したことで有名な

国民的教師らしい(森信三、東井義雄的な存在だったのではあるまいか)。

女性的な名前だが、れっきとした男性(静香は「せいこう」と読む)である。

本来ならば、清水さん一押しの名作『楽園』をご紹介したかったのだが、

地元の図書館になかったので、たまたま借りることができた本書をご紹介する。

●編者は吉田貞雄氏という方が担当されているのだが、

冒頭、氏が考える成功法則めいた話が延々と続く。

ハッキリ言ってこの編者はどういう人物かよくわからないし、

この冒頭部分の話も大して重要ではない。

読み飛ばしてよい。

●後半は、本書のメインとなる部分である。

後藤静香の残した数多くの詩の中から、

元気がない時、心が折れそうな時に読みたい

珠玉の詩が48編ピックアップされている。

あの、吉川英治、松下幸之助、長嶋茂雄さんも愛読されている詩人だけに、

やはり、心を打つものが少なくない。

特に個人的に魂に響いたものは下記に記しておきます。

路線的に似ているという意味で、坂村真民、相田みつをファンにもおススメです。

小難しくて、長たらしい書籍ばかり読むのではなく、

たまには、本書のようにサラリと読めるけど、

心にずっしりと残るような詩集を味わってみるのもオツなものです。

 

 【マストポイント】

@「【体験】

体で見たことをいう。

体で見たことを書く。

体で見たことを行う。

目で見て見えるか?

耳で聞いて聞こえるか?

体で読んだものが本当だ。

体で祈ったものは実現する。

体で語ることは誰にも聞こえる。

体で悟ったことだけが我がものである。」

A「【法則】

考えるよりも為せ。

受けるよりも与えよ。

責めるよりも許せ。

誹るよりも誉めよ。

悲しむよりも悦べ。

間違いない人生必勝の法則。

説明する暇さえ惜しい。

断行すればよく解る。

真似でもよし。

行ってみよ!」

B「【何処よりか】

心暗く

涙にくれたとき

何処よりか声あり

まだ用事がある

お前の中に力がある

お前は強くなる

お前は美しくなる

お前を要する者が居る

覚めて夢ならぬ夢に

奮い起つ」 

(以上本文より。一部改変)


【著者紹介】

後藤 静香
明治17年8月19日、大分県大野町に生まれる。明治39年東京高等師範学校官費数学専修科を卒業し、長崎県立長崎高等女学校及び香川県女子師範学校に歴任すること13年。大正7年上京、全日本を対象として社会教育に専念し、月刊誌の発行、著作、講演等により、終始一貫、初志の貫徹に努むること50年に及ぶ。昭和44年5月15日没。昭和53年、多数の著作が「後藤静香選集」全10巻にまとめられた。著書にはほかに、「楽園」「生きる悦び」「道のしるべ」(以上善本社刊)がある。

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2011年04月10日

必読本 第972冊目 花言葉

必読本 第972冊目

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花言葉

美輪明宏(著)  

パルコ出版

¥ 1,470

単行本: 236ページ

2010年10月1日 初版


●心の友、人生の道案内となる愛の格言集。

自分を輝かせるための言葉、つらい時のための言葉、

美しく生きるための言葉、人と上手につきあうための言葉などを紹介します。

●本当に久しぶりの美輪明宏さんの本。

昨年秋口に発売された。

『オーラの泉』のような派手なレギュラー番組がなくなり、テレビの露出が減ったせいか、

一時の、異常とも思えた熱狂的な人気ぶりはやや影を潜めたかもしれませんが、

依然としてカリスマ的な人気を誇っておりますね

(先日、『いいとも!』のテレフォンに出演されていたが、

生地である長崎原爆のことにはチラリと触れられていたが、

くだんの地震で被災された人々を元気づけるようなメッセージを

発していただくことができなくて、やや残念だった)。

●本書は、5つのテーマに分け、

一ページに一つの割合で、

美輪さんの名言、格言を掲載するという体裁の本である。

書き下ろし作品というよりは、携帯サイト(私は別に会員ではないので、

断言はできませんが)や既出本などで語られた名言を集積、選別し、

一冊にまとめたような内容の本です。

●人生の酸いも甘いも経験し尽くした美輪さんの有り難い言葉の数々は、

やはり、非常なインパクトをもって読者の心に迫ってきます。

苦しい時、自分を磨きたい時、人と上手に付き合いたい時など

テーマ別に分けられておりますので、

なかなか自分一人では答えが見つからない時など、

ページを開いて美輪さんの言葉にヒントや勇気をもらいたいものです。

●新書サイズで、定価1,470円というのはちょっと高いような気もしますが、

外装、デザインに相当お金がかかっているようなので

(カバー画は、美輪さんの前世である天草四郎を美輪さん自身が描いた絵。

本文挿画は竹久夢二。

例によって、デザイン面には、並々ならぬ努力が払われている)、仕方ないでしょう。

美輪さんファンならば、バッグなどに常に携帯し、

折りに触れて目を通しておきたいような本です。 

 

 【マストポイント】

@「先のことを考えすぎると、

取り越し苦労をしたり、誇大妄想に陥ったりして、

必ず人生を損します。

大切なことはひとつだけ。

明日の朝、もしも目が覚めなくても、

後悔しないと思える今日を送ればいいのです」

A「好き放題おいしいものを食べて、飲んで、

健康でいたいというのは図々しい。

口から毒を入れれば、病気になるのは当たり前。

これも『毒あれば苦あり』です」

B「ふだん人を泣かせてばかりいる人は、

死んだ時には笑われ喜ばれるのです。

ふだん人を喜ばせ笑われている人は、

死んだ時には泣かれ悲しまれるのです」

(以上本文より。一部改変)


【著者紹介】

美輪 明宏
1935年、長崎市生まれ。国立音大付属高校中退。十七歳でプロ歌手としてデビュー。1957年「メケメケ」、1966年「ヨイトマケの唄」が大ヒットとなる。1967年、演劇実験室「天井棧敷」旗揚げ公演に参加、『青森縣のせむし男』に主演。以後、演劇・リサイタル・テレビ・ラジオ・講演活動などで幅広く活動中。1997年『双頭の鷲』のエリザベート役に対し、読売演劇大賞優秀賞を受賞。

ラベル:美輪明宏
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2008年11月26日

必読本 第818冊目 人生に、寅さんを。 ~『男はつらいよ』名言集~

必読本 第818冊目

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人生に、寅さんを。 『男はつらいよ』名言集

¥ 1,260 (税込)

キネマ旬報社

2008年10月15日 初版

 

●「やっぱり、真面目にね、こつこつこつこつやっていきゃ、

いつか、芽が出るんだから」・・・。

「男はつらいよ」40周年記念のポスターから生まれた名言集。

恋愛、人生、希望。心を明るくしてくれる、寅さんからのメッセージが満載。

●今年2008年は、『男はつらいよ』シリーズ第1作目が世に出てから

ちょうど40年目ということで、

記念DVDボックスや、関連書籍などが目白押しで発売されている。

本書も、その流れの中の一冊である。

●タイトルにあるように、寅さんシリーズ全48作の中から、

とりわけ心に残る名言を抜粋し、大文字で掲載(全39個)、

映画のシーン(モノクロ)とともに、

見開き2ページ形式で構成された写真集+名言集のような本である。

巻末には、山田洋次監督のあとがきと、

映画スタッフ、キャストと作品リストが掲載されている。

帯には、リリー・フランキーさんの推薦文がある。

●寅さんは、一般的な見方で言えば、

定職を持たない、不安定な身分で、

見かけもヤクザ丸出しの胡散臭い格好

(渥美さん自身、上半身に手術の傷跡があることもあり、

風呂に入るなど、裸になるシーンを嫌ったらしいが、

おそらく役柄としては、

背中に刺青の一つぐらいあってもおかしくない設定ではある)だし、

喧嘩っ早く、酒癖も悪く、金銭感覚も欠如し、

現実にこんな人間がいたとしたら、

正直、あまり関わり合いになりたくないタイプの人間である。

しかし、本書で紹介されている名言の数々を一通り読みますと、

何か、高名な哲学者の言葉をしのぐかのような、

鋭い真理がズラズラと述べられております。

有名大学の偉い教授の言葉よりも、

食うや食わずで、今晩の宿の当てさえない暮らしを強いられた

「渡世人」寅さんの言葉の方が、よっぽどズシンと心に響きます。

●人情、人のぬくもりなどという言葉が忘れられがちで、

何かと嫌な事件が多発しているこのような時代であるからこそ、

改めて読まれるべき本です。

『男はつらいよ』シリーズを一通り鑑賞した後に、

ことあるごとに読み返したくなるような味わいのある内容ですよ。

寅さんのニコッとした笑顔を見れば、

すぐに明るい気分に戻れるはずですよ!!

【マストポイント】

@「どこにいたって、愛がありゃあ、

天国なんじゃないの? そういうもんだよ。」 (第33作目 夜霧にむせぶ寅次郎)

A「思っているだけで 何もしないんじゃな、

愛していないのと 同じなんだよ。

愛しているんだったら、態度で示せよ。」 (第45作目 寅次郎の青春)

B「そりゃ今は悲しいだろうけどさ。

月日がたちゃ どんどん忘れて行くものなんだよ。

忘れるってのは 本当にいい事だな。」 (第27作目 浪花の恋の寅次郎) 

 (以上本文より、寅さんの言葉)

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2008年04月06日

必読本 第647冊目 奇跡は路上に落ちている

必読本 第647冊目

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奇跡は路上に落ちている

軌保 博光(著)

¥ 1,155 (税込)

角川書店

単行本:142ページ

2000年5月25日



●元気の出る、言葉です。

自信がないなんて、もう言わない!

出逢いも、夢も、感動も、みんな路上に落ちている。

魂を揺さぶる言葉を書く男、軌保博光が贈る、

史上最強の路上日記。

●先日ご紹介したばかり(
必読本第641冊目参照)

のてんつくマン、軌保博光さんの路上日記です。

1998年11月9日から2000年2月28日までの

間に起こったエピソードを日記風に綴った本です。

●映画を作りたい!ただそれだけの夢のために、

何のあてもなく始めた路上での「楽描き屋」稼業だったが、

当初は、子供の小遣い銭かというような

すずめの涙の収入しか得られず、

周囲の店舗のおばちゃんから水をまかれるわ、

売り物の書を踏んづけにされるわ、

警察に通報され指紋を採られるわ、

怖いお兄さんたちからは囲まれるわ、

散々な日々だった。

ここらあたりの心境は、ビラやティッシュ配り、ガードマン、露天商など、

街頭で仕事をされた経験のある方などは実に

共感できるところだろう。

雨露をしのぐ屋根もなく、数多くの通行者からの

軽蔑したような目線と、犬畜生のような冷たい対応、

不安定な身分と低収入・・・。経験者しかわからない辛さである。

●しかし、ある日、天使のような女の子から

「私を見て言葉を描いて下さい」と依頼されたことが

きっかけとなり、著者の中で何かが変わる。

その作品も徐々に評判となりはじめ、

人だかりができるほどお客さんの数も増え続ける。

噂を聞きつけたマスコミの取材、雑誌、ラジオなどのレギュラー決定、

作品の書籍化、全国ツアー敢行

(驚くべきことに、このツアー中、香川の路上で出会った

女の子と、後にちゃっかりと結婚までしてしまう)、

個展開催、ニューヨーク武者修行など、

まさに奇跡的な展開ですべてが好転し始める。

●この本は、仕事に限らず、何か新しいことを

開始したいんだけど、その一歩を踏み出す勇気がない、

どうも恐怖心、不安感がすぐに頭をもたげてしまう、

面白いアイディアはたくさんあるんだけど、

何かまわりの支援、協力が得られないという方に

是非手にとってほしい本です。

膨大な借金を抱え、一時はたくさんの友人、支援者の

期待を裏切るようなことをしてしまうも、

夢をあきらめず、行動、継続することの大切さを

身を持って示しくてくれる軌保さんの姿に、

熱いものを感じることができるはずです。


【マストポイント】

@やりたいことはまず口に出そう。

そうすることで応援してくれる人が現れる。

そして、自分に対して逃げ道をなくすこともできる。

もし、仮にできなくて恥をかいたとしても、

「それぐらいの恥が何やっちゃうねん!」と開き直ろう。

織田信長も坂本竜馬も小さな失敗は無数にしているのだ。

Aほめられたら、謙遜より感謝しよう。

自信がないから、カワイイ女の子が、

他人から外見をほめられても、素直に「ありがとう」ではなく、

「そんなことないですよ〜」と否定モードになってしまう。

怖いお兄さんたちに路上で絡まれても、

当初はビビリまくりの軌保さんも、

自信がついたら堂々と対応できるようになった。

B「頼るのは、神でもなく、他でもなく、まず自分自身」

ある新興宗教教祖の本を持っていたおばちゃんに書いた言葉。

それを書かれたおばちゃんは不機嫌そうに帰っていたという。

著者曰く、

「もし、神がいるとしても、「助けてください」とすがる存在ではなく、

「やるから見ていて」と誓う存在だと思う。

ましてや、「人類は滅びる」とか、恐怖心を煽って、

入信させるのは最悪だ」。

 

【著者略歴】

てんつくマン(軌保 博光)
1988年お笑いコンビ“TEAM 0(相方:山崎邦正)”結成。1994年吉本興業退社。1996年10万人100万人で創る史上初の参加型映画の製作チームを結成。1997年製作費を集める宣伝を兼ね、1カ月連続フルマラソンに挑戦、完走。映画撮影2日前までたどり着くが、準備不足のため撮影延期。1998年映画の製作費を集めるため、書道もしたことがないのに、一か八かで路上の座り筆と墨を使いインスピレーションで言葉を書き始めると奇跡の大ブレーク、路上詩人と呼ばれる。2002年日本を3周しながら、講演活動、百貨店での個展、本の販売などにより、映画の製作費6000万円を集める。名前を映画のタイトル「107+1―天国はつくるもの」からとり、“てんつくマン”と改名。2003年11月より上映開始。ただ今、映画を観て心震えた多くの方々が上映主催者となり、全国各地にて感動上映中。2004年映画の制作をきっかけに環境問題・海外支援に関心を持ち、日本国内に留まらず、海外まで飛び回り、アホで熱いNGO「MAKE THE HEAVEN」を仲間ともに立ち上げる。

てんつくマン 公式ホームページ http://tentsuku.com/

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2008年03月31日

必読本 第641冊目 天使と戦士に贈る詩―天国はつくるもの

必読本 第641冊目

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天使と戦士に贈る詩―天国はつくるもの

軌保 博光(著)

¥1,365(税込み)

サンクチュアリ出版

2000年7月15日 初版



●僕らは楽しむために生まれてきた。

すべてはあきらめるかあきらめないか。

やり続ければ、想いは必ず叶う。

僕らは僕らの自分の意思で、誇りの虹をかけてゆこう。

君の一歩で、未来は変わる。

この星を元気にする、すべての人に贈る、

力湧き出る、虹色のメッセージ集。

●中村文昭さんの最新刊(必読本第399冊目参照)で

大々的に紹介され、

一般にも知られることが多くなったてんつくマンこと

軌保博光さん(おそらく名字の読みにくさも改名の原因でしょう)。

お笑い芸人として山崎邦正の元相方だった人物だが、

自主制作映画の資金集めのために

その人の顔を見てひらめいた言葉を筆文字でしたためて

売るという路上詩人の仕事を開始し、

大きな話題となる。

●本書は、著者のインスピレーションで湧いてきた

メッセージを、味わいのある筆文字で描いた

詩集である。

個人的には、この手の、

引いてしまうぐらいに一人で勝手に

盛り上がっている、「熱い」系の男というのは

私は非常に苦手なのである。

相田みつを系というか、

何かすごいパワフルでいい言葉を言っているんだけど、

本人自身はその言葉を実践しているんですか?

真の目的は何なんですか?

あなたの言っていることは確かに正論なんだけど、

興味がない人にはあなたの主義を強制しないで下さいね、

みたいな人っているじゃないですか。

熱いんだけど空回りしているというか、言行不一致的で、

なおかつ、何か裏で変なことをやってそうで、

一緒にいても落ち着かないような気持ちにさせる人。

政治家や宗教家やネットワークビジネスなどに多いですよね。

●中村さんの本で紹介された時も、

その珍奇な名前、それほど一般にはメジャーな存在ではないこと、

映画自体がアンダーグラウンド的でその目的などもいまいち

はっきりしないことなどがあって、

何か微妙な違和感を感じたものだった。

だが、本書を読んでみると、

意外にいいことを述べているし、

感性的にも私は非常に近いものを感じた。

●あとがきで、吸い込まれるように運命の本と

出合ったこと、直感を非常に重視すること、

世の常識や体制に従うのを潔しとせず、

自分の力をフルに使って夢を達成しようなど、

共感を覚える点も非常に多い。

いい加減な人物ではないようなので、

先入観は完全に覆された。

やはり、表層的なところだけで偏見を持ってしまうのでなく、

しっかりとその著書にあたってみることは大事なことである。

●本書は絶版だったが、

最近、子供のかわいい顔写真が

写っているカバーとなって、復刊されたようだ。

そちらの方は中身を確認していないのだが、

本文には写真入りなど、新しい試みもなされているようである。

メッセージの方はそれほど違いはないと思うので、

古本価格や個人の好みで、どちらにするか決めればよいでしょう。



【マストポイント】

@天国とは死んでから行くところではなく、

自分が今作るもの。

A楽は必ず楽を呼ぶ。

迷ったら迷わず楽しい道へ行け。

B「偶然」とは誰かが作った言葉。

すべての出来事や出会いは成長の為に

やってくるプレゼント。

この世に偶然はないと100%信じる時、

すべてがハイスピードに成長する。


(本文より引用。一部改変)

 

【著者略歴】

てんつくマン(軌保 博光)
1988年お笑いコンビ“TEAM 0(相方:山崎邦正)”結成。1994年吉本興業退社。1996年10万人100万人で創る史上初の参加型映画の製作チームを結成。1997年製作費を集める宣伝を兼ね、1カ月連続フルマラソンに挑戦、完走。映画撮影2日前までたどり着くが、準備不足のため撮影延期。1998年映画の製作費を集めるため、書道もしたことがないのに、一か八かで路上の座り筆と墨を使いインスピレーションで言葉を書き始めると奇跡の大ブレーク、路上詩人と呼ばれる。2002年日本を3周しながら、講演活動、百貨店での個展、本の販売などにより、映画の製作費6000万円を集める。名前を映画のタイトル「107+1―天国はつくるもの」からとり、“てんつくマン”と改名。2003年11月より上映開始。ただ今、映画を観て心震えた多くの方々が上映主催者となり、全国各地にて感動上映中。2004年映画の制作をきっかけに環境問題・海外支援に関心を持ち、日本国内に留まらず、海外まで飛び回り、アホで熱いNGO「MAKE THE HEAVEN」を仲間ともに立ち上げる。

てんつくマン 公式ホームページ http://tentsuku.com/

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2007年11月20日

必読本 第534冊目 金子みすゞの情景―心に伝わる童謡詩人 三坂仁きりえ集

必読本 第534冊目

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金子みすゞの情景―心に伝わる童謡詩人 三坂仁きりえ集

三坂 仁(著)

¥ 1,890 (税込)

展望社

大型本:100ページ

2007年10月31日 初版



●私は不思議でたまらない、

黒い雲からふる雨が、銀にひかつてゐることが。

私は不思議でたまらない、青い桑の葉食べてゐる、

蠶が白くなることが?。

金子みすずの詩の世界を、郷愁を誘うきりえで描く。

●あてもなく、大型書店をブラブラ歩いていると、

たまに、思いがけない「ヒット作」に出合うことがある。

本書はまさにそれにあたるでしょう。

知る人ぞ知る、伝説の童謡詩人金子みすゞの詩集と、

その世界観を表現したきりえの合作本です。

●右ページにはみすゞの詩を、

左ページには、その詩の内容を描いたきりえを載せる。

詩の下部には、その詩の解説文がさりげなく

付いていることも、細かいことだがうれしい。

●左ページは、

日本人ならば誰もが郷愁を覚える、

あの独特のきりえである。

金子みすゞの世界観を表現するには、

やはり、単なるイラストよりも、きりえで

表現するのがふさわしい。

色使いも美しく、子供や小鳥などの表情のタッチも

実にかわいらしく、まさに心が洗われるようです。

●これからの時期、

小さいお子さんやご年配の方々への

クリスマスプレゼントとして、非常に

最適な本です。

のみならず、バタバタと毎日忙しく立ち働いている

社会人の方々の、「心の清涼剤」としても最高にオススメできます。

昔、両親やおじいさんおばあさんに

読んでもらった、あの懐かしい昔話の世界、童謡の世界に

一気に戻ることが出来ますよ

(併せて、必読本第488冊目も参照下さい)。


【マストポイント】

@きりえなどは、ほとんど若い人にはなじみが薄いだろうが、

やはり日本人ならば誰もが郷愁を覚える。

昔懐かしいもの、伝統のあるものには、

いつの時代も、人を引き付ける吸引力がある(駄菓子屋、

コンビニのおでん、『ALWAYS 三丁目の夕日』など)

A普段何げなく見ていても、深く考えたりすることのない

細かな事物に、

ものすごい発見、解決へのヒントを見つけることができる

(タンポポ、小石、スズメ、小川、太陽、星など)。

Bどんなに有名になっても、大金持ちになっても、

弱きもの、小さきものが持つ繊細な目線というものは、

忘れたくないものだ。



【著者略歴】

三坂 仁
昭和3年生まれ。パストラルホール館長等を経て、画業に専念。周東町文化協会会長。(財)周東町勤労者福祉財団理事長。2000年に勲五等瑞宝章を受章。全国きりえコンクール佳作等を受賞。


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2007年09月28日

必読本 第488冊目 わたしと小鳥とすずと―金子みすゞ童謡集

必読本 第488冊目

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わたしと小鳥とすずと―金子みすゞ童謡集

金子 みすゞ(著), 矢崎 節夫(編集)

¥ 1,260 (税込)

JULA出版局

単行本: 160ページ

1984年8月31日 初版




●親しみやすい選集、珠玉の60編。

『金子みすゞ全集』から60編を選び、旧仮名遣い・旧漢字を改め、

美しい装丁の小型本にまとめました。

初めてみすゞに出会う方におすすめの本です。

●数多くの本を読んでいると、

表題になっている「わたしと小鳥とすずと」の詩

を引用される著名人の方が結構いるのだが、

誰が書いた詩なのか不明で、ずっと気になっていた。

そんな折、色々調べてみたら、

金子みすゞという女流詩人の代表作で、

なんと明治末に生まれ、

大正期に活躍された、結構古い方だというではないか。

それに続き、古本屋さんをブラブラしていたら、

折りよく著者の本が発見できたので、

喜び勇んで購入し、本日早速読んでみることにしました。

●この本を読んで驚愕したのが、そのみずみずしい感性である。

汚れを知らない子供のように、

純真無垢で、なおかつユーモアセンスに溢れる

その目線には、誰もが魅了される。

極めて稀有なセンスの持ち主である。

●仮名遣いや旧字体は、現代風に改変されているのだが、

それにしても、大正期の人が書いた作品だとは

とても思えない。

現代人が書いた詩集だと言っても、

だれも疑問に思わないぐらい全く古臭くない。

一つ一つの言葉の選び方も、シンプルな形態も

何か郷愁的で、日本昔話を子供の頃

親から読み聞かせしてもらったような心地よさ、懐かしさも

感じさせる。

あえて挿画を控えめにしているのも良い。

読者の想像力を喚起させることに成功している。

●童謡詩人であることもあり、

幼稚園児や小学生の朗読書として

一も二もなく大推薦したい本です。

ほとんどひらがなで綴られており、

難しい漢字もほぼないので、ごく幼い子供さんでも

充分一人で読書可能です。

ごくごく小さいうちから、この本を

繰り返し音読させれば、親がどうこうせずとも、

「美しい日本語」は自然と身につくはず。

併せて、弱者を思いやる心や、芸術的なセンスも

我が子に授けることができる。

お孫さんや他人のお子さんへのプレゼントしても最適な1冊でしょう。

●昔の文筆家の中には、

芥川や太宰のように、創作上の行き詰まりや、

悲恋の果てに自害する者が多かったが、

著者も26歳にして自らの命を絶ってしまったようである。

その経緯は本書には記されていない。

これほどまでに素晴らしい詩を残した方なのに、

なぜそんなに死に方をしなくてはならないのだという

疑念は当然起こるが、

しかし、その不幸な末期と、著者が残した詩の輝きは

全く矛盾しない。

尾崎豊のように、「虎は死して皮を残す」のごとく、

その残した作品は永久に不滅である。

悲惨な末期には、あまり拘泥する必要はないと思う。

 

【著者略歴】

金子 みすゞ
1903年(明治36年)山口県長門市仙崎(当時大津郡仙崎村)生まれ。本名は金子テル。大正末期から昭和の初めにかけ、雑誌「童話」「赤い鳥」「金の星」に投稿し、西條八十に、「若き童謡詩人の中の巨星」と賞賛されながらも、26歳の若さでこの世を去る。

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2007年09月20日

必読本 第480冊目 幸福の秘訣―心の詩画書ベストセレクション

必読本 第480冊目

城たいが.jpg

幸福の秘訣―心の詩画書ベストセレクション

城 たいが (著)

¥ 1,000 (税込)

経済界

単行本:ページ記載なし

2007年6月21日 初版



●幸せは自分の心が「幸せだ」と思ったときから始まる。

自分が変われば周囲が変わる。

感謝と誠実そして笑顔、喜びの生活を始めよう。

お地蔵さまのイラストとともにあたたかい言葉が綴られた詩画書。

●私がよく行く書店で、

殿村進さんの詩画集の隣に平積みされていた本。

ずっと気になりつつも、中身を開くことまではしなかったのだが、

売れ行き好調で、

日ごとに平積みされていた本が減っていくので、

遅まきながら読んでみることにした。

恥ずかしながら、著者のことは

本書と出合うまで全く知らなかったのだが、

テレビに登場するなど、一部ではかなり有名らしい。

●簡単に言ってしまうと、

「相田みつを+殿村進÷2=城たいが」と

いう感じの本だろうか。

相田みつを的人生応援メッセージに、

殿村さんのような、かわいいお地蔵さんの絵を添えるという

シンプルな構成の詩画集です。

カバーにもあるように、

「笑」、「喜」、「幸」などの文字が、人の顔のように

表象されているのが、著者の特徴となっております。

●人生に疲れた時、生きる力がなくなった時など、

肩がこらずにサラリと読め、

パワフルなメッセージをもらえる。

上記のように、相田さん、殿村さん、坂村真民さんの

ファンの方などには特にオススメできる本かと思います。

●詩画集といえば、結構値が張るものが多いが、

本書は1,000円ちょうどという廉価であることもうれしい。

ちょっとした贈り物としても喜ばれるでしょうね。

著者のホームページを見ると、

グッズ関係の販売もしているようです。

斎藤一人さんや小林正観さんのグッズと

作風が似ているのがちょっと気にならないわけではないですが、

ホンワカカワイイ系の

この著者のテイストは万人受けしそうですから、

興味があったらお求めになられたらよろしいのではないでしょうか。



【著者略歴】

城たいが

宮崎県出身。詩画書作家として京都を拠点に活動中。人間の根源の愛と笑顔への回帰を訴え、描く詩画書はお地蔵さん・ブースケなどの天衣無縫な笑顔と相まって人気を博し、多くの賛同者を得ている。

城たいがさん 公式ホームページ http://www.jyotaiga.com/

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2007年09月18日

必読本 第479冊目 まごころの本―母恩無限

必読本 第479冊目

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まごころの本―母恩無限

坂村 真民(著), 殿村 進(著)

2,039円(税込み)

春陽堂書店

単行本:ページ記載なし

平成5年5月22日 初版




●一篇の詩との出会いが人生を変えることがある。

心が病んだ時ページをめくって下さい。

きっと元気が戻ってきます。

●何か因縁めいた関係を感じる本がある。

私の中では、本書の著書坂村真民さん、

殿村進さんの本がそれにあたる。

どうしてかというと、古本屋さんに行くと、

私に買われるのをジッと待っていたかのように

なぜか頻繁に出合うからである。

あたかも、殿村さんのお地蔵さんの絵のように、

他の人に買われずに、私が来てくれるまで

ずっと鎮座していたのではないかと思ってしまうほどである

(脇道にちょっとそれるが、不思議と

何度も出合う人、何度も出合う本などには何か深い意味がある。

ある種のシンクロニシティと言えるだろう。

自然にそれに従って行けば、いい結果が出る例が多いようである)。

●本書も、そのような邂逅の末、

購入した本。

以前ご紹介した本(必読本第473冊目参照)と同じように、

殿村さんが、坂村さんの詩の中から

心に残ったものを抜粋し、それに

ご自分の絵を添えるという内容の本です。

この本も大変好評だったのですが、

ずっと絶版で、坂村さんが

先年ご逝去されたことを機に復刊されたようです。

●本書タイトルにもなっている、冒頭の「まごころの詩」は

特に心に響きますよ。

人間の「こころ」というものは、

(斎藤一人さんも何かの本で言われていたように)

その名の通り、ころころと移り変わる気まぐれな性格がありますが、

その上に「ま」がつき、「まごころ」となると、

途端に性格が一変する。

悪いものを良くし、汚いものをきれいにし、

あらゆるものを明るく照らしてくれる。

こころは変わりやすいが、まごころは不変である。

人知れず涙してしまいそうな時、心が乱れてしょうがない時、

孤独感を感じる時などに是非とも読んでほしい本です。



【著者略歴】

坂村真民 

明治42年熊本県生まれ。昭和6年神宮皇學館(現・皇學館大学)卒業。25歳の時、朝鮮で教職に就き、36歳で全州師範学校勤務中に終戦を迎える。帰国後、21年から愛媛県で高校教師を務め、65歳で退職。以後、詩作に専念。四国に移住後、一遍上人の信仰に随順して仏教精神を基調とした詩の創作に転じ、37年月刊個人詩誌『詩国』を創刊。平成11年愛媛県功労賞、15年熊本県近代文化功労者受賞。惜しまれつつも、2006年12月11日に老衰のため97歳にて永眠する。


殿村進 

昭和8年秋田県生まれ。34年二科会初応募初入選。55年母親の死が大きな転機となり絵馬制作に入る。56年秋田県民芸作品展初応募銀賞。58年まごころ秋田キャンペーンマーク知事賞。59年秋田ポスター展知事賞。平成9年12月没。


ラベル:殿村進 坂村真民
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2007年09月12日

必読本 第475冊目 しんみん山の本

必読本 第475冊目

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しんみん山の本

坂村 真民(著), 殿村 進(著)

2,100円(税込み)

春陽堂書店

単行本:ページ記載なし

平成6年5月10日 初版



●山があって川がある、山が父なら川は母である。

坂村真民の詩と、殿村進の絵からなる本。

●先日ご紹介したばかりの坂村さんと殿村さんの

合作本(必読本第473冊目参照)ですが、

その時に同時に購入した本。

やはり、真民さんの本も、殿村さんの本も

本屋さんで見つけたら素通りすることはできません。

●殿村さんがどのような闘病生活を

送られていたのか、最晩年の姿に関する

情報は個人的には全くないのですが、

平成9年に逝去されたことを考えると、平成6年のこの作品は

かなり病身を押して描かれたことが想像される。

よって、まさにその絵筆には魂がこもっているというか、

ある種の鬼気迫る霊気が漂っている。

是非ご自分の目で確認してほしい。

●坂村さんの詩の方も、

若い頃から大変苦労されてきた経歴が

にじみ出ているというか、生きることの辛さ、

切なさがありつつも、それを乗り越えて

人間は生きていかなければ

ならないのだということを我々にただひたすらに教えてくれる。

やさしい言葉ながらも、我々を力強く鼓舞してくれます。

絶望感に打ちひしがれてしまうような

時に是非とも開きたいような本です。


 

【著者略歴】

坂村真民 

明治42年熊本県生まれ。昭和6年神宮皇學館(現・皇學館大学)卒業。25歳の時、朝鮮で教職に就き、36歳で全州師範学校勤務中に終戦を迎える。帰国後、21年から愛媛県で高校教師を務め、65歳で退職。以後、詩作に専念。四国に移住後、一遍上人の信仰に随順して仏教精神を基調とした詩の創作に転じ、37年月刊個人詩誌『詩国』を創刊。平成11年愛媛県功労賞、15年熊本県近代文化功労者受賞。惜しまれつつも、2006年12月11日に老衰のため97歳にて永眠する。


殿村進 

昭和8年秋田県生まれ。34年二科会初応募初入選。55年母親の死が大きな転機となり絵馬制作に入る。56年秋田県民芸作品展初応募銀賞。58年まごころ秋田キャンペーンマーク知事賞。59年秋田ポスター展知事賞。平成9年12月没。

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2007年09月10日

必読本 第473冊目 タンポポの本―念ずれば花ひらく

必読本 第473冊目

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タンポポの本―念ずれば花ひらく

坂村 真民, 殿村 進

2,100円(税込み)

春陽堂書店

単行本:ページ記載なし

1992年2月10日 初版



●ある一篇の詩との出会いが、人生を変えることがある。

生きてゆく力がなくなった時にきっと元気づけてくれる詩、

そんな詩と絵馬師・殿村進が描く心の世界。

●本書は、既に鬼籍に入られている

坂村さんと殿村さんの合作本。

発売から10万部も突破しているロングセラー。

通常、殿村さんの本は、画も詩も

ご自分で担当されているのだが、

本作は、坂村さんの詩で、殿村さんが特に感銘を

受けたものを抜粋し、それに殿村さんが

絵を添えるという構成になっている。

●本書は既に絶版なのだが、

今年になってから愛蔵版として復刊されているようである。

数ヶ月前に、書店で中身をパラパラとしか見てないが、

カバーは全く同一で、

一部分だけ抜き書きされた
坂村さんの詩の全部分を巻末に掲載し、

ボリュームアップされた感じとなっておりました。

●その愛蔵版は、やはりちょっと高めの価格ですが、

1冊で、坂村さんの詩集と、殿村さんの画集を

ダブルで楽しめるということを考えれば、

それほど法外な価格とは言えないでしょう。

以前から何度も申し上げている通り、

贈り物としても大変喜ばれます。

 

【著者略歴】

坂村真民 

明治42年熊本県生まれ。昭和6年神宮皇學館(現・皇學館大学)卒業。25歳の時、朝鮮で教職に就き、36歳で全州師範学校勤務中に終戦を迎える。帰国後、21年から愛媛県で高校教師を務め、65歳で退職。以後、詩作に専念。四国に移住後、一遍上人の信仰に随順して仏教精神を基調とした詩の創作に転じ、37年月刊個人詩誌『詩国』を創刊。平成11年愛媛県功労賞、15年熊本県近代文化功労者受賞。惜しまれつつも、2006年12月11日に老衰のため97歳にて永眠する。


殿村進 

昭和8年秋田県生まれ。34年二科会初応募初入選。55年母親の死が大きな転機となり絵馬制作に入る。56年秋田県民芸作品展初応募銀賞。58年まごころ秋田キャンペーンマーク知事賞。59年秋田ポスター展知事賞。平成9年12月没。



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2007年08月08日

必読本 第441冊目 こんにちただいま―一念無限の力を持とう

必読本 第441冊目

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こんにちただいま―一念無限の力を持とう

坂村 真民(著)

1,223円(税込み)

 致知出版社

単行本: 146ページ

平成6年5月25日 初版



●先年97歳の大往生を遂げられた

坂村真民さんの貴重な講演、対談を

収録した絶版本です。

なかなか古本屋さんでも見かけない希少な本です。

●全体は2部構成。

前半は、致知出版社が主催する「木鶏クラブ」での

講演を載せる。

人前で話すのが苦手でずっと断り続けてきたという

著者が、その講演会の「鶏」という字に、自分の鳥との

深い因縁を感じ、この稀有な講演を引き受けられた話から始まる

(自分が酉年生まれで、自宅でもペットとしてインコを飼い、

外でもいつも野鳥に餌を与えていた)

「真民」という名前に改名した由来、深夜真っ暗闇の時間に

起床し(毎日午後5時に就寝し、午前0時に起床していたとのこと!)、

祈願と詩作にふける理由、

「念」の力が持つ奇跡的なエピソードの数々、

五臓六腑に感謝の祈りを捧げていたら、

薬、医者要らずで病気を自分で治すことができるようになったなど、

坂村さんの詩だけしか読んだことがない方には、

初めて聞くような興味深い、不思議な話が数多く語られております。

●個人的には、夜明け前の波動が、森羅万象に、

無限のパワーを与えてくれるという話がズシンと心に響きました。

朝寝坊の人は、この話を読むと、絶対に早起きせねばと

反省してしまうこと確実です。

他にも、この出版社から本を数多く出されている、

小林正観さん、北川八郎さんの話に通じるような

話も多いという意味において、

両氏のファンの方にもオススメできます。

●後半は、あのプロ野球、現東北楽天監督の

野村克也氏との対談を載せる。

対談時は、ヤクルト監督として初の日本一を

達成していた頃。

写真も今と比べると相当若い。

「念ずれば花ひらく」という言葉を通して、

まさに奇遇とも言える

坂村真民さんの詩と出会った経緯から話は語られる。

あのテレビで見るふてぶてしい感じとは

全く逆の、坂村さんにアドバイスを求める

謙虚な姿勢が実に意外であった。

高卒後、テスト生として南海(現ソフトバンク)に入団し、

スーパースターの王、長嶋の陰で、抜群の成績を残すも、

決して目立つような存在ではなかった

現役時代だっただけに、それこそ、

人に言われぬ艱難辛苦を無数に

経験してきたはずの野村氏。

当然、野球技術を磨くだけにとどまらず、

数多くの書物を読んで、内面も鍛えてきたはずだが、

その中に坂村さんの詩まであったとは

驚きであった。

坂村さんの、勝負師に対するアドバイス、

又、数多く野村氏に与えられた名言名詩の

数々を堪能できるという意味で、氏の本の中では異色の本と言えます。

 

【著者紹介】

坂村 真民
明治42年熊本県生まれ。昭和6年神宮皇學館(現・皇學館大学)卒業。25歳の時、朝鮮で教職に就き、36歳で全州師範学校勤務中に終戦を迎える。帰国後、21年から愛媛県で高校教師を務め、65歳で退職。以後、詩作に専念。四国に移住後、一遍上人の信仰に随順して仏教精神を基調とした詩の創作に転じ、37年月刊個人詩誌『詩国』を創刊。平成11年愛媛県功労賞、15年熊本県近代文化功労者受賞。惜しまれつつも、2006年12月11日に老衰のため97歳にて永眠する。

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2007年07月26日

必読本 第428冊目 地球に額をつけて―生きとし生けるもののために 坂村真民詩集

必読本 第428冊目

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地球に額をつけて―生きとし生けるもののために

坂村真民詩集

坂村 真民(著)

2,039円(税込み)

ぱるす出版

単行本(ソフトカバー): 125ページ

平成6年8月23日 初版




●一輪の花にも、一匹のこおろぎにもつゆくさのつゆにも無限の愛をそそいでゆこう。

生きとし生けるものへの限りない慈悲の心を詩に託して50年。

戦後から今日の傲慢時代まで83篇を12章に編集した人生詩集。

●先年97歳で惜しまれつつも逝去された、

坂村真民さんのちょっと前に発売された詩集です。

古本屋さんに行き、氏の本を発見すると、どうしても

素通りすることはできないですね。

何度同じ詩を読んでいても、やはり購入してしまいます。

●あらためて坂村さんの詩を読むと思うのだが、

坂村さんは自分の力で詩を作っていたというよりも、

何か超越的な存在が坂村さんに宿り、

それが坂村さんの手を通して詩を作らせたという

感じが強くしますね。

本書の中で著者本人が表明しているように、

「念ずれば花ひらく」という氏を代表する言葉も、

幽明の意識の中で、突如として氏の脳裏に宿った、

直感、天啓めいた言葉だったのではないかと私などは想像します。

●坂村さんの詩も当然心洗われるのだが、

のはら海さんという方の野草の押花が、

とても味わい深い趣を添えております。

是非ご覧下さい。

●有名なように、著者は、

30数年間において、毎月1000冊以上の

自作詩集を無償で全国に配布し続けてきたという

「凡事徹底」の鏡のような人物であった。

継続することの大切さを学ぶ上で、

鍵山秀三郎さんと共に、

是非とも参考にしたい人物である。

●この本がとりわけ貴重だと言えるのは、

114ページに、実際に著者が地球に額をつけて

祈りを捧げている写真が掲載されていることにある。

足からも地面の波動を吸収しようと

裸足になっていることも見逃せない。

他の本で、著者が深夜に重信川の近くの

地面に額をこすりつけて、人類平和を祈願していることは

既に知っていたが、写真をじかに目にすると、

やはり鬼気迫るような迫力を感じてしまう。

ファンならば一見の価値はあります。


 

【著者紹介】

坂村 真民
明治42年熊本県生まれ。昭和6年神宮皇學館(現・皇學館大学)卒業。25歳の時、朝鮮で教職に就き、36歳で全州師範学校勤務中に終戦を迎える。帰国後、21年から愛媛県で高校教師を務め、65歳で退職。以後、詩作に専念。四国に移住後、一遍上人の信仰に随順して仏教精神を基調とした詩の創作に転じ、37年月刊個人詩誌『詩国』を創刊。平成11年愛媛県功労賞、15年熊本県近代文化功労者受賞。惜しまれつつも、2006年12月11日に老衰のため97歳にて永眠する。

ラベル:坂村真民 殿村進
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2007年07月23日

必読本 第425冊目 愛の唄

必読本 第425冊目

愛の唄.jpg

愛の唄

桑原 茂夫(編集)

¥ 1,365 (税込)

PARCO出版

新書: 174ページ

2003年12月3日 初版

 

●北原白秋、竹久夢二、島崎藤村、高村光太郎、中原中也らの日本の詩人、

ランボー、ヴェルレーヌ、エディット・ピアフらのフランスの詩人の作品から、

「愛」を唄ったものを厳選。ことばで出来た宝石が光り輝く詩集。

●美輪明宏さんの著作が多いことでも

有名なPARCO出版から、数年前に

発売されたアンソロジー。

寺山修司、宮沢賢治、北原白秋、佐藤春夫など、

「愛」をテーマにした名詩を厳選して収録する。

●誰もが知っているエディット・ピアフの

『愛の賛歌』の訳詩が最後に掲載されていることもあり、

発売当時は、美輪さんの講演会やコンサート会場でも

発売されていたらしい。

よって、美輪さんのファンの方にもオススメです。

●私は三十男ですので、普段は詩集など、

気恥ずかしくて手に取ったりはしないのですが、

たまには、こういう愛の詩をじっくり味読してみるのも、

心や魂を浄化するために

必要なことかもしれないですね。

この本に納められている詩の多くは、

文章が非常にリズミカルで、

なおかつ、神々しいような光を放つような

美しい言葉ばかり使われておりますので、

黙読してそれで済ますのは非常にもったいない。

前書きにあるように、音読してみるのも一興です。

●今ヒットしているGReeeeNの『愛唄』も

そうですけど、やっぱり愛を唄った曲は

なんだかんだ言っても手堅く売れますよね。

どんなに殺伐とした世の中になっても、

誰もが、人間の根源的な部分において、

愛の感情を欲しているということでしょうか。

相手がいる人もいない人も、

人間にとって最も大切な感情である愛の気持ちを

再認識する上で是非ともお勧めの1冊です。
 

【著者略歴】

桑原 茂夫
1943年東京都生まれ、東京大学文学部卒。河出書房新社編集部、思潮社「現代詩手帖」編集長を経て、編集スタジオ・カマル社を設立。

ラベル:美輪明宏
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